2010年 12月 23日
クリスマスで俄か耶蘇になり、標記のレコードを聴いています。 これは今から107年前の今日、プランソンが米ビクターに初めて録音したセッションの、La Sonnambulaに続く2番目の吹き込みです。 23 December 1903 [B-871-1] 81023 Cantique Noël 'Minuit, chretiens' (Adam) 3-32661 (78) [B-871-1] 81023 s/8 do ビクターは、1903年3月にG&Tマトリクスを輸入してプレスした赤盤"Red Seals"の5000シリーズを発売しました。 同年4月にカーネギーホールに録音スタジオが作られ、米国ドメスティック録音の赤盤2000シリーズが発売されました。どちらも10インチです。 その後、同年10月から12インチの85000シリーズが発売され、この時10インチは、国内録音は81000シリーズに、輸入録音は91000シリーズにリナンバーされました。 赤盤の最初期レーベルは10インチが"MONARCH RECORD"、12インチが"DELUXE RECORD"です。 同時期のコロムビアのGRAND OPERA DISC RECORDシリーズやヨーロッパのG&Tに比べて圧倒的に数が出たんでしょうか、今でも比較的廉価で手に入ります。 でもこのレコードもそうですが、傷んだ盤がほとんどです。 [1]によると、"MONARCH RECORD"レーベルは発売時期によって次の4種類に分かれます。 A. Flush Label (July 1902 - Early 1903) B. Countersunk Label 1. Old Typestyle (Late 1902 - Apr. 1903) 2. New Typestyle a. No Sticker on Reverse (Apr. 1903 - Jan. 1904) b. Sticker on Reverse (Jan. - Dec. 1904) 旧字体と新字体でわかりやすいのは"C"で、旧字体では下も先が折れています。 なお"Red Seals"はすべて新字体です。 プランソンのレコードは録音時期から考えて、1904年の発売だと思います。 事実このレコードにも裏面に2$の価格ステッカーが貼られています。 このNoëlは、S8盤があることからもわかるように、プランソンのベストセラー・レコードになりました。 また、1906年にはオーケストラ伴奏版が吹き込まれました。 23 January 1906 [C-3029-1] 85099 Cantique Noël 'Minuit, chretiens' (Adam) 032032 6248 DB389 (76) この2回目の録音は復刻CDで聴く限り、レガートで美しく歌っていますが、1回目のピアノ伴奏の録音は、マルカートの歌唱が、よりストイックで敬虔な雰囲気を醸し出していると思います。 先日、富士の音楽人さんのオリジナル・シルバー・オートグラフで、このレコードを聴かせていただく機会を得ました。 このオートグラフはフロントホーンが効いているのがよくわかり、蓄音機的ともいえる中音域の充実感が素晴らしかったです。 すさまじい雑音の中から聴こえる、深々としたプランソンの歌声を堪能したことを付記して備忘録とします。 Reference [1] M. W. Sherman, The Paper Dog (A.P.M. Press, 1987)
by ibotarow
| 2010-12-23 18:34
| 男声_ラッパ吹き込み
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