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2016年 09月 10日

カール・フレッシュ(1873-1944)のエジソン盤

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以前、カール・フレッシュのディスコグラフィーで、フレッシュのレコードは1枚もないと書いたが、その後、エジソン盤を3枚入手できた。
しかし、縦振動盤はカートリッジを付け替えて、面倒な調整が必要なので、なかなか聴く機会がなかった。

前回、ニノン・ヴァランの縦振動盤を聴いたついでに、カール・フレッシュも聴いた。
聴いたのは次の3枚である。
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1914.04.09 with Homer Samuels (p)
[2946-A] 82063-R Gesänge No.6: Ave Maria, D 839 (Schubert, arr. Wilhelmj)

1926.02.08 with Kurt Ruhrseitz (p)
[10820-B] 82349-R Légende, Op.17 (Wieniawski)
[10818-A] 82349-L Norske Danser Op.35, 2 (Grieg, arr. Flesch)

1928.03.23 with Raymond Bauman (p) d0090784_725422.jpg
[E 18331-A] 80897-R Rêverie Op.22, 3 (Vieuxtemps,), 47001 [N 149-A], 30006-L [12052-A]

1928.03.24 with Raymond Bauman (p)
[E 18335-C] 80897-L Hejre Kati - Scène de la Czarda, op.32, 4 (Hubay), 47001 [N 152-A], 30006-R [12051-A]

前記事に書いたように、
エジソンが電気録音に移行したのは1927年4月からなので、前の2枚はラッパ吹込みである。
なお、80000シリーズはLight Classical、82000シーズはClassical & Operaticである。
また、Nで始まるマトリクスは横振動盤、30000番台は片面5曲収録の長時間盤であり、前者は縦振動と同時録音、後者はダビングによって作られた。

まず、1914年録音のシューベルト (1797-1828)のアヴェ・マリアであるが、後の2枚に比べて高域レンジが狭い。
またピアノの音量が小さい。でもヴァイオリンの音は力強く捉えられている。

2枚目の1926年録音のヴィニアフスキー (1835-1880)のレジェンドと、グリーグ (1843-1907)のノルウェー舞曲は、1914年と比べて、目の覚めるような鮮明さである。
それは、1928年の電気録音と比べても遜色ないほどであり、ピアノの音量もしっかりと入っている。

3枚目は1928年録音のヴュータン (1820-1881)のリヴリーと、フバイ (1858-1937)のヘイレ・カティ。
2枚目に比べて細身で繊細、しかも柔らかさで勝る。ワイドレンジなのであろう、ピアノは低音が豊かである。

フレッシュというとヴァイオリン教師という先入観があり、写真を見ても堅物のイメージがあるので、教科書風の演奏を想像するが、今回の小品を聴く限り、決してそんなことはない。
ヴォルフシュタール (1899-1931)、ヌヴー (1919-1949)、ハシッド (1923-1950)、それぞれ個性的で素晴らしいが、19世紀スタイル丸出しのねちっこいポルタメントや、興の趣くままのオッサンクサいアゴーギクで、でも俗に堕することなく、師匠の貫禄を見せつけ弟子たちを圧倒する。

この機会に、前記事のディスコグラフィーを改訂した。

なお、[1]で、
Microsoft Excel database file of all published/un-published Edison Diamond Disc records
なるファイルを見つけたが、これは、[2]と全く同じ。

References
[1] EdisonDiamondDisc.com (http://www.edisondiamonddisc.com/)
[2] TRUESOUND ONLINE DISCOGRAPHIES (http://web.archive.org/web/20080708221913/http://www.truesoundtransfers.de/index.html)
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by ibotarow | 2016-09-10 16:55 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(5)
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Commented by ポンちゃん at 2016-09-04 07:22 x
カール・フレッシュは1枚しか所有しておりませんが、私も(悪い意味での)教科書風の演奏とは正反対の歌心溢れる魅惑的な演奏に惹かれました。記事を拝見して、彼のSPを更に入手したくなってきましたが、出回っている数が少なさそうです。エジソンは縦横両方存在しているのですか。入手時に注意が必要ですね。縦振動の電気再生は、特殊なカートリッジが必要のようですが、いつか試してみたい気はあります。
Commented by ibotarow at 2016-09-05 11:17
ポンちゃんさん、ご無沙汰しています。

エジソンのダイヤモンドディスクは、わりと豊富にあると思います。
縦振動は、ステレオカートリッジの左右出力を片方逆相にして繋げば水平方向成分がキャンセルされるので再生できます。

この3枚は、DSD録音してあるのですが、かねて懸案の、レコードの写真をクリックしたら音が出るようにしたいのですが、相談に乗っていただけませんか?
Commented by Loree at 2016-09-13 22:18 x
念願の音源埋め込み、おめでとうございます☆
これはSYMPOSIUMの3枚組には含まれていない演奏ですね。
ピアノはともかく、ヴァイオリンの音はしっかり入っていて、たっぷり歌う演奏は今の時代標準に照らすとロマンチストと言ってもいいかもしれません。続編も楽しみにしています♪
Commented by ibotarow at 2016-09-14 12:56
ポンちゃんさんのおかげで実現できました。
まだ試行の段階ですのでアナウンスしていませんが、第1号のコメントありがとうございます。
おっしゃるように、フレッシュはかなりロマンチストですね。
もっとも19世紀に育った人には普通のことだったのかもしれません。
Commented by ibotarow at 2016-11-17 21:09
カール・フレッシュのレーベル写真2枚に音源を埋め込みました。お試しください。


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