いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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カテゴリ:ヴァイオリン_電気録音( 35 )


2016年 12月 18日

ベートーヴェンOp.1 ステレオvs.モノラル

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定年になって時間ができるとブログの更新もどんどんできると思っていたのですが、どうも最近モチベーションが上がりません。
つらつら考えるに、以前は仕事からの逃避がブログを書く原動力になっていたようで、逃避する必要がなくなった今、モチベーションもだんだん低下してきたと思われます。
というようなことを、先日ある会の忘年会でさる先達に申し上げたところ、それは燃え尽き症候群だと言われました。
それではいけないと、今レオ・スレザークのディスコグラフィーを作っているのですが、年内に出来上がりそうにないので、前にミクシーに書いた記事でお茶を濁します。

ベートーヴェンのピアノトリオ作品1ですが、ハンガリートリオ演奏のステレオ盤DF740.003のことを以前ちょっと書きました。
これのモノラル盤DF730.032がずっと気になっていたのですが、音の違いを聴きたいという不純な動機で、とうとう入手してしまいました。
それが先日到着して、さっそく聴き比べてみました。
マトリクスは下記のとおりです。

DF740.003 
[740003 1 21, M6 209095] Op.1-1 (1959 April 6 - 11)
[740003 2 21E, M6 210170] Op.1-2 (1959 April 9 - 11)

DF730.032
[730032 1 22, M6 209722] Op.1-1
[730032 2 21, M6 207698] Op.1-2

まず感じたのは、音の違い以上にトレースの安定度で、モノラルの方がはるかに安定しています。
次に感じたのは、音源の位置で、ステレオは当たり前ですが、3つの楽器がバラバラの位置から聴こえるのに対して、モノラルは、一か所からまとまって聴こえるので、音楽も一体感があるように聴こえます。

それで本題の音ですが、ステレオの方が多少派手に色付けされているようで、音楽が華やかで、躍動感があります。
それに対してモノラルは、ステレオより素朴で静かな、落ち着いた音楽に仕上げられています。

う~ん、個人的には、ベートーヴェンの処女作としては、ステレオの元気な音楽の方がふさわしいと思いますが、これはボクがはたちの頃にステレオ盤を聴いたときの刷り込みがあるかもしれません。
モノラルで聴く作品1は、ステレオより大人びて聴こえます。

でも、これほど違いがあるとは思ってもみませんでした。
これはカッティングの機械の差なのか、あるいは意識的にやっているのか?
いずれにしてもフランス盤はひねくれてます。

その後、このトリオの録音はステレオ、モノラル取り混ぜて下記のように全曲集まりました。
3番以降についてはいずれそのうち。

Beethoven Trios n° 1 & 2: 740.003, 730.032
Beethoven Trios n° 3 & 4: 730.034,
Beethoven Trios n° 5 & 6: 740.005
Beethoven Trio n° 7 Archiduc: 740.006
Beethoven Trios n° 8, 9, 10 & 11: 730.033
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by ibotarow | 2016-12-18 07:05 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 10月 22日

ボベスコ/ルグランのモーツァルト・デュオ

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先日、標記のレコードALPHA CL-3010がebayに出ているのを見つけ、しんぼうたまらず、土門拳がシャッターを押すときのような気迫を込めて入魂のビッドを放ち、無事落札しました。

MOZART duos for violin & viola K 423 & K 424
LOLA BOBESCO violin
FREDDY LEGRAND alto
FRENCH PRESSING ALPHA - CL 3010

それが到着しましたので、さっそくタンノイ・モノで聴いてみました。

K 423
[XPARTX 44340 21, M6 217655]
まだCL-3008と聴き比べていませんが、一聴後の印象は、ナローレンジだなと感じました。
そのためか、ヴァイオリンの音色は鮮明というよりツヤやかに聴こえます。

演奏は溌剌として可憐、細腕ボベスコの魅力満開です。

K 424
[XPARTX 44341 21, M6 217656]
この曲は先日入手したCD、
Hommage a l'Ecole Franco-Belge de Violon - Lola Bobesco & Henri Lewkowicz,
Spectrum Sound, CDSMBA014 (2016)
に、1961年3月31日録音の同じカップルの演奏があります。

音はCDの方が鮮明です。
二つの楽器のバランスは、CDでは並んでいますが、レコードはうれしいことにボベスコが前に出ます。

演奏はK 423と違って優美です。落ち着いた感じで、CDより完成度が高いと思いました。
CDは躍動感がありますが、音程が雑なところもあります。

年金生活者には分不相応な買い物でしたが、その価値は十分あったと思います。

ただ、後日、知人がヤフオクでこのCL-3010をもっと安く落札したと言うのを聞いて悔しい思いをしました。
でも1960年の録音らしいとわかったのがせめてもの収穫。

CL-3008 L´age d´or du Violonのマトリクスは、
[XPARTX 44328 21, M6 214500] Veracini, Tartini
[XPARTX 44329 21, M6 214501] Haendel, Leclair
で、CL-3010とほとんど同じなので、CL-3008も1960年の録音かもしれません。
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by ibotarow | 2016-10-22 13:57 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 02月 02日

ボベスコのl'age d'or du violon その後

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CL4008と聞いただけで、ボベスコの「ヴァイオリンの黄金時代」ステレオ盤だとわかった方は、重症のボベスコ中毒です。そういう人を約二人知っています。

Alpha CL 4008 Stereo L´age d´or du Violon.
Handel: Sonata No. 4;
Leclair: Sonata in D major;
Veracini: Sonata in C major;
Tartini: Sonata in G major.
Lola Bobesco, violin & Jacques Gentry, piano.

今まで、DB177とCL3008があるので、もうCL4008はいらないと思っていましたが、このたび、はからずも入手することができました。
なぜ入手できたかというと、入札時に3人の同席者から念力をもらったことと、ジャケットがボロボロだったので、あまり高額にならなかったためです。
ちなみにセラーによるコンディションの説明は、

Side 1 looks fine and plays NM-
Side 2 is noisier and plays VG+/VG with light ticks and short ticking here and there.
Cover is surprisingly bad comparing it to the condition of record, please see pictures.

セラーはフィンランドの人で、落札した直後にメールが来て、「今フィンランド郵便局がストライキ中で、いつ届くかわからない。」と書いてあったので心配しましたが、何日か後で「解決した。」とのメールが来て、先日、無事届きました。喜びもひとしおです。

さっそく聴いてみました。
1面がNM-だとすると、2面も同じくらいです。このセラーはかなり厳しい評価をしたようです。
ヴァイオリンは右、ピアノは左に定位します。これはDB177と逆です。

ステレオとモノラルのマトリクスを比べてみると、

CL 4008
[YPARTX 44331 21, M6 239092] Veracini, Tartini
[YPARTX 44330 21, M6 239093] Haendel, Leclair

CL 3008
[XPARTX 44328 21, M6 214500] Veracini, Tartini
[XPARTX 44329 21, M6 214501] Haendel, Leclair

M6番号は少々違いますが、PARTX番号は連番なのでカッティングは連続して行われたようです。
CL3008は、ステレオカッターで切ったモノラルかもしれません。

音質は非常によく似ていますが強いて言えば、
ステレオの方がふくよかで、ピアノの低音が豊かです。
モノラルの方が細身ですっきりしています。
いずれあやめかかきつばたです。


その後、さる先達から、DB177 B面:Veracini, Tartiniのマスターテープ(のコピー)を聴かせていただく機会がありましたが、これはもうレコードとは全然別物でした。
どういう風に違うかというと、
DB177と聴き比べたわけではありませんが、耳慣れたレコードの音ではありません。
さらってしていてきつくなく、細かい音まで聴こえます。
ヴァイオリンは擦過音というんでしょうか、弦を馬の尻尾でこすって音を出すんだということが実によくわかります。でも耳障りではありません。
これは知らなかったことにしようと思います。
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by ibotarow | 2016-02-02 09:52 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 08月 31日

ヌヴーのR.シュトラウスとブラームスのソナタ

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最近、なぜヌヴーにご執心かというと、先々月、富士レコードSPレコードコンサートに、「ヌヴ―とその姉妹弟子たち」の題名に惹かれて行ったのがきっかけです。

カートリッジがGEバリレラ、スピーカーがGIP8インチフィールドと597ツイーターというせいもあるかもしれませんが、ヌヴ―がまるで筋肉隆々たるアマゾネスのように逞しい音で鳴っていました。
会場でいただいた、桑原威夫さんという方が作られた小冊子[1]に、「豹のような獰猛さを秘めた演奏」という表現があったので、あるいはこれがヌヴ―の音なのかもしれませんが。

姉妹弟子は、
ドニーズ・ソリアーノ、ローラ・ボベスコ、ミシェル・オークレール、ミシェル・ブシノー
で、そのほか日本の
諏訪根自子、巌本真理
で、彼女らもヌヴ―同様、元気な力強い音でした。  
ボクは女流ヴァイオリニストの魅力は、「か弱さ」にあると思っているんですがねえ・・・

それはともかく、ヌヴ―の中で白眉はR.シュトラウスのソナタでした。
これは、ヘイズの近くにある何とかレコードという中古レコード屋が,、あいつなら買うだろうと新さんに知らせてきたものだそうで、ヌヴ―の1939年のベルリン録音のビニールプレスです。ヘイズからの放出品でしょうね。
これは素晴らしい音で、LPでは聴けない鮮烈な音でした。
拙ブログのリストから再掲すると、

July? 1939, Berlin, w. G. Beck (pf)
[2RA 3832I□, 3833II□, 3834/7I□, 3838II□] DB4663/6 Sonata in E flat, Op.18 (R. Strauss)  

このビニールプレス盤から復刻したというグッディーズのCDR(78CDR-3076)を会場で購入しましたので、帰宅してさっそく聴いてみますと、1楽章の後半(第3面の始まりから17秒目あたり)で、
ビビビ
という電気的?なノイズが入ります。
グッディーズと富士レコードに問い合わせたところ、 両者から、SP原盤由来のノイズである、との回答がありました。

また富士レコードのSさんによると、
「ほかのヌヴーの演奏のSP盤に大なり小なり同様のノイズが出るものがあるのは、存じていました。キュッキュッという音だったと思います。」
ということでした。

Youtubeに件の録音があります。
https://www.youtube.com/watch?v=PUcJLoVTTkI

これを先に確認すれば良かったのですが、聴いてみると、 8分43秒あたりに同じノイズが入っていました。
何でしょうね?突然アンプが発振した??

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by ibotarow | 2015-08-31 21:15 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 08月 16日

ジネット・ヌヴーの東芝初期盤

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拙ブログ、ジネット・ヌヴーのホラ・スタカートによると、ヌヴーの 「ショーソンとドビュッシーは、1957年にLPでのみ発売されたようです。」

その英国盤(HMV ALP 1520)が出ていたので、ほしいなと思っていたら、あれよあれよという間に、とても手の届かない価格になってしまいました。
フランス盤(FJLP 5037)や米エンジェル盤(ANG 35128)もありますが、ALP盤ほどではないにせよ、その半額くらいはします。

そんな中、東芝盤(HC-1042)がebayに出ているのを見つけました。
この型番から見て、どうも初期盤くさいです。
東芝も初期のころは輸入メタル原盤でプレスしていたそうなので、これもその可能性があります。
出しているセラーにそこを質問してみましたが、どうも要領を得ません。
価格はALP盤の1/10以下だったので、ダメもとでチャレンジしてみることにしました。

なお、余談ながら、ebayに出品している日本人に、ebay経由で質問するのに、当然英語しかだめだろうと、苦労して英作文していたのですが、最後に向こうから日本語でメッセージが来ました。
なんだ、日本語もOKのようです。ご参考まで。

それが先日到着して、さっそくマトリクスを見てみますと、
[XAX 462-1N, 1] CHAUSSON :poéme Philarmonia cond :Issay DOBROWEN
[XAX 463-1N, 1] DEBUSSY : sonate, RAVEL Tzigane with Jean NEVEU piano

3時の位置にあるはずのスタンパー記号はありません。
9時の位置のマザーナンバーは、両面とも1の下に判読不能の文字があります。

東芝は自社カッティング盤にもオリジナルと同じマトリクス番号を付けますので、これだけでは判断できません。
問題は書体です。
英国盤(ALP 1520)を持っておられる人は周りに見当りません。
そこで、似たようなマトリクス文字があるレコードと書体を比較してみることにしました。

選んだのは、ヨハンナ・マルツィのバッハ無伴奏第3集の米エンジェル盤(Angel 35282)で、これはレーベルにもMade in Englandと書いてあるように、英国プレスです。
マトリクスは、
[XAX 614-3N]
東芝盤の第2面と比べて、並び順は違いますが、使われている文字は全く同じです。

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どうも撮影技術が拙くて,東芝盤の"4"の縦棒がうまく写りませんでしたが、実際はあります。
ほかの書体では、
"A"の横棒の位置がわりと下にある、
"6"の下部の丸みが尖り気味、
"3"の上が直線、
などの特徴は、よく似ています。

東芝盤にEMI式のスタンパー記号がないのは、メタルマザーを輸入して、日本でスタンパーを作ったと考えれば辻褄が合います。
これで東芝盤は英国カッティングだと判断して良いと思うのですが、いかがでしょうか?

もっとも、英国製の米エンジェル盤が英国オリジナル盤と音が違うように、英国カッティングの東芝盤も、レコードの材質は例の赤いエバークリーンレコードなので、ALP盤と同じ音とはいかないでしょうが、まあ、似た音はするんじゃないかと、これで満足することにしました。
ジャケットのデザインもなかなか洒落てますしね。
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by ibotarow | 2015-08-16 07:34 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 07月 26日

ボベスコのl'age d'or du violon

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ローラ・ボベスコ(1921-2003)とジャック・ジャンティ(1921-2014)による、
ヘンデル (1685-1759):ヴァイオリンソナタ第4番ニ長調
ルクレール (1697-1764):ヴァイオリンソナタニ長調
ヴェラチーニ (1690-1750):ヴァイオリンソナタホ短調
タルティーニ (1692-1770):ヴァイオリンソナタト短調
のヴァイオリンソナタ集です。

l'age d'or du violon (ヴァイオリンの黄金時代)のタイトルは、これらの作曲者がヴァイオリンの名工、
アマティ (1596-1684)
ストラディヴァリ (1644-1733)
グァルネリ (1698-1744)
グァダニーニ (1711-1786)
らと同時代だということに因るのでしょう。
ちなみにこのレコードでは、ボベスコは1754年製のグァダニーニを使っています。

先日、バロックとビールの碩学LさんとSP復刻マイスターPさんをお招きして、このl'age d'or du violonの3種聴き比べを行いました。


1971年、大学生の時にこれの日本コロムビア盤「古典ヴァイオリンの精華」NCC-8003-AXが出るという記事が「ステレオ芸術」誌に載りました。
当時ボベスコの名前は、瀬川冬樹や五味康祐の文章で知っていましたが、そんなことよりも、 その容姿に惹かれて入手したことは言うまでもありません。
今でもその時の、上のジャケットと同じ写真の切り抜きを持っています。

NCC-8003-AX
[AX-357-77, 1-A-2] Haendel, Leclair
[AX-357-78, 1-B-1] Veracini, Tartini

このレコードは、日本コロムビアの「ノンディストーション・カッティング」という、トレーシングの時に生ずる歪みと逆の歪みをあらかじめカッティングするときに与えておくと、再生時にキャンセルされて歪のない音が得られるというものです。
なんという技術盲従のオプティミズム。
要するに歪んだ波形がカットされているのです。まったく余計なことをしてくれたものです。
その先入観があるのか、素直さに欠ける音がします(笑)。

もう少し客観的に言うと、後で述べるアルファとデッカの中間の音です。
化粧っ気はあまりありません。
なお、ヴァイオリンは右、ピアノは左に定位します。


日本コロムビア盤以来幾星霜、去年の夏、やっとアルファ・オリジナル盤CL 3008を手に入れました。

CL 3008
[XPARTX 44328 21, M6 214500] Veracini, Tartini
[XPARTX 44329 21, M6 214501] Haendel, Leclair

フランスプレスのモノラル盤です。他の2枚と違って、1面がヴェラチーニです。
音は3枚の中では一番清楚です。
いかにも細腕で弾いている感じがします。すっぴんの美しさですね。


それから1年ほどたって、アルファDB 177が手元に届きました。
さる北のコニサーから譲っていただいたのです。
これはステレオ盤で英デッカのプレスです。

DB 177
[DB-177.A-1L, 1, C] Haendel, Leclair
[DB-177.B-1L, 1, K] Veracini, Tartini

音は上のアルファCL盤と大きく異なります。
ピアノの低音は強調され、ヴァイオリンは表情豊かです。
ヘンデルでは残響が付加されているのではないでしょうか?
お化粧美人で、名演に聴こえます。

なお、日本コロムビア盤とは逆に、ヴァイオリンは左、ピアノは右に定位し、写真の位置関係と同じです。
どちらが正しいのかわかりません。

このほか未聴ですが、ベルギー製のDB 177と、フランス製のCL 4008があります。
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by ibotarow | 2015-07-26 07:17 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(2)
2015年 04月 30日

デ・ヴィート/フィッシャーのブラームスのソナタ

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ジョコンダ・デ・ヴィート(1907 - 1994)/エドウィン・フィッシャー(1886 - 1960)による、ブラームスのソナタは、もともとヌヴ―が予定されていたそうですが、ご存じのように1949年に飛行機事故で亡くなったので、急遽、デ・ヴィートに白羽の矢が立ったそうです。

長年テスタメントのCDで楽しんできましたが、先年、この米エンジェル盤が出ているのを見つけ、UKプレスだから、音はオリジナルとあまり変わらないだろうと、思い切って入手してしまいました。

Angel 35523 グルーブガード盤
11/12 May 1954, No.3 Studio, Abbey Road, London
[2XEA 592-1N, 1, M] Johannes Brahms: Violin Sonata No.1 in G major, op.78 

18-20 October 1954, No.3 Studio, Abbey Road, London
[2XEA 593-1N, 1, O] Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 in D minor, op.108

Gioconda de Vito (Vn)
Edwin Fischer (Pf)

これは、ヨーロッパ風のダウエルスパイン・ジャケットに入っています。
オリジナルはALP 1282ですが、この時はまだ持っていなかったので、また周りにお持ちの方もおられないので、幸か不幸か比較ができません。
しかたがないので以前からある東芝盤(TOJE-7420)を引っ張り出して聴き比べてみました。
これは1991年のLP末期の発売で、そのころ2番目の職場を辞める時に若き友人から餞別にいただいたものです。

まずエンジェル盤から。
RIAAで再生すると、
思ったより線が細い、潤いに欠ける。少なくとも柔らかくはありません。
そこでNABで再生してみると、
この方が落ち着いた感じで合っている、柔らかい、力強さもある。

次に東芝盤を聴いてみると、
東芝盤のほうがわずかに薄っぺらい、鋭い。これで一安心?
でも東芝盤も思ったより健闘しています。
エンジェル盤と東芝盤が似ているということは、英国オリジナル盤は違う可能性があります。
かくなる上はオリジナル盤を聴いてみたいところです。



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by ibotarow | 2015-04-30 09:08 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 08月 02日

クラウス/ボスコフスキーのモーツァルトをめぐる瑣末な録音話

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お暑うございます。前回に続いてシャルラン・ネタです。
先日、クラウス/ボスコフスキーのモーツァルト・ヴァイオリンソナタ(DF 122)を入手しました。
曲目は、
Sonata for piano and violin in A major, K.305
Sonata for piano and violin in F major, K.57
Sonata for piano and violin in E flat major, K.454
マトリクスは、
[DF122 1C1, XPARTX 22573, M6 156413] K.305, K.57
[DF122 2C1, XPARTX 22574, M6 156414] K.454
フラット盤です。

この二人によるモーツァルト・ヴァイオリンソナタ全集は、DF121-124, DF185-188の8枚ありますが、オリジナルはDF186までは2枚組で発売されました。
これは1枚だけのバラ売りだから、こういうジャケットになるのでしょうか? オリジナルジャケットのように厚紙のゲイトフォールドでもなく、ペラペラの紙ジャケットです。
いずれにしても、彼らのレコードはマルセル・メイエルと並んで高嶺の花で、よもや手にすることはあるまいと思っていましたが、図らずも安価で入手できました。コンディションもDF3桁盤にしては上々です。

さっそく聴いてみました。
クラウスが前に出て自己顕示欲を発揮しています。ボスコフスキーはその陰に隠れて存在感が希薄です。
ヴァイオリン単独で聴くと、それなりによく弾いているんですが、クラウスの饒舌さと比較すると、唄子・啓助、花子・大助等、夫婦漫才コンビによくある気の弱い亭主のようです。
コンサート・マスターだったヴァイオリニスト共通のテイストですかね。

音はCD[1]に比べて甘く滑らかで、艶があるというか、奥行き感があるというか、やはりヴァイオリンはアナログですねえ。
しかし、シャルランも、もうちょっとヴァイオリンの音量を上げて録音してくれたら良かったのに。


と、ここまで書いて、CDの解説を読んでみると、前半は1954年6月にウィーンのムジークフェラインザールで、後半は1955-57年にパリのサル・アディアールでの録音です。
しかも、今までこのソナタ全集はすべてシャルランの録音だとばかり思っていましたが、シャルランが担当したのは彼のホームグラウンドでもあったサル・アディアールの録音で、ウィーンはunknownになっています。
知らなかったのはボクだけかもわかりませんが、このDF122はウィーンの録音でシャルランではないようです。

ということは、前半のDF121-124と、後半の DF185-188で、音がどう違うか、これが興味の的になります。
それで、DF124の最後のK.454と、DF185の最初のK.526をCDで続けて聴いてみました。

その結果、前者では上に書いたようにピアノが前、ヴァイオリンが奥に位置するバランスですが、後者では二人が対等に同一面に並んでいます。
またヴァイオリンの音はよりすっきり、ピアノの音もより締まって聴こえます。さすがシャルラン。

したがって、上に書いた音量に関するシャルランへの恨み言はボクの誤解でした。
同時に、我ながらうまい喩えだと思ったクラウス/ボスコフスキー=夫婦漫才コンビ説も、後半のシャルラン録音では的外れということになりました。

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by ibotarow | 2014-08-02 11:18 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 07月 26日

シャルラン初期盤の尋常じゃない音

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お暑うございます。こういう時には清冽な石清水のようなシャルランの録音を聴きたくなります。
という訳で、先日、シャルランの初期プレスと思われるSLC-2 (フラット盤)を入手しました。
有名なレコードで茶色の共通ジャケットのはよく見かけますが、これは手の込んだシックな布装ボックスに入っています。

これは果たして初期盤と言えるのかどうか、1963年録音のステレオ盤ですからもちろん厳密には初期盤ではありませんが、シャルラン・レーベルの中では初期といっても良いでしょう。。
興味の的は、雇われエンジニアだったDF時代のシャルランの音と、自分のレーベルを持った後の音とどう違うかです。

またモノラル・カートリッジでかけられるのかどうか、これに関してはジャケットに、
Enregistré en stéréophonie compatible, il peut être aussi écouté sur un tourne-disque monoral ordinaire sans autre précaution.
と書いてありました。
英語に機械翻訳すると、
Recorded in compatible stereo, it can also be listened on a turntable to plain monoral without other precaution.
大丈夫そうです。

曲目は、
A面:ヴィヴァルディ
   4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 Op.3-10
   ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.3-3
   [SLC-2A 手書き]
B面:バッハ
   4つのチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV 1065
   チェンバロ協奏曲 ヘ長調 BWV 978
   [SLC-S2-B A面とは異なる手書き]
演奏は、
 A. シュテファナート、C. フェラレージ、B. サルヴィ、M. ケラディーニ (ヴァイオリン)
 L.F. タリアビーニ、B. カニーノ、A. バリスタ、C. アバド (チェンバロ)
 アルベルト・ゼッダ/ミラノ・アンジェリクム室内合奏団
詳しい方はおわかりのように、A面とB面の関係は原曲とその編曲を対応させたニクい構成で、チェンバロの一人が若きクラウディオ・アバドです。
フランスのディスク・アカデミー大賞とディアパソン金賞両方を獲得したそうです。

さて聴いてみました。
イコライザは最初RIAAにしましたが、高音が出過ぎるのでNABに変えましたが、それでも追いつきません。
まるでイコライザを通さずに聴いたような、極端なハイ上がりの音です。
弦は徹底的に軽く、薄く、でも心地よく響きます。
チェンバロは繊細極まりなく、空中にまかれた金箔のようにきらきらと舞います。
DF盤のほうがはるかにまともなバランスだと思いますが、これがシャルランの目指した音なんですね。


昔トリオが輸入していたシャルラン盤も同じような音だったのかどうか、遠い記憶の彼方ですので、押入れの奥のレコード箱を探すと2枚出てきました。幸いどちらもステレオ・コンパチブルと書いてあります。

まず、SLC 24 ヴィヴァルディ=バッハ第2集 (グルーブガード盤)
A面:ヴィヴァルディ d0090784_9495660.jpg
   2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op.3-8
   ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.3-11
   [SLC 24A, YPARTX 57115 2, M6 246977]
B面:J.S.バッハ
   オルガン協奏曲 イ短調 BWV.593
   オルガン協奏曲 ニ短調 BWV.596
   [SLC 24B, YPARTX 57116, M6 246280]
演奏は、
 B.サルヴィ、R.ペッツァーニ(ヴァイオリン) 
 A.エスポジート(オルガン)
 アルベルト・ゼッダ/アンジェリクム室内合奏団
【録音:1966年】

これはSLC-2より3年後の録音のせいか、あるいはカッティングが違うせいかどうかわかりませんが、SLC-2ほどエキセントリックではありません。
つまり、高音はよりおとなしく、絃はよりさわやかです。
ここで気がついてイコライザをNABからRIAAに変えてみると、高音はちょっと強くなりましたが傾向は変わらず、絃は繊細さが勝って、力が入りません。
オルガンの高音は鋭く鮮明ですが、普通の音です。

次は、CL 12 ガブリエル・フォーレ第2集 (グルーブガード盤)
これはレコードが裸で薄い発泡ウレタンのシートに挟まれていました。 そういえばこれがシャルラン・レコードの標準スタイルでしたね。30年以上仕舞ったままでしたが、よくレコード本体に貼りつかなかったものです。

A面:ピアノ五重奏曲第1番 Op.89 第1, 第2楽章 d0090784_9521278.jpg
  [CL 12A, YPARTX 55639, M6 240780]
B面:同 第3楽章
   アンダンテ Op.75
   子守唄 Op.16
  [CL 12B, YPARTX 55640, M6 240781]
演奏は、
ジェルメーヌ・ティッサン=ヴァランタン(ピアノ)、
RTF弦楽四重奏団(フランス国立放送管弦楽団四重奏団)
 ジャック・デュモン( 第1 ヴァイオリン) 
 ルイ・ペルルミュテール( 第2 ヴァイオリン)
 マルク・シャルル( ヴィオラ) 
 ロベール・ザール( チェロ)

これはマトリクス番号からみて、SLC 24より少し前の録音でしょうね。
どちらもM6番号があるので、これらのグルーブガード盤はパテ・マルコーニの工場で作られたことがわかります。

絃の音は薄っぺらい、弱々しい、しかし繊細、現し世には存在しないような儚い音です。
それに対して実在感のあるピアノ、はっきり言ってボクの好みではありませんが、これがシャルランが描くフォーレの世界でしょうか。

なおアンダンテと子守唄はピアノとヴァイオリンの演奏です。
ピアノのティッサン=ヴァランタンはマルグリット・ロンの弟子で、シャルラン曰く、「作曲家の心を弾けるのはロンとフランソワとヴァランタンだけで4人目はいない。」そうです。
まあ、フォーレに限り、またフランスのピアニストに限り、という制約を課せば、そうかもしれませんが。

というわけで、布装ボックス入りSLC-2フラット盤の音は、あとの2枚と全然違い、蒼穹に屹立する古代出雲大社の社殿[1]のような、尋常じゃない音でした。

Reference
[1] 出雲大社本殿復元図 http://www.arch.kobe-u.ac.jp/~a4/nikken/03.html
  復元想像図はいろいろあるが、この危なっかしいくらい極端な高床式神殿が、SLC-2の音のイメージに一番近かった。
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by ibotarow | 2014-07-26 10:15 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 06月 30日

マヌエル・キロガのディスコグラフィー

d0090784_741395.jpg

話は約9年前に遡ります。その頃キロガの復刻CD[1]を手に入れました。
1曲目に作曲者不詳の"Capricho Jota" が入っていました。
これはオークションで見かけた、
[488y] X-57900 Jota Capricho (José del Hierro)
ではないかと思っていたのですが、確かめるすべはありませんでした。

最近、キロガのディスコグラフィーを作りかけているのですが、先ほど、ふと思いついてYoutubeを探してみると、
Jose del Hierro - Gran Jota Capricho
がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=tPB2qDdg90E
同じもののようです。
この人はずいぶん音程が怪しくて聴きづらいですが、キロガの演奏で聴くともっと魅力的な曲です。

ケリー[2]によると、488yは1909年3月11日マドリードでの録音です。
今までキロガの初録音は20歳の1912年だと思っていましたが、1909年3月だと16歳です。
その頃のキロガにレコードを吹き込むチャンスはあったのでしょうか?

キロガの伝記[3]を読んでみると、1904年に12歳でマドリードの王立音楽院に入り、ついた先生が、この作曲者のJosé del Hierroでした。
2年後、Mugártegui家から1682年製のアマティを贈られます。
1907年から1909年まで、キロガはマドリードやその他の都市で多くのコンサートを行いました。
1909年10月14日、スペインでのHierro先生のレッスンを終了し、お父さんとベルリンへ旅立ちます。
フリッツ・クライスラーに教えを受けるためでしたが、途中に立ち寄ったパリで変心します。
パリ音楽院のオーディションを受け、合格したのです。
キロガはジュール・ブーシュリやティボーについて2年間勉強し、1911年に1等賞を取りました。

このことから考えると、1909年にマドリードで先生の曲を録音するのは不自然ではありません。
またパリ音楽院で1等賞を取った後の1912年にパリで録音したのも頷けます。
なお、キロガはパリでMarthe Lehman と出会い、二人は1915年7月21日に結婚します。
したがってマドリード録音時のピアニストはMarthe Lehmanではありません。

パテに関しては復刻CDしか資料がなかったので、まだ他にあるかもしれません。

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by ibotarow | 2014-06-30 07:44 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)