いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

ibotarow.exblog.jp
ブログトップ

タグ:Fonotipia ( 23 ) タグの人気記事


2014年 02月 27日

ヴィクター・モーレルのAu temps du grand roi

d0090784_20405233.jpg

去年の暮、湘南SPレコード愛好会という奇人変人の集まり(会長の言)に入会しまして、この前の日曜日、大磯での例会に参加してきました。
そこでの内容は、またHPに掲載されるでしょうからここでは省略しますが、そのあとの新年会で、最近ブログの更新がないですね、と言われてしまいました。
ひと月一度の更新を目指しているのですが、なかなか守れず、2月もあっという間にあとわずかとなりましたので、簡単な記事でお茶を濁します。

さて先日、表記のレコードを入手しました。最近はLPレコードにうつつを抜かしているので、久々のSPレコードです。
年末のオークションで入札したものの、結果のお知らせが来ないので、てっきりダメだったと思い、せめて落札価格を教えてもらおうとメールを出したら、とっくに請求書を送ったというのです。 ここはいつも郵便でお知らせが来るのですが、こういうこともあるのですね。もちろんすぐに送金しました。そしたら先方が住所を間違って太平洋を3回渡ったようですが、最近やっと到着しました。

ヴィクター・モーレル(1848-1923)はボクの一番好きなバリトンで、過去何回か書きましたが、ディスコグラフィーはまだ載せていなかったので、この機会に作ることにしました。
モーレルのディスコグラフィーは簡単で、1903年パリ録音のG&Tが7面、1904年11月ミラノ録音のフォノティピアが6面、1907年1月ロンドン録音のフォノティピアが3面、これが発売されたすべてです。
ほかに未発売フォノティピア盤が少なくとも5面あります[1]。もっとあるかもしれません。
回転数はMarston[2]に拠ります。

                            Victor Maurel Discography

G&T
1903, Paris, 70.5 rpm
[1626F] 2-32815 Chanson du printemps (Gounod)
[1627F] 2-32809 IPHIGÉNIE EN TAURIDE: Le ciel par d'éclatants miracles... De noirs pressentiments (Gluck)
[1628F] 2-32810 Marquise (Massenet)
[1629F] 2-32811 L'Heure exquise (Hahn)
[1630F] 2-32812 Le rondel de l'adieu (De Lara)
[1631F] 2-32813 Fédia (D'Erlanger)
[1632F] 2-32814 OTELLO: Era la notte (Verdi) IRCC 193(rr)

FONOTIPIA
October 1904
, Milano
[XPh 55] UNP NOZZE DI FIGARO: Crudel, perchè finora (Mozart) w. Maria Barrientos

November 1904, Milano, 83 rpm
[XPh 58-3] 39042 OTELLO: Era la notte (Verdi) PO 18, IRCC 4
[XPh 63] UNP FALSTAFF: I/1 [or III/1 ?] (Verdi)
[XPh 64] UNP Dormi pure - Serenata (Salvatore Scuderi)
[XPh 65] 39032 Marechiare (Tosti; words by Di Giacomo)
[XPh 66] 39041 DON GIOVANNI: Deh! vieni alla finestra (Mozart) PO 18, IRCC 9
[XPh 67] 39246 Le rondel de l'adieu (De Lara) X39246, IRCC U
[XPh 68-2] 39245 Mandolinata (Paladilhe) X39245, IRCC U
[XPh 69-2] 39247 Ninon (Tosti) PO 2, IRCC 9 (初めが79.5 rpmで終わりが83 rpm)
[XPh 72] UNP ÉTOILE DU NORD: O jours heureux de joie et de misère (Meyerbeer)

September 1905, Milano
[XPh 330] UNP RIGOLETTO: ? (Verdi)

January 1907, London, 76 rpm
[XPh 2332] 62016 FALSTAFF: Quand'ero paggio (Verdi) PO 2, IRCC 4
[XPh 2333] 62018 A year ago (D'Hardelot) IRCC E, x62018
[XPh 2334] 62017 Au temps du grand roi (Tosti) HRS 1024


G&Tは未だかつて見たことがありません。フォノティピアは1930年代の再プレスや、1960年代?のビニールプレスが出回っていて、ボクはもっぱらこちらを愛聴しています。
前にも書きましたが、ハロルド・ウエイン[3]に言わせると「あれはオリジナルとは違うものだ。」と憎たらしいことを言っているのですが、再プレスの方が傷みが少なく音が良いのです。と負け惜しみを言っておこう。

今回入手したAu temps du grand roi「偉大な王の時代に」も、HRS (Historic Record Society)の再プレスですが、すばらしいコンディションでした。
Youtubeの記事によると、これは1904年にトスティ(1846-1916)がモーレルのために書いた曲だそうです。
歌詞は、

Marquise, au temps du grand Roi,
Quand nous dansions la gavotte,
Ah! marquise, sur ma foi,
Vous n'étiez point si dévote!
Quand nous dansion la gavotte,
Ah! marquise,
Ah! marquise,
Vous n'étiez point si dévote!

Sous votre œillade,
Main cœur malade
Languissait d'un subtil tourment,
Et, sans mot dire,
D'un seul sourire
Vous en contiez étrangement!
Ah! marquise,
Ah! marquise!

Ce fut, s'il vous en souvient,
Après la guerre de Flandre:
Votre pied toucha le mien,
Votre voix soudain fut tendre...

Hélas! ces grands yeux nuancés,
Dont je sus tout le mystère,
Vos yeux, à présent baissés,
Ne cherchent plus que la terre!
Vos yeux, à présent baissés,
Ah! marquise...
Ah! marquise,
Ne cherchent plus que la terre!

Taille divine,
Blanche main fine,
Gorge de lys et cheveux d'or!
Beautés passées
Tant caressées,
Je vous vois, je vous vois encore!
Ah! marquise...
Ah! marquise!

Le temps n'est plus du grand Roi,
Quand nous dansions la gavotte...
Allons, allons, c'est la loi,
Marquise, soyez dévote!
Oh! marquise soyez dévote!
Oh! marquise soyez dévote!

レコードは、後ろの方がだいぶカットされているようですが、
フランス語のわかる方、訳を教えていただければ幸甚です。


References
[1] The Truesound Online Discography Project ODEON (incl. FONOTIPIA)
[2] The Complete Adelina Patti and Victor Maurel, Marston 52011-2
[3] The HAROLD WAYNE Collection - Volume 15, SYMPOSIUM 1128
[PR]

by ibotarow | 2014-02-27 20:55 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2013年 03月 20日

エウジェニア・ブルツィオを聴く愉悦

d0090784_833435.jpg

エウジェニア・ブルツィオは、1872年、1879年[1]、あるいは1882年[2]にイタリア、トリノ近郊のPoirinoで生まれた。
以下は[2]による彼女の経歴の抄録である。

ブルツィオは最初ピアノ、ヴァイオリン、絵画を習ったが、歌うことに最も興味を示したので、両親は彼女がミラノ音楽院に入ることを許した。
1899年、トリノでデビュー。
1900年、トリノでのソロリサイタルを開いたが、仕事のオファーはすぐには来なかった。
1901年、彼女は恋に落ち、Ugo Ravizzaと結婚した。
同年11月に舞台に復帰したが、結婚と仕事の両立は難しく、舞台をリタイアした。しかし、退屈と緊張のなさに耐えかねて、1年もたたないうちに仕事に戻った。
1903年、バーリでセレスティーナ・ボニンセーニャの代役でデビュー、成功を収めた。しかし、この成功は彼女の結婚生活に影響を及ぼし、2回目の結婚記念日の前に、結婚を解消した。
1904年、パレルモでデビュー、南米へツアー。
1906年、ミラノのスカラ座デビュー。ロンドンおよびサンクト・ペテルスブルグへのツアー。
1908年、スカラ座でのトスカニーニとの協演。「運命の力」のリハーサル中に彼女は、スカラ座でGodと呼ばれていたトスカニーニと大喧嘩、プリマドンナを外された。
急遽代役に呼ばれたEster Mazzoleniはこう語っている。
She was a tigress onstage as well as in private.

tigressを辞書で引くと、「雌のトラ」あるいは「あばずれ女」と書いてあった。なるほど、tigerの女性形ね。
どっちにしても気性の激しい女性であることは、彼女の歌唱を聴くとさもありなんと思う。

1909年、ブエノスアイレスのコロン劇場へデビュー。
1910年頃から睡眠薬中毒に。
1911年、トスカニーニはローマのコンスタンチ劇場で「西部の娘」のイタリア初演を準備していた。
彼はブルツィオにオリーブの小枝を渡す機会を否定しなかった(要するに主役を与えたということね)。
リハーサルは非常にうまく行き、初演の日が近づいた。それは彼女にとってのコンスタンチ劇場デビューでもあった。
しかし彼女はパニックに襲われて、役を降りてしまった。
トスカニーニは彼女を日がな一日、野次馬の好奇の目から守り、ついに彼女を説得することに成功した。
彼女は舞台に立ったのである。

次々と女性歌手に手を出す、女たらしで有名なトスカニーニも、tigressには一目置くようである。

1912年、スカラ座でノルマに初挑戦、彼女のステージマナーは横柄なものであったが、絶大な賞賛を浴びた。
1913年、ナポリのサン・カルロ劇場デビュー、その後、引きこもり、すべてのオファーを拒絶。
1915年、スカラ座に復帰、熱狂的な聴衆に演技は何度も中断。
1916年、ジェノヴァでレオンカヴァッロの「マメーリ」の世界初演、栄光のデモンストレーションであった。
その後、腎臓病と不眠症で再びステージを去る。
1919年、ブルツィオは再び、そして最後のステージに誘い出され、聴衆は伝説を見た。
1922年、死去。Poirinoでの葬儀にはトスカニーニも出席した。

ブルツィオは、[1]によると、語気の強いchest voice(胸声)を用いた。これはある人々にとっては汚く聴こえたが、ある人々にとってはエキサイティングなものであった。それは19世紀のイタリアン・ソプラノがドラマティックな感情を効果的演出するために使ったやり方を踏襲したのである。
あらえびすの言う典型的な娼婦型で、その肉感的ともいえる伸縮自在でダイナミックな歌唱を聴くのは快楽でさえある。


 

More
[PR]

by ibotarow | 2013-03-20 09:01 | 女声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(2)
2012年 01月 03日

フランツ・フォン・ヴェチェイのロンド・デ・ルタン

d0090784_8441117.jpg

近ごろ年のせいか早朝覚醒でたいてい4時半ごろ目が覚めるのですが、枕元にiPadが置いてあって、先日も寝床でメールを見ていると、某から4時過ぎに、レコード・リストを更新したとのメールが入っており、見てみると標記のオデオン盤がありました。
ちょっと高いなと思ったのですが、ずっと探していたレコードだし、ここは、first come first serve なので、早くしないと誰かに取られてしまいます。それで早起きは三文の得とばかりに、すぐオーダーしたところ、お昼ごろになってオーダーが確定した旨のメールが返って来ました。この辺まではルンルン気分でした。

久しぶりにブログのネタができたと思い、レーベル写真をネットで探したところ、ドイツのebayで出ていたのがわかり、そのページを表示してみると、なんと
19ユーロ                            d0090784_15393671.jpg
で落札されていたではありませんか。ガ~ン、ショック!
ボクがいくら払ったかは未来永劫忘れることにしました。
まあ、ebayはギャンブルですから、たまにはこういうこともありますわな。

気を取り直して、フォン・ヴェチェイ(1893-1935)はフォノティピアに10¾インチ24面、12インチ6面を吹き込んでいますが、これは1911年5月3日のセッションの最後の録音です。
リストを再掲すると、

17-Feb-1911
XPh4523   62506  Larghetto (Händel - arr. Hubay)             98086
XPh4524   -----   Capriccio all'antica (Sinigaglia)
XPh4525   -----   Aria (Bach - arr. Wilhelmj)
XPh4525-2 -----   do
XXPh4526  74091  Il Trillo del Diavolo (Tartini)                 76432
XPh4527   -----   Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj)
XPh4528   62503  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)       98085  
XPh4529   -----   Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)
XXPh4530  -----   Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
XXPh4530-2 74092  do                                    76433
XXPh4530-3 -----  do
XPh4532    -----  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)
XPh4533   62502  Capriccio in B minor, Op. 1, no. 2 (Paganini)     67770
XXPh4534  74090  Humoreske, Op. 101, no. 7 (Dvorak - arr. Wilhelmj) 76431
XPh4535   62500  Albumblatt (von Vecsey)                   98078
XPh4536   -----   Le Luthier de Cremone (Hubay)
XPh4537   -----   Adagio (Bach)
XPh4538   62508  FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski) 98083
XPh4539   -----   Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)

3-May-1911
XPh4627   -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Wilhelmj)
XPh4628   62498  Le Luthier de Cremone (Hubay)              98077
XPh4629   62501  Capriccio all'antica (Sinigaglia)               67769
XPh4630   62499  Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)      67767
XPh4631  -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Sarasate)
XPh4631-2 62509  do                                     98084
XPh4632   62504  Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj) 67772
XPh4633   62505  Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)       72401, 98087
XPh4634   62507  Aria (Bach - arr. Wilhelmj)                  98080
XPh4635   -----   FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski)
XXPh4636  74089  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)          76430


去年末に到着して早速聴いてみると、そんなに急いでどこへ行く?と言いたくなるような、前につんのめりそうになる演奏ですが、これぞ18歳の天才の証。尋常ではありません。
[PR]

by ibotarow | 2012-01-03 08:57 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 25日

ジャック・ティボーのFonotipia

d0090784_9493752.jpg

ヌヴーの次にティボーが来るのは蓋し必然というものであろう(笑)。
ティボーのFonotipia盤については何回か書いたので、もうあまり書くことがない。
リストを再掲する。

Jacques Thibaud FONOTIPIA Recordings

1905 Paris
[xPh 523-3, 524, 524-3] 39054 THAÏS (Massenet-Gallet): Méditation (84rpm)
[xPh 526] 39209 Mélodrame de Piccolino (Guiraud) (84rpm)
[xPh 531] 39208 Serenata (Vieuxtemps) (84rpm)
[xPh 532, 532-2, 532-3] 39087 Gavotte (Bach) (80rpm)
[xPh 666] 39231 LE CARNAVAL DES ANIMAUX (Saint-Saëns): Le cygne (80rpm)
[xPh 697] 39222 Scherzando (Marsick, op.6,2) (80rpm)

20 June 1907
Paris, w. A. d'Ambrosio (pf) (83.5rpm)
[xPh 2768] unp. Mélancolie (d'Ambrosio)/ l'Abaile (Schubert)
[xPh 2769] unp. Berceuse (Faure)
[xPh 2770] unp. Aveu (d'Ambrosio)
[xPh 2771] unp. Sérénade (d'Ambrosio)

発売されたのは、一般的には6面である。ただしグボー[1]によると、タイスの瞑想曲は、524の他に523-3[2]と524-3がある。これらは見かけたことがない。
タイスは片面盤と、ピッコリーノのメロドロムとの両面盤の2種類手に入れたが、残念ながら、 どちらも524のテイク1であった。
また、バッハのガヴォットにも、532の他に532-2と532-3がある。こちらもマルシックのスケルツァンドと、ヴュータンのセレナータとの2種類のカップリング盤を入手したが、どちらもテイク3であった。世の中そんなに甘くはない。

復刻CDは今までLEXINGTONのぼやけた蓄音機再生しかなかったが、2007年にSYMPOSIUMからやっとまともな復刻[3]が出た。

それ以外に未発売が4面あり、これらのテストプレス4枚が2,3年前のオークションに現れた。上のリストはそのときのデータを採用している。
MB $2000/eachであったので、もちろん見ているだけであったが、世の中に存在することがわかっただけでもうれしい。
そのうち誰かが復刻してくれることを祈っている。

References
[1] クリスティアン・グボー, "フランスのヴァイオリニスト ジャック・ティボー", 村上和男訳、(創栄出版, 1997)
[2] xPh 523には、Truesound Transfersによると、Rose Caron (S)の下記の録音が存在するので、523-3は怪しい。524-2ならわかるが。
20 December 1904 Paris
[xPh 523] 39097 SIGURD (Ernest Reyer / Camille du Locle, Edouard Blau): Sigurd, les dieux...Des présents de Gunther
[3] The GREAT VIOLINISTS Volume XXIII - FRANZ ONDŘIČEK - JULES BOUCHERIT - JACQUES THIBAUD - JOSEPH SZIGETI, SYMPOSIUM 1349 (2007)
[PR]

by ibotarow | 2011-06-25 10:02 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2011年 02月 05日

フランチスコ・ヴィニャスのローエングリン「はるかな国に」

d0090784_1117916.jpg

先日、フランチスコ・ヴィニャスのfonotipia両面盤、
74123 MEISTERSINGER: Dall’alba tinto (Morgenlich leuchtend) (Wagner)
74124 LOHENGRIN: Da voi lontan (In fernem Land) (Wagner)
を引っぱり出して聴きました。

まずローエングリンをfonotipia標準だと思われる80rpmで聴いたあと、 マイスタージンガーを同じ回転数でかけると、やけに甲高い声なので、 どんどん回転数を落としていったのですが、70rpmでもまだ高い気がしたので、 マーストンの復刻CD[1]と聴きくらべると、なんと、 65rpmぐらいでやっと合いました。
こんな遅い回転数のfonotipiaは初めてです。しかも裏表でこんなに回転数が違うのも初めてです。

しかしもっと驚くことは、このレコード、ローエングリンのレーベル径は 65mmしかありません。マーストンの収録時間で言うと4分40秒です。 これを通常の回数で12インチ片面に入れようとすると、レーベルを小さくするかしかなかったのでしょう。

ローエングリンはヴィニャスの当たり役だったようで、とくにIn fernem Land「はるかな国に」は何べんも吹き込んでいます。そこで、この機会にディスコグラフィーをまとめて、じっくり眺めてみることにしました。
フランチスコ・ヴィニャスは、1903年にG&Tに8面、1905年から1913年にかけて、フォノティピアに100面余りを吹き込みました。
ディスコグラフィーは、マーストンの復刻CDのリストをもとに、未発売盤、別テイク盤をmr.hmvさんにいただいたRC誌のディスコグラフィー[2]で補填しました。

さてローエングリンの「はるかな国に」を抜き出すと、
October 1903 
[Con 531R] 052002 LOHENGRIN: Da voi lontan (In fernem Land) (Wagner)
29 September 1906
[XXPh 2093] 74019 LOHENGRIN: Da voi lontan (In fernem Land) (Wagner)
[XXPh 2093] 74019 do
11 November 1908
[XXPh 3620] 74124 LOHENGRIN: Da voi lontan (In fernem Land) (Wagner)
16 November 1908
[XXPh 3647] 74124 LOHENGRIN: Da voi lontan (In fernem Land) (Wagner)
5面あります。すべて12インチ盤です。
このうちG&Tは短縮版で演奏時間が短く、約3分です。

74124は、1908年11月11日と16日の2種類あります。
写真のレコードがどちらなのか、マトリクスの刻印がレーベルの下に隠れていてわからないのですが、16日には、74123も吹き込まれています。
同じ日のセッションで、回転数があんなに違うということは考えにくいので、11日のXXPh 3620と考えるのが妥当だと思われます。
16日のXXPh 3647であれば、65rpmで吹き込まれたと思われるので、レーベル径も通常の大きさのものが使えたかもしれません。これも市販されたようなので一度見てみたいものです。

それはともかく、ヴィニャスの魅力は何と言っても清澄かつ明晰な発声法で、隅々まで陽光が当たって一点の翳りもなく、あたり一面が光り輝いているような美しい歌唱です。
ヴィニャスが歌うと、深刻ぶった、おどろおどろしい表現を強いられる(と今まで思っていた)ワーグナーも、すべてが白日のもとに曝されて顕わになってしまうような、あっけらかんとした歌い方ですが、これはこれで痛快です(笑)。

フランチスコ・ヴィニャス(1863-1933)は、伝説のテノール、ジュリアン・ガヤレ(1844-1890)から、フェルナンド・ヴァレロ(1854-1914)へと続くスパニッシュ・テノールの系譜に連なりますが、残念ながら現在では絶滅した歌い方です。
でも、当時は非常に高い評価を受けていたようです[3]。
“His renderings of Lohengrin were considered unsurpassable and the mythic name of Julian Gayarre was often evoked.”

More
[PR]

by ibotarow | 2011-02-05 12:41 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(2)
2008年 07月 11日

デ・ルチアのMattinata

d0090784_446460.jpg

フェルナンド・デ・ルチアの歌う、レオンカヴァッロ作詞作曲のマッティナータを入手した。
マッティナータとは、夕べの歌のセレナータに対する、朝の歌という意味だそうである。
この曲は、レオンカヴァッロが、カルーソを想定して、1904年にG&Tのために作った曲だと何かで読んだが、真偽の程は定かではない。
というのは、デ・ルチアはG&Tではなく、ライバル会社のフォノティピアに吹き込んでいるからである。
フォノティピアに吹き込んだというだけで、赤レーベルから黒レーベルに格下げしたり、カタログから抹消したりしたG&Tのことである、もし上のような経緯の曲なら、他社への吹込みを許すはずがないと思われる。

あるいは別の記事によると、この曲は作られてまたたくまに、リサイタルやコンサートの人気歌曲となって、テノールだけでなく、ときにはバリトン、メゾソプラノやソプラノにも歌われたそうである。

カルーソは1904年4月8日G&Tに、レオンカヴァッロ自身のピアノ伴奏でこの曲を吹き込んでいるが、デ・ルチアの、曲がりくねった小道を逍遥するようなコテコテの歌唱に比べると、カルーソのそれは少年のように素直で印象に残らない。

歌詞の内容を知りたくて、対訳を探したが見つけきれなかった。
イタリア語の歌詞[1]を見つけたので、英語と日本語に機械翻訳して比べてみたが、要領を得ない。
その後、日本語の大意[2]というのを別のところで見つけたので、一行ずつ対比させてみた。

L'aurora di bianco vestita          白い衣装をつけた夜明けが
Gia l'uscio dischiude al gran sol;     すでに太陽に向かって扉を開き
Di gia con le rosee sue dita         ほら、ばら色の指で
Carezza de' fiori lo stuol!           花々を愛撫している
Commosso da un fremito arcano     神秘のさざめきに揺れているようだ
Intorno il creato gia par;           あたりのものは もうみんな
E tu non ti desti, ed invano         それなのに 君は目覚めず
Mi sto qui dolente a cantar.        僕はあてなくむなしく歌うばかり

Metti anche tu la veste bianca      君も白い衣装をつけて
E schiudi l'uscio al tuo cantor!       歌い手に扉を開いてくれないか?
Ove non sei la luce manca;         君のいない所に光などなく
Ove tu sei nasce l'amor.          君のいる所には 愛が生まれるのだから!

Commosso da un fremito arcano
Intorno il creato gia par;
E tu non ti desti, ed invano
Mi sto qui dolente a cantar.

Ove non sei la luce manca;
Ove tu sei nasce l'amor.

ところで、デ・ルチアのフォノティピアへの吹き込みは1911年1月10日から14日に行われ、30面のレコードが発売された。xPh4464と4475は未発売なので、少なくとも32面吹き込んだようだ。
デ・ルチアのディスコグラフィーはRC誌[3]に一冊まるごと、401面すべてのリストがあるが、フォノティピアに関するかぎりは、復刻CD[4]の方が完成度が高い。以下に、それをいつもの順序に編集したものを示す。

10. January 1911
xPh 4461 92713 Scetate (P. Mario Costa / Ferdinando Russo)
xPh 4462 92715 Fenesta che lucive (Guglielmo Cottrau / Giulio Genoino & Mariano Paolella)
xPh 4463 92718 Chi sa? (F. Paolo Tosti / Ferdinando Russo)
xPh 4464 UNP  Serenata a Maria (Salvatore Gambardella / Aniello Califano)
xPh 4465 92702 Luna nova (P. Mario Costa / Salvatore di Giacomo)
11. January 1911
xPh 4466 92698 Serenata scumbinata (Vincenzo Valente / Libero Bovio)
xPh 4467 92699 Marechiare (F. Paolo Tosti / Salvatore di Giacomo)
xPh 4468 92700 Lu cardillo (Pietro Labriola / Ernesto del Preite)
xPh 4469 92697 Matenata (Evemero Nardella / Ernesto Murolo)
xPh 4470 92711 Comm' 'o zuccaro (Pasquale Fonzo / Raffaele Ferraro-Correra)

xPh 4471 92724 Ammore che gira (Francesco Buongiovanni / Giovanni Capurro)
xPh 4472 92719 Palomma 'e notte (Francesco Buongiovanni / Salvatore di Giacomo)
xPh 4473 92703 Durmenno (Enrico de Leva / Roberto Bracco) :30
12. January 1911
xPh 4474 92706 'O marenariello (Salvatore Gambardella / Gennaro Ottaviano)
xPh 4475 UNP  Comme a 'na fronna - Melodia (Salvatore Gambardella / Vittorio F. Guarino)
xPh 4476 92723 Mamma mia, che vo' sape?! (Emanuele Nutile / Ferdinando Russo)
xPh 4477 92722 Si chiagnere me siente (Salvatore Gambardella / Libero Bovio & Ernesto Murolo)

xPh 4478 92721 Tu sola! (Salvatore Gambardella / Ferdinando Russo)
xPh 4479 92717 Serenata napulitana (P. Mario Costa / Salvatore di Giacomo)
xPh 4480 92710 Voce 'e notte (Ernesto de Curtis / Edoardo Nicolardi)
xPh 4481 92708 Carmela (M + W: Giovanni de Curtis)
xPh 4482 92716 Canta pe' me! (Ernesto de Curtis / Libero Bovio)
13. January 1911
xPh 4483 92712 Era de maggio (P. Mario Costa / Salvatore di Giacomo)
xPh 4484 92705 Torna a Surriento (Ernesto de Curtis / Giovanni de Curtis)
xPh 4485 92707 Dimme (Salvatore Gambardella / Ernesto Murolo)
xPh 4486 92714 Napulitanata (P. Mario Costa / Salvatore di Giacomo)
xPh 4487 92720 Luna, lu! (Vincenzo Ricciardi / Teodoro Rovito)
xPh 4488 92701 'O sole mio (Eduardo di Capua / Giovanni Capurro)
xPh 4489 92704 Vo' turna (Ernesto de Curtis / Edoardo Niocolaidi)
xPh 4490 92709 Serenata a Surriento (Salvatore Gambardella / Aniello Califano)
14. January 1911
xPh 4491 92695 Mattinata (M + W: Ruggiero Leoncavallo)
xPh 4492 92696 A suon di baci (Antonio Baldelli)

歌詞の対訳の校訂に関しては、papatotoroさんに多大のご教示を得た。ここに厚く感謝の意を表する。

References
[1] http://angolotesti.leonardo.it/P/testi_canzoni_pavarotti_16190/testo_canzone_mattinata_leoncavallo_732907.html
[2] http://www.geocities.jp/qjwxm213/asanouta.html
[3] Michael E. Hendstock, "FELNANDO DE LUCIA Discography", The Record Collector, Vol. 30, Nos. 7, 8, 9, (August, 1985) 149-212
[4] Fernando De Lucia 4, TRUESOUND TRANSFERS TT-2221 (2004)
[PR]

by ibotarow | 2008-07-11 05:30 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(2)
2008年 03月 29日

マリア・バリエントスのUna voce poco fa

d0090784_9353475.jpg

「セヴィリアの理髪師」の第1幕で歌われるロジーナのアリア、Una voce poco fa(今の歌声は)は、コロラトゥーラ・ソプラノの腕の見せ所の超絶技巧アリアであるが、AI'S OPERA NOTE[1]によると、歌詞の中身もまた、かなり強烈なものである。げにセヴィリアの女性は恐ろしい。
以前、スペイン生まれのMaria Barrientos(1884-1946)のUna voce poco faを復刻CDで聴いて、美しい声と正確な音程に、ボクをして感嘆これを久しうせしめた。以来、オリジナルSPを探していたが、このたびFonotipia盤とColumbia盤を入手することができた。
そこで、彼女のバイオグラフィーとディスコグラフィーを、mr.hmvさんからいただいたRC誌[2]をもとにまとめて、備忘録とする。

Maria Barrientosは、1884年3月10日、バルセロナで生まれた。両親はたばこ屋を営んでいた。
彼女は幼いときからすばらしい声の持ち主で、両親は彼女を歌のレッスンに通わせた。
非公式のデビュー(students' performance)は、1896年、12歳のときであったが、これは当時としても異例のことであった。
この若きソプラノのその後の進歩は急速で、1898年7月24日、14歳で、バルセロナのLirico劇場にLa Sonnambulaで公式にデビューした。
その最初のシーズンに、彼女は、Rigoletto, Dinorah, Il Barbiereを歌った。もしこれが14歳のデビューとして不足だと言うのなら、彼女は近くのNovedades劇場で、L'Africana, Lucia di Lammermoorも歌ったことを付け加えよう。彼女はまだ学生であった。
興味深い事実があって、彼女は練習のときに、音叉だけを使って、ピアノは使わなかった。これが彼女の素晴らしいピッチ感覚を保持するのを助けたようだ。
翌1899年には、バルセロナのLiceo劇場、マドリッドのReal劇場、ミラノのLirico劇場、ローマのConstanzi劇場に出演した。
1900年には、ドイツ・ツアーを行い、Berlin, Stuttgart, Breslau, Leipzigを回った。
1901年、17歳のとき、初めての南米に行き、ブエノスアイレスのPoliteama劇場、そしてモンテヴィデオのSolis劇場に出演した。
彼女の、引き締まった、ピュアなクリスタルのような声に、南米の人々は喝采を浴びせた。"the second Patti"と呼ぶ人もいた。
1902年、彼女は再びブエノスアイレスのPoliteamaに戻り、レパートリーを増やした。
1903年、コベントガーデン、1904年、ミラノ・スカラ座にデビュー。
1907年、アルゼンチン人のJorge Keenと結婚。彼女は引退を宣言し、2月20日、マドリッドで引退公演を行った。
カップルはブエノスアイレスに住んだが、不幸にもこの結婚は、長くは続かなかった。
1911年、彼女はステージへの復帰を決意し、5月25日、ブエノスアイレスのコロン劇場に出演した。
その後、1916年にニューヨーク・メトロポリタンにデビュー、大成功を納めた。
この後は、メトロポリタンを中心として、北米が主な活躍の場となっていった。
最後のオペラ舞台は、1922年マドリッドのReal劇場であった。
その後、フランスで大部分の時を過ごし、1946年フランスのSaint-Jean-de-Luzで死去。

レコードへの吹き込みは、1904年の創業間もないFonotipiaに始まる。最初の吹き込みは、MeyerbeerのDinorahからOmbra leggeraで、後にも先にもこれ一枚しかないが、13¾インチ片面盤に吹き込まれた。この曲は後に、10¾インチ盤2面に吹き込み直されている。
セッションは、1904年10月、11月、1905年4月、1906年2月に行われ、30面中23面が発売された。未発売のXPH 55、Maurelとのデュエットなど聴いてみたいものの一つである。
その10年後、Columbiaのセッションが1916年3月から1920年4月までコマ切れに続く。ここでは35面が吹き込まれ、29面が発売された。
最後の吹き込みは、1927年から28年にかけてフランスで行われたColumbiaの電気録音6面で、すべて母国スペインのDe Fallaの歌曲である。

さて冒頭に記したように、今回、Una voce poco faのFonotipia盤とColumbia盤を入手したが、Fonotipiaは1906年2月、21歳の吹き込みでピアノ伴奏、Columbiaは、1920年4月、36歳の吹込みでオーケストラ伴奏である。

まずFonotipiaの方であるが、若さのある可愛らしい表現で、軽快に歌っている。ときどき巻き舌が入るのも威勢が良くて好ましい。それに比べてColumbiaは、ゆっくりしたテンポで堂々たる貫禄である。特に難しいところは、よりゆっくり歌っているような気がする(笑)。でも、いずれアヤメかカキツバタ、声の輝きはいささかの陰りも無い。

なお、FonotipiaのUna voce poco faは、Andrea Suhm-Binder氏による歴史的歌手のサイトsubito-cantabile[3]で聴くことができる。

More
[PR]

by ibotarow | 2008-03-29 10:02 | 女声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(2)
2008年 03月 02日

フォン・ヴェチェイのフォノティピア

d0090784_11583591.jpg

Franz von Vecsey (1893-1935)のフォノティピアへの吹き込みは、下記のリストに示すように、1911年2月17日と、同年5月3日の2回のセッションで行われた。3月生まれなので、1回目は17歳、2回目は18歳であった。
両セッションで、10¾インチ24面、12インチ6面が吹き込まれ、それぞれ12面と4面が発売された。2回目のセッションでようやく陽の目を見た曲も多い。

なお、このリストは、mr.hmvさんのHPのデータをもとに、セッション毎、マトリクス順に再構成したものである。右端の数字はOdeonのカタログ番号である。
これを見ると、フォノティピアは盤のサイズに関係なく、連番でマトリクス番号を振り出していることがわかる。曲の長さによって、臨機応変にサイズを変えていたのであろう。
興味深いのはロンド・デ・ルタンで、1回目は10¾インチで未発売、2回目は12インチで発売となっている。1回目は入りきらなかったのであろうか。

フォノティピアのレコードは、稀にしか現れないが、最近、久しぶりに、「クレモナのヴァイオリン作り」の片面盤、
62498 Le Luthier de Cremone
を入手することができた。
以前からフォン・ヴェチェイは、ヤン・クーベリックに似ていると思っていたが、これを聴くと、かなり違うなという気になってくる。
師匠フバイ作の静かな、暗い曲であるが、デモーニッシュな炎がチロチロと燃えているような演奏である。


17-Feb-1911
XPh4523   62506  Larghetto (Händel - arr. Hubay)             98086
XPh4524   -----   Capriccio all'antica (Sinigaglia)
XPh4525   -----   Aria (Bach - arr. Wilhelmj)
XPh4525-2 -----   do
XXPh4526  74091  Il Trillo del Diavolo (Tartini)                 76432
XPh4527   -----   Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj)
XPh4528   62503  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)       98085  
XPh4529   -----   Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)
XXPh4530  -----   Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
XXPh4530-2 74092  do                                    76433
XXPh4530-3 -----  do
XPh4532    -----  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)
XPh4533   62502  Capriccio in B minor, Op. 1, no. 2 (Paganini)     67770
XXPh4534  74090  Humoreske, Op. 101, no. 7 (Dvorak - arr. Wilhelmj) 76431
XPh4535   62500  Albumblatt (von Vecsey)                   98078
XPh4536   -----   Le Luthier de Cremone (Hubay)
XPh4537   -----   Adagio (Bach)
XPh4538   62508  FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski) 98083
XPh4539   -----   Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)

3-May-1911
XPh4627   -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Wilhelmj)
XPh4628   62498  Le Luthier de Cremone (Hubay)              98077
XPh4629   62501  Capriccio all'antica (Sinigaglia)               67769
XPh4630   62499  Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)      67767
XPh4631  -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Sarasate)
XPh4631-2 62509  do                                     98084
XPh4632   62504  Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj) 67772
XPh4633   62505  Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)       72401, 98087
XPh4634   62507  Aria (Bach - arr. Wilhelmj)                  98080
XPh4635   -----   FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski)
XXPh4636  74089  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)          76430
[PR]

by ibotarow | 2008-03-02 12:08 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2007年 07月 01日

ティボー・フォノティピア3

d0090784_1640638.jpg

今日、ティボー・フォノティピアの3枚目がメキシコから到着した。
ヴュータンのセレナータとバッハのガヴォットのカップリングで、 表と裏で回転数が違うというやっかいなレコードである。ティボー・フォノティピアのリストを下に再掲する。

39054 [xPh 524] Massenet/Gallet: Méditation from THAÏS (84rpm)
39209 [xPh 526] Guiraud: Mélodrame de Piccolino (84rpm)
39208 [xPh 531] Vieuxtemps: Serenata (84rpm)
39087 [xPh 532-3] J. S. Bach: Gavotte (80rpm)
39231 [xPh 666] Saint-Saëns: Le cygne from LE CARNAVAL DES ANIMAUX (80rpm)
39222 [xPh 697] Marsick: Scherzando (80rpm)

ガヴォットは、2枚目のコロムビア・プレス[1]では上記通りテイク3だったので、ひょっとしてテイク違いだといいなと期待したが、残念ながら同じテイクであった。他のテイクは発売されなかったのかしら。

ヴュータンのセレナータに関しては、1922年に、HMVに初録音したときにも吹き込んでいる(DA440)。復刻CD[2]に入っているので聴き比べてみた。
42歳のティボーが弾くHMVのそれは、テンポが緩急自在に揺れて表情豊かであるが、厚化粧のケバケバしさみたいなものを感ずる。
でもこのレコード、以前見かけたときは、特に高価でもなかったので、今度見つけたら手に入れよう。
僕の好きなフォノティピア/パテのティボーと、僕の嫌いなHMV電気録音のティボーの橋渡しをする貴重な記録だと思うので。

話をフォノティピアのヴュータンに戻して、25歳のティボーの、イン・テンポで弾く瑞々しい抒情性は、HMVより素朴で、後年のティボーからは聴くことのできない貴重な表現である。まあ、単に、若い、といえばすむ話なのかもしれないけど。

[1] http://ibotarow.exblog.jp/4513659
[2] Jacques Thibaud, The 1922-23 HMV & 1924 Victor recordings, Biddulph LAB 014 (1990).
[PR]

by ibotarow | 2007-07-01 16:40 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2007年 01月 06日

ティボー・フォノティピア

d0090784_1412477.jpg
d0090784_1413724.jpg

昨日、待望のティボー・フォノティピアの2枚目が到着しました。
曲目は、バッハのガヴォットと、マルシックのスケルツァンドです。
ティボーは1905年にパリで、フォノティピアに11曲10面の吹き込みをしていますが、そのうち6曲6面が発売されました。
Truesoundtransferのオデオン/フォノティピア・ディスコグラフィー[1]によりますと、下記の7面が載っています。
タイスの瞑想曲は2種類のテイクが発売されたようです。

xPh 524 39054 THAÏS (Jules Massenet / Louis Gallet): Méditation
xPh 524-3 39054-3 THAÏS (Jules Massenet / Louis Gallet): Méditation
xPh 526 39209 Mélodrame de Piccolino (Ernest Guiraud)
xPh 531 39208 Serenata (Henri Vieuxtemps)
xPh 532-3 39087 Gavotte (Johann S. Bach)
xPh 666 39231 LE CARNAVAL DES ANIMAUX (Camille Saint-Saëns): Le cygne
xPh 697 39222 Scherzando (Marsick, op.6,2)

また未発売は下記の5曲4面です[2]。
XPh 768 Melancolie (D'Ambrosio)/ l'Abaile (Schubert)
XPh 769 Berceuse (Faure)
XPh 770 Aveu (D'Ambrosio)
XPh 771 Serenade (D'Ambrosio)

以前ある人から、
「おまえさんはティボーは嫌いだったはずなのに、なんでそんなにご執心なのかえ?」
と聞かれました。たしかにHMVのティボーを好かない理由を以前書いたことがあります[3]。
でも、フォノティピアとパテのティボーは、HMVとは別人と考えた方が良さそうです。
それは、19世紀生まれの歌手たちのように、ゆったりと優雅に歌う、まぎれも無く19世紀のヴァイオリニストなのです。
今回入手した、師マルシックのスケルツァンドは、まさにその時代を彷彿とさせる、華やかで軽やかに舞うような雰囲気を醸し出しています。
バッハのガヴォットは、その点、優美というか、少々ナヨナヨしてますが・・・

録音は、パテよりも力強く、しっかりと入っています。もっとも拙宅の縦振動ピックアップは、ステレオ改造の軽針圧タイプなので、そのせいもあるかもしれません。
このレコードは皆さん注目されなかったようで、驚くほど安価に落札できました。新春からニンマリとして聴いています。

[1] http://www.truesoundtransfers.de/disco.htm
[2] http://ibotarow.exblog.jp/3918353/
[3] http://ibotarow.exblog.jp/3733535/
[PR]

by ibotarow | 2007-01-06 14:05 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)