いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2017年 03月 31日

ソロモンのベートーヴェン

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銚子のAさんのブログ[1]を読んで、昔、吉田秀和が何かの連載でソロモン(1902-1988)をホメていて、それでレコードを1枚買ったなあということを思い出しました。
調べてみると、1976年にラジオ技術社から「世界のピアニスト」[2]という単行本が出ていて、その中の「ホフマンとソロモン」と言う章で紹介していたようです。
記憶はさだかではありませんが、同社から出ていたステレオ芸術誌で連載していたのかもしれません。

くだんのレコードを押入れの奥から引っ張り出してみると、
Beethoven: Piano Concerto No. 1 / Sonata No. 27 (Seraphim ‎– 60016)
でした。てっきりモノラル盤だと思っていましたが、ステレオでした。
何年頃の録音か調べてみると、ソロモンのディスコグラフィー[3]に、

BEETHOVEN: Piano Concerto No. 1 in C, Op. 15
Philharmonia Orchestra; Herbert Menges, cond.
Recorded 16-17 and 23 September 1956, Studio No. 1, Abbey Road
GB= HMV ALP 1583/ASD 294, RLS 5026 (HLS 7067)(0C 17701698/701)
US= Mg (S)35580, Sera (S)60016
Ger=Elec lC 147 01671/3M

BEETHOVEN: Sonata No. 27 in e, Op. 90
Recorded 21-23 August 1956, Studio No. 3, Abbey Road
GB = HMV ALP 1582/ASD 294, XLP 30020, RLS 722 (HLS 7103)(OC 147 52448/54M)
US = Mg (S)35580, Sera (S)60016

があり、1956年の録音で、ステレオ・モノラル両方で発売されたようです。
ちなみに、この一つ前の録音がAさんのブログに登場するOp. 110です。

BEETHOVEN: Sonata No. 31 in A-Flat, Op. 110
Recorded 20-21 and 23 August 1956, Studio No. 3, Abbey Road
GB= HMV ALP 1900, RLS 722 (HLM 7102)(0C 147 52448/54M)
Ger = Elec lC 047-01553M
Note: Stereo tape made at sessions never issued.

したがってソロモンに関しては、1956年8月下旬からステレオ録音が開始されたことが窺えます。

さて、さっそく何十年ぶりかで聴いてみました。
「ダイナミクスのうるおい、噴きこぼれる音色、裏打ちするイデア、そしてダンス・・・」
これは、常人にはとてもマネできないシュールな表現で、さすがAさんですが、
ボクの凡庸な感想を一言でいうと、抑制の効いたベートーヴェンです。
録音も1950年代EMIの中庸を得た音で、決して派手ではありませんがこれで過不足ないと思いました。



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by ibotarow | 2017-03-31 07:00 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 11月 12日

ヨスカ・シゲティのディスコグラフィー

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シゲティ(1892-1973)については10年ほど前にちょっと書きましたが、最近、某ネットオークションに1908年のバッハのプレリュード(047914)が出品されました。
これは本来無伴奏のはずですが、レーベルを見ると、
Klavier: Henry Bird
の記載があります。
1904年のクライスラー(G&T47946)のように、ピアノ伴奏付きも皆無ではありませんが、復刻CDで聴いてみるとちゃんと無伴奏ですので、レーベルの印刷間違いのようです。

それやこれやで、ヨスカ時代のシゲティのディスコグラフィーを作る気になりました。
コロムビア以前の録音はせいぜい10枚位かと思っていましたが、意外にたくさんありますね。
中では、未発売のバッハのシャコンヌ4面が注目です。最初は調子が出なかったんでしょうか、pt.1は3回も録音しています。
ヘイズのEMIアーカイブに原盤があると思いますので、ぜひ復刻してほしいです。

データはケリーをもとにしてクレイトンおよびCHARMと照合しました。
ケリーの明らかな間違いは別として、差異のある場合はケリーを採りました。
また()内の回転数は、1913年のHMVカタログに依ります。
なお、Zephirは1908年と1913年の2種類あるようですが、写真の盤は1908年[2676f]です。


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by ibotarow | 2016-11-12 08:27 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2016年 06月 27日

アイデ・ノレナのディスコグラフィー

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8年ほど前、一枚の深い青色のシェラックレコード(Columbia G-7302-M)を入手した。
米コロムビアが1932年12月にリリースした"Royal Blue" recordである。
[1]によると、米コロムビアは1923年12月に"New Process" recordを発表したが、これは、硬い芯材の上下に、微粒子のシェラックをラミネートした、"virtually noiseless" recordであった。
"Royal Blue" recordは、それまでの"New Process" recordに比べて、より静かであると宣伝している。

曲目は、
グノーの「ロメオとジュリエット」のワルツ、
それに
マイヤベーアの「ユグノー教徒」から、マルグリットのアリア 、'O beau pays de la Touraine!' (おお、美しきトゥレーヌ)。

15 Feb 1930, Paris, w. orch, Henri Defosse (cond)
[xxP6781-4] 123.604Roméo et Juliette: Je veux vivre (Gounod)
[xxP7042-2] 123.636Les Huguenots: O beau pays de la Touraine (Meyerbeer)

歌っているのは、ノルウェー生まれのソプラノ、Eidé Norena (1884-1968)。
何よりも、ストレス・フリーにどこまでも気持ち良く伸びる、清澄な声に魅せられた。

その時以来、彼女のディスコグラフィーを作りたいと思っていたが、Record Collector誌には彼女の記事は見られず、そのままになっていた。
つい最近、フェイスブックで、RC誌のエディター、Larry Lustigのページ[3]を見つけ、2015年12月号に彼女の特集記事があるのに気が付いた。
そこで、RC誌を定期購読されているmr.hmvさんにお願いして、ディスコグラフィー[4]のコピーを送っていただいた。
見ると、Larry Lustigその人の作成になるディスコグラフィーであった。
これで、やっと8年来の懸案事項が解消される。

ウィキペディア[2]によると、
Kaja Andrea Karoline Hansenは1884年、ノルウェーのHoltenで、海軍軍人の父Gullik Hansenと母Susanne Anette Marie Møllerの3番目の娘として生まれた。
彼女の声はホルテンの教会聖歌隊で見出された。
1903年12月2日、最初のコンサートがホルテンで行われた。
1905年3月18日、Christiania(現オスロ)でデビューした。
Nationaltheatretの指揮者Bjørn Bjørnsonは、彼女の声を聴き、彼の劇場に迎えた。
彼女の最初の役は、Madama ButterflyのSuzukiであった。1年後、そのオペラの主役を歌うことができた。
それから10年ほど、彼女はNationaltheatretや、Central Teatreで、Mignon, The Barber of Seville, La Traviata and Rigoletto等の役を歌った。
1909年、彼女はNationaltheatreの俳優Egil Eide Næssと結婚したが、1939年に離婚した。

彼女は声にさらに磨きをかけるため、ロンドンのRaimond von der Mühlenのレッスンを受けた。
1924年、かくて彼女はミラノのスカラ座で第2のデビューを果たした。40歳であった。
その頃から、Eide Norenaのステージネームを使用した。
コベントガーデン、パリオペラ座、、シカゴ、メトロポリタン、ザルツブルグ音楽祭等で歌った。
彼女の好きな役は、リゴレットのギルダであった。
1938年、パリ・オペラ座で最後の舞台に立った。
1939年2月26日、故郷ホルテンで、告別演奏会を行った。
1940年、ナチがパリに侵攻すると、スイスのジュネーブに居を移し、1968年、ローザンヌで亡くなった。

ディスコグラフィーは、[4]を下敷きにして[5]と照合しながら、フォーマットを整えるためワードで作り、pdfからjpegに変換した。
なお、○印は[5]の復刻CDで、電気録音の発売されたものについては、ほとんどが収録されている。
また、YoutubeのURLは確認できたもののみ記載した。

この中で、
26 Sep 1932, Paris, w. orch, Piero Coppola (cond)
[2PG50-2] 52-1124La Traviata: Ah, fors'è lui (Verdi)
の日本盤RL-3(邦題:「椿姫」~あゝそは彼の人か)は、ビクター洋楽愛好家全集第1集[6]にシャリアピンやティボー等、錚々たるメンバーに並んで収録されている。
戦前から有名だったのかしら?と思って、あらえびすの「名曲決定盤」を見ると、
「ビクターで一番若くて人気のある歌い手だ。ややナイーヴな荒さを感じさせるが、それだけ野性的な美しさがあるとしたものだろう。ぐいぐいと人に迫る若さと魅力がある。」
とある。
この本は昭和14年刊行だから、ノレナはその時すでに50代半ばに達していて、決して若いとは言えないと思うが。
それに、荒さがあるとも、野性的とも思わない、むしろ清純可憐な趣があると思うが。
ちなみに、[5]の解説の題名は、"Eide Norena, The Snow Fairy"である。「雪の妖精」こっちの方がずっとしっくりくる。

最後に、今回も大変お世話になったmr.hmvさんに厚く感謝に意を表する。

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by ibotarow | 2016-06-27 19:36 | 女声_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 02月 27日

メイエルとミヨーのスカラムーシュ

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フランス6人組の一人、ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud, 1892 - 1974)は、マルセル・メイエルとイダ・ジャンケレヴィッチから1937年のパリ万博用にピアノデュオ曲を作ってくれと依頼されましたが気が乗らずに、近作の旋律をピアノ用に編曲して、
2台のピアノのためのスカラムーシュ (Scaramouche pour 2 pianos Op. 165b)
を作りました。

3つの楽章からなり、
1. Vif
2. Modéré
3. Brazileira

第1楽章と第3楽章の元になっているのは、「空飛ぶお医者さん(Le Médecin volant)Op.165a」で、これは モリエール(Molière, 1622 - 1673)の最初の喜劇 "Le Médecin volant" を、 シャルル・ヴィルドラック (Charles Vildrac, 1882 - 1971)が児童劇に書き直し、 それにミヨーが付随音楽(incidental music)を書いたものです。

第2楽章は、ジュール・シュペルヴィエル(Jules Supervielle, 1884 - 1960)の戯曲「ボリヴァール」に作曲した、「声楽とコーラスと室内オーケストラのための劇付随音楽"Bolívar" Op.148 (1935)」から取られたものです。

スカラムーシュとは、「空飛ぶお医者さん」が初演されたシャンゼリゼ通りのスカラムーシュ劇場に由来します。

これはミヨーの一番ポピュラーな作品となり、その楽譜はたいへん良く売れたそうです。
それに気を良くしたのか、ミヨーは他の楽器のためのバージョン、
アルトサックスとオーケストラ Op. 165c (1939)
クラリネットとオーケストラ Op. 165d (1941)
も作っていますが、こちらはあまり売れなかったようです。

なおイダ・ジャンケレヴィッチ ( Ida Jankélévitch, 1905 - ?)は、哲学者ウラディミール・ジャンケレヴィッチ(Vladimir Jankélévitch, 1903 - 1985)の妹のようです。

1938年、ミヨーとメイエルは、仏EMIにScaramoucheを録音しました。

DB 5086 Scaramouche - Suite pour deux pianos (Darius Milhaud)
[2LA 2855-1, M6 96849] No 1 Vif - No 2 Modéré (1re Partie)
[2LA 2856-1, M6 96850] No 2 Modéré (2e Partie) - No 3 Brazileira
Mme Marcelle Meyer et l'auteur (sur pianos Pleyel)
rec. December 6, 1938, Paris, Studio Albert

最後のBrazileira(ブラジルの女)が何とも楽しく、このレコ―ドはいつか手に入れたいものだと思っていましたが、先日、某オークションに出ていたのでダメ元で入札したところ無競争で落札してしまいました。

到着したレコードを見ると、リムの欠けたところから、芯のボール紙らしきものが見えます。
日本の戦時中のレコードではおなじみですが、フランスでもそうだったとは思いませんでした。
そのせいかあまり光沢はなく、紙の凹凸が盤面のムラとなって現れています。
このレコードが録音された1938年はドイツによるオーストリア併合の年ですが、 フランスはまだ占領されていないとはいえ、物資の欠乏は始まっていたようですね。

楽章間の音溝の隙間は無く、連続して演奏されています。

かけてみますと、溝は見た目そんなに荒れている感じはしないのですが、 大振幅のところでは、デッカゲンコツ24gの針圧を持ってしても歪みます。

でもまあ、メイエルの高音部(を受け持っていると思っているのですが)は、 復刻CDで聴くより敏捷で生き生きとしているので、これで良しとしましょう。

Youtubeはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=PwvQwfq1A3c


References
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_compositions_by_Darius_Milhaud 
https://es.wikipedia.org/wiki/Scaramouche_(Darius_Milhaud)
https://it.wikipedia.org/wiki/Scaramouche_(Milhaud)
https://es.wikipedia.org/wiki/Jules_Supervielle
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/1176/
その他いろいろ
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by ibotarow | 2016-02-27 17:07 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(2)
2016年 01月 14日

パブロ・カザルスのDB851とDB1067の怪

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先日、お客さんが二人来られた。蓄音機を聴きに来られたのである。
愛聴盤をお持ちくださいと申し上げていたので、何枚かのレコードを持ってこられた。
その中の一枚に、パブロ・カザルスのバッハのトッカータ/グラナドスのゴイェスカスの英HMV盤があった。
聴いているうちに、ひょっとしてうちにもあるかもしれないと思ったが、探すのが面倒なので、その時はそのままになった。

次の日になって探してみたら、果たしてELECTROLA盤DB1067があった。
[A31977△] Toccata in G dur - Adagio (Bach)
[A31978△] Goyescas - Intermezzo (Granados)

あ、やっぱりと思ったが、問題はここからで、その隣にスペインHMV盤DB851があったのである。
[A31977] Adagio (Bach)
[A31978] Goyescas (Granados)

バッハのタイトルが少々違うが、マトリクス番号は両面とも同じである。
△の有無と、書体がちょっと違うのが気になるが、これはドイツ盤とスペイン盤の表記の違いかと都合の良いように考えた。
DBの800番台はラッパ吹込みじゃないかとも思ったが、聴いてみると両面とも同じ演奏に聴こえた。

同じ音源でありながらカタログ番号が違うとはこれいかに?と、
CHARM[1]で、Goyescasを検索してみた。
その結果、米Victorがオリジナルで、下記のように2種類あることがわかった。

Composer: GRANADOS, Work: Goyescas - Intermezzo, Performer: Pablo Casals, cello, Édouard Gendron, piano, Date: 1925-02-21
Catalogue: Gray
CatNum: LM-2699
Date: 1925-02-21
Venue: Camden, Victor Studio No. 1
Label: RCA Victor
Composer: GRANADOS
Title: Goyescas - Intermezzo
Issue_78_45: 6501. HMV DB851
Num: C 31978
LpNum: LM-2699
CdNum: Biddulph LAB-143
Performer: Pablo Casals, cello, Édouard Gendron, piano

Composer: GRANADOS (arr. Cassadó), Work: Goyescas - Intermezzo, Performer: Pablo Casals, cello, Nicholai Mednikoff, piano, Date: 1927-02-28
Catalogue: Gray
CatNum: LCT1050
Date: 1927-02-28
Label: RCA Victor
Composer: GRANADOS (arr. Cassadó)
Title: Goyescas - Intermezzo
Issue_78_45: 6635. HMV DB1067
Num: CVE 31978
LpNum: LCT-1050
CdNum: RCA Gold Seal 09026-61616-2
Performer: Pablo Casals, cello, Nicholai Mednikoff, piano

まずピアノ伴奏が違うし、前者は1925年の最後期のラッパ吹込み、後者は1927年の電気吹込みであった。
この音の違いがわからなかったとは我ながら情けない。

しからばと、もう一度聴いてみた。
DB851:エネルギーが中音に集中、ピアノ低音少なし。
DB1067:細身で、エッジが立っているというか高音が伸びている。
なんだ、全然違うじゃん。
いくらリメイク盤といっても、違う演奏に同じマトリクス番号を付けるとは何と紛らわしい!
先入観は恐ろしい、という新年早々のお粗末でした。

その後、先日のお客さんの一人から、
「マトリクス番号が必ずしもユニークを担保するデータにはならないということですね。人間不信になりそうです。」
という、まことにごもっともな感想をいただいた。

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by ibotarow | 2016-01-14 14:52 | チェロ | Trackback | Comments(2)
2015年 12月 15日

マッティア・バッティスティーニのディスコグラフィー

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先日、斯界の大御所、M.Sさんから忝くもイタリアンバリトンの雄、マッティア・バッティスティーニ(1856 - 1928)のラッパレーベル盤を2枚いただきました。
054107 Ernanni:O sommo Carlo (Verdi)
054390 Pagliacci:E allor perché (Leoncavallo)
で、いずれも第1次大戦後のドイツプレスです。
これを機会に、バッティスティーニのディスコグラフィーをまとめることにしました。

下敷きに、今年マーストンから出たコンプリートCD集[1]のトラックリストをコピーペーストし、
mr.hmvさんからいただいたRC誌の記事[2]と、ケリーのMAT102[3]と照合し、不足分を補いました。

なお、最近のマーストンの復刻技術の進歩は著しく、ボクらがその辺のオークションで入手した盤を、普通に再生しただけでは、絶対出ないような音が入っています。

ボクは今まで、蓄音機で再生した音をリファレンスにして、それにできるだけ近い音を電気再生で出すことを心がけて来ましたが、これを聴くと、そんな素人の努力は無駄であったと思わずにはいられません。
彼の方向は、100年前のレコードから、現代に録音されたようなリアリスティックな音を引き出すことのようで、それはある程度実現されています。

これを聴いて、ボクはもうSP盤を集めようという気が無くなりました。
同時に、蓄音機も手放す決心をしました。

ところで、2枚のラッパレーベル盤の感想はどうかって?
まだ聴かずに飾ってあります。SP盤は持っていることに価値があるのです。

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by ibotarow | 2015-12-15 10:07 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2015年 04月 30日

デ・ヴィート/フィッシャーのブラームスのソナタ

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ジョコンダ・デ・ヴィート(1907 - 1994)/エドウィン・フィッシャー(1886 - 1960)による、ブラームスのソナタは、もともとヌヴ―が予定されていたそうですが、ご存じのように1949年に飛行機事故で亡くなったので、急遽、デ・ヴィートに白羽の矢が立ったそうです。

長年テスタメントのCDで楽しんできましたが、先年、この米エンジェル盤が出ているのを見つけ、UKプレスだから、音はオリジナルとあまり変わらないだろうと、思い切って入手してしまいました。

Angel 35523 グルーブガード盤
11/12 May 1954, No.3 Studio, Abbey Road, London
[2XEA 592-1N, 1, M] Johannes Brahms: Violin Sonata No.1 in G major, op.78 

18-20 October 1954, No.3 Studio, Abbey Road, London
[2XEA 593-1N, 1, O] Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 in D minor, op.108

Gioconda de Vito (Vn)
Edwin Fischer (Pf)

これは、ヨーロッパ風のダウエルスパイン・ジャケットに入っています。
オリジナルはALP 1282ですが、この時はまだ持っていなかったので、また周りにお持ちの方もおられないので、幸か不幸か比較ができません。
しかたがないので以前からある東芝盤(TOJE-7420)を引っ張り出して聴き比べてみました。
これは1991年のLP末期の発売で、そのころ2番目の職場を辞める時に若き友人から餞別にいただいたものです。

まずエンジェル盤から。
RIAAで再生すると、
思ったより線が細い、潤いに欠ける。少なくとも柔らかくはありません。
そこでNABで再生してみると、
この方が落ち着いた感じで合っている、柔らかい、力強さもある。

次に東芝盤を聴いてみると、
東芝盤のほうがわずかに薄っぺらい、鋭い。これで一安心?
でも東芝盤も思ったより健闘しています。
エンジェル盤と東芝盤が似ているということは、英国オリジナル盤は違う可能性があります。
かくなる上はオリジナル盤を聴いてみたいところです。



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by ibotarow | 2015-04-30 09:08 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 09月 23日

キャスリン・パーロウのディスコグラフィー

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以前、パーロウの復刻CDの記事を書いた時、ニッポノホンの音を「非常に弱々しく、ボヤケていている」と貶しましたが、最近、フェイスブックで知り合ったSさんがYoutubeにアップされたパーロウの演奏10曲を聴くと、そこそこ高音の切れもあり、ニッポノホンを見直しました。
そこでSさんに、拙ブログからYoutubeへのリンクを張らせてくださいとお願いし、快諾を得たのですが、この機会にパーロウのディスコグラフィーをまとめることにしました。彼女のレコードを1枚も持っていないというのに。

クリストファ・N・野澤氏によると、英グラモフォンに4面、エジソンのシリンダー及び縦振動に24面、米コロムビアに26面、そして、1922年来日時にニッポノフォンに吹き込んだ14面があるそうです[1]。
グラモフォンは4面のほかに、未発売が3面ありました[2]。
コロムビアは25面のほかに、未発売が7面ありました[3, 4]。
エジソンは24面あるとのことですが、finally rejectedが一度は市販されたと考えると、それくらいはあるようです[5]。
ニッポノホンは、畏友Oさんのおかげで14面全部わかりました[6]。マトリクス番号は一部を除いてわかりませんでしたが、テイク5やテイク6があり[3]、パーロウが苦労して録音したことが窺えます。
Oさんによると、「稀にワックスに鉄筆で書かれた文字がレーベルの紙越しに判読できる場合がある。」とのことですので、マトリクスについては今後の課題とします。

写真は1922年来日時のキャスリン・パーロウとお母さんMinnie Parlow、女の子は誰? [7]。

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by ibotarow | 2014-09-23 12:54 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2014年 05月 31日

ヤン・クーベリックのディスコグラフィー

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前回、カール・フレッシュのヤン・クーベリック評として、ハルトナックの紹介している文章を引用した。
「クーベリックは、他の人々がやっとその才能を発揮し始める時期に、すでに頂点を越えてしまった不幸な種族の芸術家である。」
これに対して、最近若き碩学(何とお二人から、有難いことである。)からコピーをいただいた佐々木庸一氏訳の同回想録[1]によると、
「クーベリックは30才にならないうちに技術的衰えをみせ、音につやがなく、技術的にかなり不満足な演奏をするようになった。」

両者ともだいたい同じ意味ながら、ハルトナックの方が文学的修辞に富んで、読んでいて楽しい。たぶん、佐々木訳の方が原文に忠実ではあろうが。
30才というと、1910年あたりである。この近辺のフォノティピアは一時期、熱心に集めたが、その後省みなくなって久しい。
この機会に改めて聴いてみたい。ついては録音リストも見たい。
という訳で、ヤン・クーベリックのディスコグラフィーを作ることにした。

第1次大戦前のラッパ吹き込みに関しては、1907年までの青い果実は溌剌として素晴らしいが、頂点を越えたという1910-13年の熟した果実もロマンチックでまた魅力的である。
しかし、戦争の終わった1920年以降は何曲も、しかも2テイクづつ録音していながらほとんどボツ、発売されたものはほとんど無い。
本人が納得できなかったのか、レコード会社がOKを出さなかったのか、VictorもHMVも死屍累々、惨憺たるありさまである。
1933年のUltraphonはその数少ない例であろう。
1934年頃にロンドンで録音されたという、会社名の入っていない白レーベル盤は、まだまだありそうな気がするが、現在復刻されているものしかわからなかった。しかしこれらは聴いていてそんなに面白いものではない。

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by ibotarow | 2014-05-31 17:30 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 20日

リークでヴォルフシュタールを

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ヨーゼフ・ヴォルフシュタール(1899-1931)はボクにとってヌエのような存在で、どうも正体が掴めないのである。
モーツァルト[1]、ベートーヴェン[1,2]、メンデルスゾーン[2]の協奏曲は復刻されており、これらを聴くといずれも正統的な見事な演奏である。
しかしながら小品はほとんど復刻されていないので、SP盤を探すしかないが、これがなかなか出ない。
このたび、縁あって3枚入手できた。

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Homocode 1922 Berlin
50554 B8056 Träumerei (Schmann)

Grammophon
May 1925
869az  69794 Romance No.2 in F (Beethoven) pt.1
870az  69794 do pt.2
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HMV
6 Jul 1926
BW52-1△ EG233 Hungarian Dance No. 2 (Brahms-Joachim)

先の2枚はラッパ吹込みである。ヘ長調ロマンスは、1回目のベートーヴェンの協奏曲の録音と続き番号のマトリクスである。

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再生は、最近思いついてヘッドシェルに両面テープで貼り付けた、リークのSP用MCカートリッジで行った。演奏中に脱落しないようにタイラップで締め上げてある
このカートリッジはHiFiというより、虚構的な美しい音を奏でる。この色香に魅せられると他のカートリッジがつまらない音に聴こえる危険なしろものである。

これでトロイメライやロマンスを聴くと、ヴォルフシュタールの耽美的な面が際立つ。第1次大戦後、ワイマール時代のベルリンの文化もかくこそありけれと思わせる。

一方、ジョージ・セルの奥さんと関係をもったことで有名なように、かなりの情熱家である。そのあたりはハンガリー舞曲第2番を聴くと、なるほどと思う。大師匠のヨアヒムと比べると(比べるのが悪いが)、とても激しい。
ヌエと称するゆえんである。

[1] Josef Wolfsthal, SYMPOSIUM 1141 (1992)
[2] Josef Wolfsthal, BIDDULPH LAB 095 (1994)
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by ibotarow | 2012-05-20 21:16 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)