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2017年 02月 28日

レオ・スレザーク(1873-1946)のディスコグラフィーその1

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以前、「レオ・スレザークの素敵な世界」という素敵なホームページを運営しておられた盤 奇録さんには、2,3度お目にかかったことがありますが、残念ながら2014年10月に逝去され、そのホームページもいつしか閲覧できなくなりました。
その頃から、スレザークのディスコグラフィーを作りたいと思っていましたが、カルーソ以上に大量の録音があるので、なかなか手が付けられませんでした。
このたび、ずいぶん前にmr.hmvさんからいただいたRC誌のディスコグラフィー[1]をもとに、[2-27]の資料と照合、補完し、なんとかラッパ吹込みをリストアップすることができました。
謹んで盤 奇録さんに献呈いたします。

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References
[1] Thomas G. Kaufman, LEO SLEZAK discography, The Record Collector, Vol. 15, Nos. 9-10 (1963) 208-226.
[2] Leo Slezak 1: Gramophone/Zonophone/Pathé (Wien, 1901-1904), Truesound Transfers TT-2405 (2004)
[3] Leo Slezak 2: Gramophone (Wien, 1903), Truesound Transfers TT-2406 (2004)
[4] Leo Slezak 3: Gramophone (Wien, 1903-1905), Truesound Transfers TT-2407 (2004)
[5] Leo Slezak 4: Odeon/Columbia (Wien, 1904-1906), Truesound Transfers TT-2408 (2005)
[6] Leo Slezak 5: Gramophone (Wien, 1905), Truesound Transfers TT-2409 (2005)
[7] Leo Slezak 6: Gramophone (Wien, 1906-1907), Truesound Transfers TT-2410 (2006)
[8] Leo Slezak 7: Gramophone (Wien, 1907-1908), Truesound Transfers TT-2411 (2006)
[9] Leo Slezak 8: Gramophone (Wien, 1909), Truesound Transfers TT-2412 (2005)
[10] Leo Slezak 9: Edison cyl. (Berlin, 1909), Truesound Transfers TT-2413 (2006)
[11] Leo Slezak 10: Gramophone/Pathé (Paris, 1910/Berlin, 1912), Truesound Transfers TT-2414 (2005)
[12] Leo Slezak 11: Columbia/Odeon (New York/Berlin, 1912), Truesound Transfers TT-2415 (2005)
[13] Leo Slezak 12: Anker/Favorite (Berlin, 1913), Truesound Transfers TT-2416(2005)
[14] Leo Slezak 13: Favorite/Columbia (Berlin, 1913/Wien, 1917), Truesound Transfers TT-2417 (2005)
[15] Leo Slezak 14: Gramophone (Berlin, 1923) - German Lieder Recital, Truesound Transfers TT-2418 (2005)
[16] Leo Slezak 15: Gramophone (Berlin, 1923) - Operatic arias and Songs, Truesound Transfers TT-2419 (2005)
[17] A. Kelly, Gramophone Company Matrix Series, suffixed a/b/c, recorded by Frederick William Gaisberg et al, 1900 to 1919, MAT102 (2002).
[18] A. Kelly, Gramophone Company Matrix Series, suffixed g, h, i(j) (early use B, x, y), recorded by William Sinkler Darby, 1901-1909, MAT04 (2002)
[19] A. Kelly, Gramophone Company Matrix Series, suffixed k, l, m (early use C, z, Hp), recorded by Franz Hampe (Hampe I), 1902-1919, MAT05 (2004)
[20] A. Kelly, Gramophone Company Matrix Series, suffixed t, u, v, corded by Charles Scheuplein, 1902-1920 and by Harry Fleming, 1920-1921, MAT08 (2006)
[21] V. Girard and H. M. Barnes, "Vertial-cut Cylinders and Discs", British Institute of Recorded Sound (1964)
[22] Christian Zwarg, ODEON Matrix Numbers — B/xB/xxB/xxxB (Berlin)
http://discography.phonomuseum.at/odeon/odmxB.pdf
[23] TRUESOUND ONLINE DISCOGRAPHIES, ODEON (incl. FONOTIPIA)
http://www.truesoundtransfers.de/odeon.zip
[24] TRUESOUND ONLINE DISCOGRAPHIES, EDISON (Phonographenwalzen)
http://www.truesoundtransfers.de/edisoncy.zip
[25] TRUESOUND ONLINE DISCOGRAPHIES, EDISON (Diamond Discs)
http://www.truesoundtransfers.de/edisondd.zip
[26] TRUESOUND ONLINE DISCOGRAPHIES, INTERNATIONAL ZON-O-PHONE
http://www.truesoundtransfers.de/zonoint.zip
[27] THE ONLINE DISCOGRAPHICAL PROJECT, Columbia A5000 - A5499 (1908 - 1913), a numerical listing
http://www.78discography.com/COLA5000.htm



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by ibotarow | 2017-02-28 08:24 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2016年 08月 15日

ニノン・ヴァランの縦振動電気録音

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以前、ニノン・ヴァランのパテ・アールで、

「1927年12月に華々しく登場したパテ・アールは、しかし最初の17枚は、電気録音システムの操作に未熟であったせいであろうか音が悪く、カタログに載る間もなく回収された。したがって現在ではほとんど目にすることはできない。 下記のリストの1927年の3枚6面も、1枚か2枚の縦振動のコピーが現存するだけだそうだ。」

と書いている。これの出典はマーストンの復刻CD[1]の解説で、著者のVictor Girardは、かのVertial-cut Cylinders and Discs[2]の共著者でもある。

まず、この「最初の17枚」とはどんなレコードだったのかと調べてみると、
Reconstitution du Catalogue français des Disques Pathé Saphir [3]
で、パテ縦振動レコードのカタログを見つけた。
その中の、
Catalogue des disques Pathé 80 tours
[édités à partir de 1916, mais enregistrés entre 1894 et 1915 (rééditions de 90 tours) et de 1916 à 1932]
のうち、
de 5000 à fin [4]
から、7101~7117番のパテアールを抜き出すと、
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となる。
7102のデータは[5]による。
ニノン・ヴァランは、7108、7109、7115の3枚6面である。
7116は不明である。

その後、7109のカルメン縦振動盤を入手した。
[200914] 17-11-27 7109 Carmen: L'amour est un oiseau rebelle {Habanera} (Bizet)
[200915] 1?-11-27 7109 Carmen: Près des remparts de Seville {Séguedille} (Bizet)
2カラム目は鏡像文字で、1927年11月にメタル原盤が作られたことを示している。

Gerard[1]は「1枚か2枚の縦振動のコピーが現存するだけ」と言っているので、最初、これはとんでもない珍品を入手したかと喜んだが、世の中そんなにうまい話があるはずもなく、さして高価でもなかったので、数はあるのだろうと思われる。
レーベルはブルーで、これまで横振動パテ・アールのブルーレーベルは25cm盤、オレンジレーベルは29cm盤と理解していたが、29cmの縦振動はブルーレーベルを使用して横振動と区別しているようだ。

さらに、前記事では、

「[6]の解説には、ニノン・ヴァランにはアート・レーベル以前に、1927年5月録音の通常の"Paper-label"シリーズ13面があって、これらも非常にレアなものだそうであるが、この中のマトリクス番号200,736を聴いたが紛れもなく電気録音であった、と書かれている。 それで、この著者は、マトリクス番号200,000から電気録音に切り替わったのではないか、という仮説を立てている。」

と書いている。
パテアールは電気録音開始を記念して作られたレーベルだと思っていたが、それに先立つ電気録音もあったようだ。

200,000シリーズについては、Girard & Barnes [2]によると、
・パテの横振動盤(アクチュエール)はマスターシリンダーからダビングによって作られたが、横振動独自のマトリクス番号を持っていた。
・1925年後半、パテは古いマスターシリンダー方式をやめ、普通のレコード製造方式に変えた。
・このとき、マトリクス番号も縦横共通の200,000シリーズに変更された。
・一番若い番号は、200,026であるが、これはAndré Allard (Br)の
 0493 Resurrection : Quand je l'ai vue (Alfano) / Resurrection: O Katucha! (Alfano)
 で、1925年11月から1926年1月の間に発売された。
したがって、これはラッパ吹込みであると考えられる。(追記参照)
ここから、ニノン・ヴァランの200,723までのどこかで電気録音に切り替わったのであろう。

またパテは1926年頃から、縦振動と横振動を同じカタログ番号で並行して発売した。横振動にはプリフィックス"X"を付けて区別した。
それでは、縦振動盤はいつ頃まで発売されたのだろうか?
調べてみると、Museum Of Obsolete Media [7]で、
Pathé vertical-cut records continued to be sold in France until 1932.
という記述を見つけた。
フランスでは1932年まで発売されていたようである。

本当はここでニノン・ヴァランのディスコグラフィーをまとめたいところであるが、前に書いたように、500面近くあるので、とても手に負えない。
そこで、ニノン・ヴァランの縦振動電気録音盤をリストアップしてみることにした。
リストは[6]を元にして、[1 - 4]と照合した。資料間で差異がある場合は一番新しい[6]を優先した。
2カラム目が縦振動のカタログ番号、一番右のカラムが横振動のカタログ番号である。
その右の()内は回転数を表す。
7000番台は29cm、2000および3000番台は25cm盤である。

これを見ると、1927年は縦振動と横振動がほぼ並存しているが、年を追うごとに縦振動盤が少なくなってきているのがわかる。
そして、1931年2月の録音を最後に、ニノン・ヴァランの縦振動録音は姿を消す。

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by ibotarow | 2016-08-15 09:09 | 女声_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 06月 27日

アイデ・ノレナのディスコグラフィー

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8年ほど前、一枚の深い青色のシェラックレコード(Columbia G-7302-M)を入手した。
米コロムビアが1932年12月にリリースした"Royal Blue" recordである。
[1]によると、米コロムビアは1923年12月に"New Process" recordを発表したが、これは、硬い芯材の上下に、微粒子のシェラックをラミネートした、"virtually noiseless" recordであった。
"Royal Blue" recordは、それまでの"New Process" recordに比べて、より静かであると宣伝している。

曲目は、
グノーの「ロメオとジュリエット」のワルツ、
それに
マイヤベーアの「ユグノー教徒」から、マルグリットのアリア 、'O beau pays de la Touraine!' (おお、美しきトゥレーヌ)。

15 Feb 1930, Paris, w. orch, Henri Defosse (cond)
[xxP6781-4] 123.604Roméo et Juliette: Je veux vivre (Gounod)
[xxP7042-2] 123.636Les Huguenots: O beau pays de la Touraine (Meyerbeer)

歌っているのは、ノルウェー生まれのソプラノ、Eidé Norena (1884-1968)。
何よりも、ストレス・フリーにどこまでも気持ち良く伸びる、清澄な声に魅せられた。

その時以来、彼女のディスコグラフィーを作りたいと思っていたが、Record Collector誌には彼女の記事は見られず、そのままになっていた。
つい最近、フェイスブックで、RC誌のエディター、Larry Lustigのページ[3]を見つけ、2015年12月号に彼女の特集記事があるのに気が付いた。
そこで、RC誌を定期購読されているmr.hmvさんにお願いして、ディスコグラフィー[4]のコピーを送っていただいた。
見ると、Larry Lustigその人の作成になるディスコグラフィーであった。
これで、やっと8年来の懸案事項が解消される。

ウィキペディア[2]によると、
Kaja Andrea Karoline Hansenは1884年、ノルウェーのHoltenで、海軍軍人の父Gullik Hansenと母Susanne Anette Marie Møllerの3番目の娘として生まれた。
彼女の声はホルテンの教会聖歌隊で見出された。
1903年12月2日、最初のコンサートがホルテンで行われた。
1905年3月18日、Christiania(現オスロ)でデビューした。
Nationaltheatretの指揮者Bjørn Bjørnsonは、彼女の声を聴き、彼の劇場に迎えた。
彼女の最初の役は、Madama ButterflyのSuzukiであった。1年後、そのオペラの主役を歌うことができた。
それから10年ほど、彼女はNationaltheatretや、Central Teatreで、Mignon, The Barber of Seville, La Traviata and Rigoletto等の役を歌った。
1909年、彼女はNationaltheatreの俳優Egil Eide Næssと結婚したが、1939年に離婚した。

彼女は声にさらに磨きをかけるため、ロンドンのRaimond von der Mühlenのレッスンを受けた。
1924年、かくて彼女はミラノのスカラ座で第2のデビューを果たした。40歳であった。
その頃から、Eide Norenaのステージネームを使用した。
コベントガーデン、パリオペラ座、、シカゴ、メトロポリタン、ザルツブルグ音楽祭等で歌った。
彼女の好きな役は、リゴレットのギルダであった。
1938年、パリ・オペラ座で最後の舞台に立った。
1939年2月26日、故郷ホルテンで、告別演奏会を行った。
1940年、ナチがパリに侵攻すると、スイスのジュネーブに居を移し、1968年、ローザンヌで亡くなった。

ディスコグラフィーは、[4]を下敷きにして[5]と照合しながら、フォーマットを整えるためワードで作り、pdfからjpegに変換した。
なお、○印は[5]の復刻CDで、電気録音の発売されたものについては、ほとんどが収録されている。
また、YoutubeのURLは確認できたもののみ記載した。

この中で、
26 Sep 1932, Paris, w. orch, Piero Coppola (cond)
[2PG50-2] 52-1124La Traviata: Ah, fors'è lui (Verdi)
の日本盤RL-3(邦題:「椿姫」~あゝそは彼の人か)は、ビクター洋楽愛好家全集第1集[6]にシャリアピンやティボー等、錚々たるメンバーに並んで収録されている。
戦前から有名だったのかしら?と思って、あらえびすの「名曲決定盤」を見ると、
「ビクターで一番若くて人気のある歌い手だ。ややナイーヴな荒さを感じさせるが、それだけ野性的な美しさがあるとしたものだろう。ぐいぐいと人に迫る若さと魅力がある。」
とある。
この本は昭和14年刊行だから、ノレナはその時すでに50代半ばに達していて、決して若いとは言えないと思うが。
それに、荒さがあるとも、野性的とも思わない、むしろ清純可憐な趣があると思うが。
ちなみに、[5]の解説の題名は、"Eide Norena, The Snow Fairy"である。「雪の妖精」こっちの方がずっとしっくりくる。

最後に、今回も大変お世話になったmr.hmvさんに厚く感謝に意を表する。

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by ibotarow | 2016-06-27 19:36 | 女声_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 06月 30日

マヌエル・キロガのディスコグラフィー

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話は約9年前に遡ります。その頃キロガの復刻CD[1]を手に入れました。
1曲目に作曲者不詳の"Capricho Jota" が入っていました。
これはオークションで見かけた、
[488y] X-57900 Jota Capricho (José del Hierro)
ではないかと思っていたのですが、確かめるすべはありませんでした。

最近、キロガのディスコグラフィーを作りかけているのですが、先ほど、ふと思いついてYoutubeを探してみると、
Jose del Hierro - Gran Jota Capricho
がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=tPB2qDdg90E
同じもののようです。
この人はずいぶん音程が怪しくて聴きづらいですが、キロガの演奏で聴くともっと魅力的な曲です。

ケリー[2]によると、488yは1909年3月11日マドリードでの録音です。
今までキロガの初録音は20歳の1912年だと思っていましたが、1909年3月だと16歳です。
その頃のキロガにレコードを吹き込むチャンスはあったのでしょうか?

キロガの伝記[3]を読んでみると、1904年に12歳でマドリードの王立音楽院に入り、ついた先生が、この作曲者のJosé del Hierroでした。
2年後、Mugártegui家から1682年製のアマティを贈られます。
1907年から1909年まで、キロガはマドリードやその他の都市で多くのコンサートを行いました。
1909年10月14日、スペインでのHierro先生のレッスンを終了し、お父さんとベルリンへ旅立ちます。
フリッツ・クライスラーに教えを受けるためでしたが、途中に立ち寄ったパリで変心します。
パリ音楽院のオーディションを受け、合格したのです。
キロガはジュール・ブーシュリやティボーについて2年間勉強し、1911年に1等賞を取りました。

このことから考えると、1909年にマドリードで先生の曲を録音するのは不自然ではありません。
またパリ音楽院で1等賞を取った後の1912年にパリで録音したのも頷けます。
なお、キロガはパリでMarthe Lehman と出会い、二人は1915年7月21日に結婚します。
したがってマドリード録音時のピアニストはMarthe Lehmanではありません。

パテに関しては復刻CDしか資料がなかったので、まだ他にあるかもしれません。

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by ibotarow | 2014-06-30 07:44 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2013年 03月 20日

エウジェニア・ブルツィオを聴く愉悦

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エウジェニア・ブルツィオは、1872年、1879年[1]、あるいは1882年[2]にイタリア、トリノ近郊のPoirinoで生まれた。
以下は[2]による彼女の経歴の抄録である。

ブルツィオは最初ピアノ、ヴァイオリン、絵画を習ったが、歌うことに最も興味を示したので、両親は彼女がミラノ音楽院に入ることを許した。
1899年、トリノでデビュー。
1900年、トリノでのソロリサイタルを開いたが、仕事のオファーはすぐには来なかった。
1901年、彼女は恋に落ち、Ugo Ravizzaと結婚した。
同年11月に舞台に復帰したが、結婚と仕事の両立は難しく、舞台をリタイアした。しかし、退屈と緊張のなさに耐えかねて、1年もたたないうちに仕事に戻った。
1903年、バーリでセレスティーナ・ボニンセーニャの代役でデビュー、成功を収めた。しかし、この成功は彼女の結婚生活に影響を及ぼし、2回目の結婚記念日の前に、結婚を解消した。
1904年、パレルモでデビュー、南米へツアー。
1906年、ミラノのスカラ座デビュー。ロンドンおよびサンクト・ペテルスブルグへのツアー。
1908年、スカラ座でのトスカニーニとの協演。「運命の力」のリハーサル中に彼女は、スカラ座でGodと呼ばれていたトスカニーニと大喧嘩、プリマドンナを外された。
急遽代役に呼ばれたEster Mazzoleniはこう語っている。
She was a tigress onstage as well as in private.

tigressを辞書で引くと、「雌のトラ」あるいは「あばずれ女」と書いてあった。なるほど、tigerの女性形ね。
どっちにしても気性の激しい女性であることは、彼女の歌唱を聴くとさもありなんと思う。

1909年、ブエノスアイレスのコロン劇場へデビュー。
1910年頃から睡眠薬中毒に。
1911年、トスカニーニはローマのコンスタンチ劇場で「西部の娘」のイタリア初演を準備していた。
彼はブルツィオにオリーブの小枝を渡す機会を否定しなかった(要するに主役を与えたということね)。
リハーサルは非常にうまく行き、初演の日が近づいた。それは彼女にとってのコンスタンチ劇場デビューでもあった。
しかし彼女はパニックに襲われて、役を降りてしまった。
トスカニーニは彼女を日がな一日、野次馬の好奇の目から守り、ついに彼女を説得することに成功した。
彼女は舞台に立ったのである。

次々と女性歌手に手を出す、女たらしで有名なトスカニーニも、tigressには一目置くようである。

1912年、スカラ座でノルマに初挑戦、彼女のステージマナーは横柄なものであったが、絶大な賞賛を浴びた。
1913年、ナポリのサン・カルロ劇場デビュー、その後、引きこもり、すべてのオファーを拒絶。
1915年、スカラ座に復帰、熱狂的な聴衆に演技は何度も中断。
1916年、ジェノヴァでレオンカヴァッロの「マメーリ」の世界初演、栄光のデモンストレーションであった。
その後、腎臓病と不眠症で再びステージを去る。
1919年、ブルツィオは再び、そして最後のステージに誘い出され、聴衆は伝説を見た。
1922年、死去。Poirinoでの葬儀にはトスカニーニも出席した。

ブルツィオは、[1]によると、語気の強いchest voice(胸声)を用いた。これはある人々にとっては汚く聴こえたが、ある人々にとってはエキサイティングなものであった。それは19世紀のイタリアン・ソプラノがドラマティックな感情を効果的演出するために使ったやり方を踏襲したのである。
あらえびすの言う典型的な娼婦型で、その肉感的ともいえる伸縮自在でダイナミックな歌唱を聴くのは快楽でさえある。


 

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by ibotarow | 2013-03-20 09:01 | 女声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(2)
2012年 09月 17日

キュルティのパテ横振動盤

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先日、ある事件に遭遇し、しばらくSPレコードを聴く気がしなくなって、LPレコードなんぞを引っ張り出して聴いていたのですが、最近ようやく立ち直り、某オークションでパテ盤を2枚落札しました。久しぶりにのぞくと珍しいレコードに出会えるようです。

1枚目は、Yvonne Curti,
X.9747 [N 8665] ROSE-MARIE "CHANT INDIEN" (RUDOLPH FRIML)
X.9747 [N 8676] PAGANINI "J'AI TOUJOURS CRU QU'UN BAISER" (FRANZ LEHAR)

2枚目は、Ninon Vallin,
7109 [200914] CARMEN "L'amour est enfant de bohème" (Bizet)
7109 [200915] CARMEN "Près des remparts de Séville" (Bizet)
ですが、これについてはいつか稿を改めて書きます。

キュルティの方はカタログ番号にXがついていることからわかるように、横振動です。
盤面にはマトリクス番号のほかは何も情報がありません。鏡像文字は1文字だけあるようにも思えますが、傷かもしれません。
何年か前、H.さんに聴かせていただいたキュルティ・パテ盤はすべて縦振動でしたが、どうも縦・横、両方発売されたようですね。これがラッパ吹き込みか電気録音かは興味のあるところです。

ラッパ吹き込みにしては鮮明な音ですが、同じ頃の録音であるキロガと聴き比べてみると、キロガのほうが鮮明で録音レベルも大きいです。
以前持っていたサラベール盤の音を忘れてしまったのですが、同じような音だったような気がします。
録音方式は確率で言うと、電気70%、ラッパ30%といったところでしょうか?

音からいうと電気録音っぽいのですが、ラッパ吹き込みかもしれないと考える根拠は、以下の2つの特徴、
1.マトリクス番号が8000番台。
2.リードアウト溝が無い。
です。
まず1.ですが、拙ブログ「キュルティのパテ縦振動盤」でも紹介しましたが、文献[1]によると、
-----------------------------------------------------------------
パテは1925年の後半でマスターシリンダー・システムをやめ、普通のレコード製作工程を採用した。
この時に、マスターシリンダー・ナンバーは廃止され、新たに200000から始まるマトリクス番号が1930年ごろの202500あたりまで途切れることなく続いた。
(中略)
1927年10月、パテは電気録音の声楽レコードを発売した。それは7100番台の"Art"レーベルである。オーケストラの録音は5500番台である。
(中略)
それから、これは信頼性を確認するに十分な情報ではないが、マトリクス番号が201000以降のものは、電気録音と信じられている。
-----------------------------------------------------------------
これによると、電気録音のマトリクスは201000以降だということになり、8000番台のキュルティは電気録音ではないということになります。
[1]によるキュルティの縦振動パテ・ディスコグラフィーを再掲すると、

Pathe Paper-label Discs, Paris 1927-1928 (pf. acc. : Andolfi)

9720 [8326] Reve de valse (Straus)
9720 [8330] Aubade d'amour (Monti)
9721 [8331] Czardas (Monti)
9721 [8333] Les millions d'arlequin (Drigo)
9744 [8663] Thais: Meditation (Massenet)
9744 [8664] Nocturne in E-flat (Chopin)
9745 [8668] Apres un reve (Faure)
9745 [8677] Souvenir (Drdla)
9746 [8666] Chanson triste, Opus 40, No. 2 (Tchaikovsky)
9746      Berceuse, Opus 20 (Cui)
9747 [8665] Rose-Marie: Chant indian(Friml)
9747 [8676] Paganini: J'ai toujours cru qu'un baiser (Lehar)
9751 [8701] Serenata (Toselli)
9751 [8703] Berceuse (Faure)
9754 [8702] Chant hindou (Rimsky-Korsakov)
9754 [8722] Serenade (Rakhmaninov)
9755 [8723] Les bateliers de la Volga (Kreisler)
9755 [8719] Le cygne (Saint-Saens)
9756      Madrigale (simonetti)
9756      Berceuse (Renard)
9762 [8827-1] Romona (Wayne)
9762 [8828-2] Roses of Picardy (Haydn-Wood)
9768      Chanson a bercer (F. Schmitt)
9768      Les promis (Samuel-Rousseau)
9773      Serenade (Pierne)
9773      Chanson bohemienne (Boldi)


次に、2.についてですが、これは経験則でしかありませんが、ラッパ吹き込みにはリードアウト溝がなく、電気録音にはリードアウト溝があるのが普通です。
(ここではラッパ吹き込み初期のドイツプレスにしばしば見られる手彫りのリードアウト溝は除外しています。)
上のキュルティにはリードアウト溝がなく、ラッパ吹込み盤の特徴を呈しています。

以上、2点からラッパ吹き込みの可能性もあると判断しました。

その後、偶然、某オークションでポルトガルのピアニストVianna da Mottaのパテアール5452を見つけました。マトリクスは8731です。
いや~、これを見つけたときは興奮しました。疑うべきは文献[1]であったかと。だって、これでミッシング・リンクが繋がるわけですから。
他はどうかと、ダ・モッタのディスコグラフィーを探すとMark Arnesr氏のHP[2]にありました。
上のフォーマットに合わせると、

Jose Vianna da Motta: Pathe Discography, 1928 (c)

X.5449 [N 8725-1] Cenas Portuguesas, Op.9 #1: Cantiga de Amor (Motta) Pt.1
X.5449 [N 8726-1] do Pt.2
X.5450 [N 8727-1] Cenas Portuguesas, Op. 9 #2: Chula - danse portugaise (Motta)
X.5450 [N 8728-2] Cenas Portuguesas, Op. 9 #3: Valsa caprichosa (Motta)
X.5451 [N 8729-2] Annees de pelerinage, 1st year S. 160, #7: Eglogue (Liszt)
X.5451 [N 8730-1] Elegies, #4: Turandot's Frauengemach (Busoni)
X.5452 [N 8731-2] Polonaise #6 (Heroic), Op. 53 (Chopin) Pt.1
X.5452 [N 8732-1] do Pt.2
X.5453 [N 8738-2] Duettino concertante (after Mozart, K. 459 finale) (Busoni), w/ Mme. de Castello Lopes (2nd piano) Pt.1
X.5453 [N 8739-2] do Pt.2
X.5454 [N 8736-1] Sonata #18, Op. 78, D. 894, 3rd movement, Menuetto (Schubert)
X.5454 [N 8737-1] Wohin? (from Die Schone Mullerin), S. 565/5 (Schubert - Liszt)

すべて8700番台で、上のキュルティの間に入ります。
ダ・モッタはアート・レーベルであり、これはパテが1927年10月の電気録音の導入を機に採用したレーベルなので、電気録音だと考えるのが妥当でしょう。
実際に、5450をお持ちのsp76rpmさんに聴いていただいたところ、
「メリハリの効いたダイナミックレンジの広いしっかりとした音なんで、おそらく電気録音」
というコメントでした。
そうすると、その前後のキュルティも必然的に電気録音という可能性が高くなります。
20万番台というのは声楽の話で、器楽は8000番台だったのでしょうか?
キロガの1928年の録音は30万番台ですので、その切り分けはまだ不明です。

次に、リードアウト溝の有無ですが、これもsp76rpmさんに確認してもらったところ、上のダ・モッタ5450にはリードアウト溝が無いそうです。
ほかにも同様の例はないかと探したところ、灯台元暗し、手持ちのニノン・ヴァランのパテアール、
x7149 [201282] Le Nil (Leroux)
x7149 [201283] SADKO: Chant hindou (Rimsky-Korsakov)
にも有りませんでした。
このレコードは拙ブログ「ニノン・ヴァランのパテ・アール」によると、1928年7月の電気録音だということがわかっています。

ということで、最初にあげた、ラッパ吹き込みと考える2つの特徴は、どちらも電気録音にもある、ということがわかりました。
この段階で、キュルティは9割9分電気録音だろうと判断しました。

d0090784_748111.jpg最後に、Loreeさんから決定的な証拠の呈示がありました。X9747のレーベル違いですが、この写真を見ると、レーベルに"ELECTRIQUE"の文字がはっきり書いてあります。
キュルティが電気録音だというのは、もはや間違いないようです。

傍証固めにご協力いただいたHRC会長sp76rpmさんとHRCキュルティ本部長Loreeさんに、厚く感謝の意を表します。

References
[1] V. Girard and H. M. Barnes, "Vertial-cut Cylinders and Discs", British Institute of Recorded Sound (1964)
[2] http://home.earthlink.net/~marnest/discmotta.html
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by ibotarow | 2012-09-17 08:43 | ヴァイオリン_電気録音 | Comments(3)
2012年 04月 14日

縦振動MCカートリッジ

d0090784_19382840.jpg

ゴルフ院長の最新作です。 直径1mmほどの金色の短い円柱2本がそれより細い銀色の円柱で繋がれた構造で、盤面に垂直に置かれた円柱に被さるようにコイルが配されています。針の上下振動は細いロッドでコイルに伝えられます。
発電機構は最初、真ん中の銀色の円柱が磁石かと思いましたが、よく考えるとこれでは発電せず、金色の円柱が磁石で反発磁界を形成しているようです。つまり2本の磁石を同極同士向かい合わせに配置すると、磁界がまるでブラックホールの降着円盤のように薄く放射状に広がり、コイルがその円盤を上下に切るように振動すると発電する仕掛けです。

最初、なにも考えずにレコードに針を下ろしたところ、強烈なインサイドフォースで内側に流れます。もともとプレーヤ付属のバネ式?キャンセラーがあるのですが、め一杯にしても内側に流れるのです。そこで、tetrodeさんのマネをして錘式インサイドフォース・キャンセラーを付けてみました。
その結果、モーリス・ルノーのカルメン「闘牛士の歌」はすんなりかかるようになりました。
でもティボーのサンサーンス「ハバネラ」が難物で、これはSHUREも真ん中以降しかかからなかったものですが、外周の2割ほどが滑ってかかりません。これをかけるために、院長にお願いして、もっと針圧をかけられるように調整してもらうことにしました。重針圧で溝に押さえつけようというコンタンです。

しばらくして、ゴルフ医院からくだんのカートリッジが丈夫な体になって退院してきました。 回転シェルのツノもずいぶん成長して長くなったようです。 音楽人さんに「ヘラクレス・オオクワガタ・スペシャル」と命名されてしまいました。
ルノーとティボーのパテ盤をお送りして調整してもらっていたのですが、
「10~15gで2枚とも完奏しました」
とのことで、早速、うちのバチモン・アームに付けて試してみました。

インサイドフォース・キャンセラの錘をさらに増やし、針圧を調整した結果、 13gで、難物のティボーがなんとか最初からトレースできました。 錘の重量に対する最適針圧があるようで、もう少し錘を増やして針圧を増やすとさらに安定する気がしますが、とりあえず、この条件でほかのレコードも聴いてみると、 盤によってインサイドフォース発生量が違うようで、どうも難物ティボーに合わせると、ほかの盤はアウトサイドフォースで外側に流れるのが多いです。

幾何学的配置はいっしょなのに、なんでこうも違うのか、つらつら考えてみました。
そもそもなんでインサイドフォースが発生するかと言うと、針先が溝によって引っ張られる方向と、それを引き戻そうとするアームの回転軸の方向が180度、つまり逆向きで一直線ならちょうど打ち消しあうのですが、角度があると内側か外側に向く力が発生します。
では、溝によって引っ張られる力は何で生ずるのかを考えると、溝との摩擦ですね。この摩擦の程度が違うとインサイドフォースの発生量も変わるということになります。
ということで、溝がつるつるしている盤ではインサイドフォースの発生量も小さいということになるんではないかと思いますが、これで合ってますかね?

結局、難物ティボーは針圧13g、プレーヤ付属のインサイドフォース・キャンセラー最大。
この条件で外に流れる盤に対しては、まずインサイドフォース・キャンセラーをゼロ。
それでも流れる場合は、針圧を増やす。
針圧を増やすと摩擦が増えインサイドフォース発生量も増えるので、外側に流れ難くなる。
この方法で、針圧15gまでで、手持ちの全てのパテ盤をかけることができました。

全てといっても14枚しかないんですが、その内10枚がティボーです。
音色は今までのSHUREと歴然と違います。SHUREは良くも悪くもごまかしてそれらしく聴かせるのに対し、ヘラクレスはごまかしが全然ないので、傷んだレコードからは聴くに耐えない雑音を発します。
それに、録音帯域の狭さがモロに出ます。パテ盤がシリンダーからダビングされたことが丸わかりです。

でもその中から聴こえるティボーのヴァイオリンのなんと凛と響くことか・・・ピンと張りつめた細身の輝かしい音は、おそらく今まで誰も聴いたことがない世界だと思います。

ゴルフ院長、この度はたいへんお世話になりましてありがとうございました。
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by ibotarow | 2012-04-14 06:36 | 蓄音機 | Trackback | Comments(0)
2011年 10月 22日

モーリス・ルノーの新旧パテ盤

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フレンチ・バリトンのモーリス・ルノー(1862-1933)は、ヴィクター・モーレルに次いでボクの好きなバリトンです。何よりも、その思索的なところがいい。
ディスコグラフィーを、マーストンの復刻CD[1]を基にして、7面のパテをmr.hmvさんからお借りしたGirard & Barnes[2]で補完して作りました。

パテのラッパ吹き込みは、ご存知のように、マスター・シリンダーと称する、高速で回転する直径5インチの巨大シリンダーに吹き込み、それをいろんなサイズのシリンダーなりディスクに、パンタグラフと呼ばれる装置で転写して発売しています。

パテは下記の4種類のシリンダー・レコードを商品化していました。
"Courante" or Standard size records, 2¼ inches in diameter by 4 inches long.
"Inter" or "Salon" records, 3½ inches in diameter by 4 inches long.
"Stentor" or "Concert" records, 5 inches in diameter by 4 inches long.
"Le Céleste" records, 5 inches in diameter by 9 inches long.

YouTubeにCélesteシリンダーの動画があります。大きいですね。
マスター・シリンダーは、[3]所収の写真を見ると、Célesteをさらに長くした円筒であったようです。
[2]によると、そこには8曲がバンドごとに分けて録音されたそうです。

下のリストによると、ルノー・パテは1903年の録音ですが、ディスクはセンタースタート、90 rpmのエッチングラベル盤がまず発売されました。
後に1910年代半ばになって、リムスタート、80 rpmの紙ラベル盤が発売されました。

元の音源は同じですが、転写時期によって、どれくらい音に違いがあるのか気になるところです。
それで、カルメンのAir du toréador「闘牛士の歌」で、エッチングラベル盤と紙ラベル盤を比べてみました。

普通に考えると、古い転写の方が、マスターシリンダーが摩滅していないでしょうから、鮮明な音が得られるだろうと思ったのですが、エッチングラベル盤のほうが低音部はしっかりしているものの 、紙ラベル盤の方が、ワイドレンジで、つやのある音です。
裏面のファウストの劫罰からVoici des roses「こよい花ひらく」も同様でした。

10年間のパンタグラフ技術改良の成果でしょうか?あるいは単に転写技術者の腕の差でしょうか?
いずれにしても、マスター・シリンダーのもつクオリティの高さが窺えます。
マスター・シリンダーから直接再生できたら、素晴らしい復刻CDができると思うのですが、残っていないのでしょうか?

マーストンのパテ・オペラシリーズの復刻では、当時は品質管理の考え方がなかったため、スタンパーによって転写の出来に差があるので、複数のセットを用意し、最良の結果が得られる盤を選んで復刻したと書いています。
マスターシリンダーがあればこのような苦労をしなくてすんだのでしょうが、 マーストンの力をもってしても探し出せなかったのですから、やはり残っていないようですね。



            Maurice Renaud Discography

Black label G&T (Converted to Red label in 1902)
1901, Paris (with piano accompaniment)
[711G] 32076 LA FAVORITE: Léonor, viens (Donizetti)
[712G] 32077 LA DAMNATION DE FAUST: Voici des roses (Berlioz)
[713G] 32078 TANNHÄUSER: Jadis quand tu luttas {Als du im kühnen Sange} (Wagner)
[714G] 32079GUILLAUME TELL: Sois immobile (Rossini)
[715G] 32080Le Rondel de l'adieu (De Lara)
[716G] 32081 LE ROI DE LAHORE: Promesse de mon avenir (Massenet)
[717G] 32082 Le Soir ("Doux reflet d'un globe de flamme") (Gounod)
[718G] 32083 LA FAVORITE: Pour tant d'amour (Donizetti)
[719G] 32084 HAMLET: Je n'ai rien oublié...Comme une pâle fleur (Thomas)

Red label G&T
1902, London (with piano accompaniment)
[2111FG] 2-2705 CARMEN: Votre toast je peux vous le rendre (Bizet)
[2112FG] 2-2713 LA DAMNATION DE FAUST: Maintenant, chantons à cette belle...Devant le maison (Berlioz)
[2113FG] 2-2702 TANNHÄUSER: O douce étoile {O du mein holder Abendstern} (Wagner)
[2114nB] 2-2703 Le Chemin du ciel ("Dans la nuit aux sombres voiles") (Holmès)
[2116FG] 2-2704 Noël païen (Massenet)

Pathé Cylinders & Discs
1903, Paris (with piano accompaniment)
[3381] 0037 CARMEN: Air du toréador (Bizet)
[3382] 0189 LE ROI DE LAHORE: Promesse de mon avenir (Massenet) 0475
[3383] 0037 LA DAMNATION DE FAUST: Voici des roses (Berlioz) 0475
[3384] 0038 Le Soir (Gounod)
[3385] 0038 LA FAVORITE: Viens Léonore (Donizatti)
[3386]    SIGURD: Et toi, Fréïa (Reyer) CR
[3387] 0189 TANNHÄUSER: Romance de l'étoile (Wagner)

Red label G&T
1906, Paris (with orchestra accompaniment)
[5715p] 032039 DER FLIEGENDE HOLLÄNDER: Du temps passé {Die Frist ist um} (Wagner)
[5716o] 3-32669 Le Rondel de l'adieu (De Lara)
[5717o] 3-32673 Le Chemin du ciel ("A l'heure où la brise tremble") (Holmès)
[5718p] 032040 L'AFRICAINE: Fille des rois (Meyerbeer)
[5727o] 3-32670 LA DAMNATION DE FAUST: Vrai dieu, Messieurs...Une puce gentille (Berlioz)
[5728p] 032041 LA DAMNATION DE FAUST: Voici des roses (Berlioz)
[5729p] 032042 LA FAVORITE: Pour tant d'amour (Donizetti)
[5730o] 3-32674 HAMLET: Comme une pâle fleur (Thomas)
[5731o] 3-32671 GUILLAUME TELL: Sois immobile (Rossini)
[5735o] 3-32675 TANNHÄUSER: O douce étoile {O du mein holder Abendstern} (Wagner) 91067
[5736p] 032043 LA FAVORITE: Léonor, viens (Donizetti)
[5778p] 032044 CARMEN: Votre toast je peux vous le rendre (Bizet)
[5779p] 032045 LE ROI DE LAHORE: Promesse de mon avenir (Massenet)
[5780o] 3-32672 Le Soir ("Le Soir ramène la silence") (Gounod)
[5786o] 3-32676 Noël païen (Massenet)
[5801p] 032046 Plaisir d'amour (Martini)
[5802p] 032047 HÉRODIADE: Vision fugitive (Massenet)
[6113p] 032051 DON GIOVANNI: Parais à ta fenêtre & Tu ch'hai la bocca dolce (Mozart)
[6116o] 3-32681 LA DAMNATION DE FAUST: Maintenant, chantons à cette belle...Devant le maison (Berlioz)

Black label Gramophone
1908, Paris (with orchestra accompaniment, conducted by Alfred Fock)
[863i] 032091 HÉRODIADE: Vision fugitive (Massenet)
[864i] 032092 LA FAVORITE: Pour tant d'amour (Donizetti)
[865i] 032093 TANNHÄUSER: O douce étoile {O du mein holder Abendstern} (Wagner)
[870i] 032094 LA DAMNATION DE FAUST: Voici des roses (Berlioz)
[871i] 032095 LA FAVORITE: Léonor, viens (Donizetti)
[872i] 032096 HAMLET: Comme une pâle fleur (Thomas)
[873i] 032099 GUILLAUME TELL: Sois immobile (Rossini)
[874i] 032098 LE ROI DE LAHORE: Promesse de mon avenir (Massenet)
[875i] 032092X LA FAVORITE: Pour tant d'amour (Donizetti)
[876i] 032100 LA DAMNATION DE FAUST: Devant la maison (Berlioz)
[877i] 032097 DON GIOVANNI: Parais à ta fenêtre & Tu ch'hai la bocca dolce (Mozart)
[878i] 032091X HÉRODIADE: Vision fugitive (Massenet)

References
[1] Maurice Renaud: The Complete Gramophone Recordings 1901-1908, Marston
[2] V. Girard and H. M. Barnes, "Vertial-cut Cylinders and Discs", British Institute of Recorded Sound (1964)
[3] 加藤玄生, "蓄音機の時代", (ショパン, 東京, 2006)
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by ibotarow | 2011-10-22 09:10 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(11)
2010年 05月 22日

ティボーのメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

d0090784_644363.jpg

はたして標記のレコードは全曲録音されたのであろうか?
何べんもあげているパテのディスコグラフィーの当該部分を再掲すると、

5583 ?
5584 Andante from Violin Concert in E minor (Mendelssohn) 9526 20344 
5585 do                                        9526 20344
5586 Finale from Violin Concert in E minor (Mendelssohn) 20345

第2楽章はフランス・プレス9526と、イギリス・プレス20344の2種類が、第3楽章はイギリス・プレス20345のみが発売されている。(なお、20345のもう片面にはVieuxtempsのRegretsが入っている。)
その前のマトリクス番号5583は空番になっていて、第1楽章はここに吹き込まれたのではないだろうか、という説が以前からあるが、そもそも第1楽章は片面に入るほどに短縮できるものであろうか、という疑問が付いて回る。

それはともかく、このたび第2楽章アンダンテを入手した。鶏マーク付き緑レーベルのフランス盤である。
レキシントンから出た復刻CD[1,2]には、黒レーベルと緑レーベルの2種類のアンダンテが収録されている。
演奏時間は黒レーベル7’41”、緑レーベル6’56”で大幅に違う。これはオーケストラの序奏部があるかないかの違いもあるが、それを差し引いてもなお10秒余り違う。つまり別テイクの演奏のようだ。(・・・・)

このレコードにはマトリクス番号の後ろに、
5584には⑤と、同じく24をマルで囲んだ二つの記号がある。これらは、おそらくマスターシリンダーからの転写時の情報ではないかと思うが、皆目見当がつかない。
5585にはBがある。これは、2面続きの2枚目を示す記号かもしれない。

また鏡像文字は、
5584は21-4-21
5585は16-9-20
であった。1920年と21年のプレスである。
なお、拙い経験から言えば、黒レーベルは1910年代、鶏マークの緑レーベルは1920年代初め、Patheロゴの緑レーベルは1920年代後半である。

さて聴いてみた。トレースは安定している。ヴァイオリンの音も復刻CDより鮮明にオーケストラから浮かび上がる。
しかしながら、同時代の横振動レコードに比べると貧弱な感は否めない。
また今回わかったことは、片面分ずつ録音されている、つまりマスターシリンダーに通しで録音して、それを2つに分割してディスクに転写したのではないということである。
ちなみに、この曲の最初の全曲録音は、ホアン・マネンによる1916年のHMV盤である。
残念ながらこれは復刻されていないので、クライスラー/ブレッヒを比較のために聴いてみたが、クライスラーの方がスピード感があって颯爽としている。
世間の常識としては逆のイメージであるが、ティボーは1916年で、クライスラーは1926年、第1次世界大戦が終わって、世の中は変わり、演奏スタイルも変わったようだ。
ティボーは演奏時間ではクライスラーより短いくらいであるが、ずいぶんゆったりとした印象である。
まるで当時は時間がゆっくりと流れていたかのように、ティボーのヴァイオリンは、練糸を想わせるが如く、細くねっとりとしなやかに奏でられる。
これが後年のHMVではついぞ聴くことのできない、ティボー・パテの魅力である。

References
[1] Early Days of Jacques Thibaud Fonotipia & Pathe I, LEXINGTON LEXC 1019 (1995)
[2] Early Days of Jacques Thibaud Pathe II, LEXINGTON LEXC 1021 (1995)
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by ibotarow | 2010-05-22 07:30 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2010年 05月 01日

スレザークの1904年Pathé

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先のScala Ideal盤と同時に到着しました。パテ・エッチングレーベル盤です。
パテの吹き込みを調べてみると、1904年にウィーンで8タイトル、1912年にベルリンで12タイトル吹き込んでいます[1]。

Pathé
ca 1 Sept. 1904, Wien

19050 Huguenots: Qui sotto il ciel
19051 Wm. Tell: Ah Mathilde
19052 Lohengrin: Fragmente (unid)
19053 Manon: Ah fuyez
38100 Trovatore: Di quella pira
38101 Rigoretto: La donna è mobile
38102 Juive: Rachel, quand du S.
38103 Meistersinger: Preislied

Sept./Oct. 1912, Berlin
55900 Prohète: Roi du ciel 80056
55901 Aida: Celeste Aida 80056
55902 Juive: Rachel, quand du S. 60061
55903 Huguenots: Plus blanche 60061
55904 Africaine: O Paradis
55905 Meistersinger: Preislied 80057
55906 Tanhäuser: Dir töne Lob 80057
55907 Bohème: Che gelida mania
55908 Tanhäuser: Zum Heil Sundigen 80067
55909 Lohengrin: Mein lieber Schwan 63001
55910 Meistersinger: Am stillen Herd 80057
55911 Lohengrin: Gralserzählung 63001

復刻CDは、1904年は[2]、1912年は[3]に収録されていましたが、現在いずれもディスコンです。

今回入手したのは、38100 Di quella piraと38101 La donna è mobileの両面盤です。
鏡像文字は、38100が 8/10、38101が11/11のように見えます。だいぶ後年のプレスのようです。

早速、かけてみました。
カートリッジを縦振動用に替え、いつものように針を乗せましたが、音が出ません。
接触が悪いのかと、カートリッジを抜き差ししましたが、やはり出ません。
ここでやっと、センタースタートだと気づきました(笑)。

気を取り直して聴いてみました。
トレースは安定しています。音は通常のレコードより、スペクトルが高域よりで甲高い声ですが、スレザークの輝かしい高音がさらに強調され、これはこれで悪くありません。
マスターシリンダーからパンタグラフで転写するときに、低域成分が消えるのでしょうか?

ちなみに、マスターシリンダーは長時間(20分?)録音できたので、1本のマスターシリンダーに複数の演奏を入れたり、削って新しく録音したりと、LP時代のマスターテープと同様の使い方をしていたという話を、何かで読んだのですが、出典は思い出せません。20分という数字も?です。

1904年の吹き込みはいずれも2分前後で、2分シリンダーを想定した録音ですね。ディスクは28cmです。
1912年の吹き込みは4分近いものがあるので、3.5インチ径のサロン・サイズのシリンダーで発売されました。ディスクは35cmです。

復刻CDで、1904年と1912年の吹き込みと比較してみると、前者はピアノ伴奏、後者はオーケストラ伴奏ですが、声の録音クオリティは大差ありません。
どちらも低音のない甲高い声で、どちらが古くてどちらか新しいか区別できません。
歌い方は1912年の方がゆったりしています。
1904年の方は2分という制約のせいか、テンポは変わりませんが、フェルマータの伸ばし方が短いような気がします(笑)。

References
[1] Thomas G. Kaufman, LEO SLEZAK discography, The Record Collector, Vol.15, Nos.9-10 (1964) 208-226.
[2] Leo Slezak 1: Gramophone/Zonophone/Pathé, Truesound Transfers TT-2405 (2004)
[3] Leo Slezak 10: Gramophone/Pathé, Truesound Transfers TT-2414 (2005)
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by ibotarow | 2010-05-01 07:34 | 男声_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)