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2018年 02月 25日

クライスラーG&T

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もう老い先短い身であるし、SPレコードを新しく入手するのはやめようと思っていたのですが、クライスラーG&Tのプレリュードが出ているのを目にし、どうせダメだからと安い値を付けておいたら、思いもかけず落札してしまいました。
はからずも4枚が揃い、数十年前に4枚揃いを達成されたボストンの大先達の後塵をやっと拝することができました。
これで最後にしようと思います。

この機会に、クライスラーG&Tの回転数を調べてみることにしました。
調べると言っても、復刻CDと合わせるだけのお手軽&手抜き調査ですが。どうせ、当時の基準ピッチがわからない以上、正解はありません。
比較したのは、Biddulphの復刻CD [1]です。
結果は、

47944 [2084X] Chanson sans paroles (Tschaikowsky) : 75.2 rpm 
47945 [2085X] Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert): 75.0 rpm 
47946 [2086X] Prelude in E (Bach): 75.5 rpm
47947 [2087X] Air on the G string (Bach): 78.4 rpm 

となりました。
マトリクス番号が連続していることから考えて、同じ時に録音されたと思われますが、回転数は全くバラバラでした。
特に「G線上のアリア」は他の3枚とかけ離れた値です。

他の復刻CDではどうだろうかと探してみると、Testament [2]に「G線上のアリア」がありました。
結果は、上とあまり大差のない、
78.0 rpm
となりました。

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この演奏の基準ピッチはどのくらいだろうと、楽譜 [3]に赤丸で示した6小節目の2分音符Gの周波数を調べてみると、下図に示すように、
396 Hz
でした。

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これはG線の開放弦でしょうから、オクターブ下の200 Hz付近の小さなピークがファンダメンタル成分だと思われますが、当時の録音システムでは入らず、倍音のみが現れているのでしょう。

GとAの周波数比は1:1.12246だから、Aは、
396 * 1.12246 = 444.5 Hz
となります。

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念のため、「プレリュード 75.5 rpm」の楽譜 [4]に赤丸で示す16分音符G#を調べてみると、下図に示すように、
416 Hz
でした。

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G#とAの周波数比は1:1.05946だから、Aは、
416 * 1.059 = 440.5 Hz
となります。

このことから、「G線上のアリア」の78 rpmは、そんなに的外れの値でもありません。
もし、A=440 Hzに合わせるなら、
78 * 440 / 444.5 = 77.2 rpm
で再生すれば良いことになります。

下記の回転数で再生したMP3音源をそれぞれのページにアップしました。
カートリッジはDL-102SD、イコライザはフラットです。
いずれも写真をクリックすると音が出るはずです。

Chanson sans paroles (Tschaikowsky) : 75.2 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3741587/
Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert): 75.0 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3740600/
Prelude in E (Bach): 75.5 rpm このページ
Air on the G string (Bach): 77.2 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3741169/

References
[1] The complete acoustic HMV recordings, BIDDULPH LAB 009-10 (1989)
[2] The Great Violinists - Recordings From 1900-1913, TESTAMENT SBT21323 (2003)
[3] https://violinsheetmusic.org/files/download/classical/bach-wilhelmj-air-for-the-g-string-violin.pdf
[4] https://violinsheetmusic.org/files/download/classical/bach-prelude.pdf




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# by ibotarow | 2018-02-25 08:07 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)