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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2010年 05月 01日

スレザークの1904年Pathé

スレザークの1904年Pathé_d0090784_710511.jpg

先のScala Ideal盤と同時に到着しました。パテ・エッチングレーベル盤です。
パテの吹き込みを調べてみると、1904年にウィーンで8タイトル、1912年にベルリンで12タイトル吹き込んでいます[1]。

Pathé
ca 1 Sept. 1904, Wien

19050 Huguenots: Qui sotto il ciel
19051 Wm. Tell: Ah Mathilde
19052 Lohengrin: Fragmente (unid)
19053 Manon: Ah fuyez
38100 Trovatore: Di quella pira
38101 Rigoretto: La donna è mobile
38102 Juive: Rachel, quand du S.
38103 Meistersinger: Preislied

Sept./Oct. 1912, Berlin
55900 Prohète: Roi du ciel 80056
55901 Aida: Celeste Aida 80056
55902 Juive: Rachel, quand du S. 60061
55903 Huguenots: Plus blanche 60061
55904 Africaine: O Paradis
55905 Meistersinger: Preislied 80057
55906 Tanhäuser: Dir töne Lob 80057
55907 Bohème: Che gelida mania
55908 Tanhäuser: Zum Heil Sundigen 80067
55909 Lohengrin: Mein lieber Schwan 63001
55910 Meistersinger: Am stillen Herd 80057
55911 Lohengrin: Gralserzählung 63001

復刻CDは、1904年は[2]、1912年は[3]に収録されていましたが、現在いずれもディスコンです。

今回入手したのは、38100 Di quella piraと38101 La donna è mobileの両面盤です。
鏡像文字は、38100が 8/10、38101が11/11のように見えます。だいぶ後年のプレスのようです。

早速、かけてみました。
カートリッジを縦振動用に替え、いつものように針を乗せましたが、音が出ません。
接触が悪いのかと、カートリッジを抜き差ししましたが、やはり出ません。
ここでやっと、センタースタートだと気づきました(笑)。

気を取り直して聴いてみました。
トレースは安定しています。音は通常のレコードより、スペクトルが高域よりで甲高い声ですが、スレザークの輝かしい高音がさらに強調され、これはこれで悪くありません。
マスターシリンダーからパンタグラフで転写するときに、低域成分が消えるのでしょうか?

ちなみに、マスターシリンダーは長時間(20分?)録音できたので、1本のマスターシリンダーに複数の演奏を入れたり、削って新しく録音したりと、LP時代のマスターテープと同様の使い方をしていたという話を、何かで読んだのですが、出典は思い出せません。20分という数字も?です。

1904年の吹き込みはいずれも2分前後で、2分シリンダーを想定した録音ですね。ディスクは28cmです。
1912年の吹き込みは4分近いものがあるので、3.5インチ径のサロン・サイズのシリンダーで発売されました。ディスクは35cmです。

復刻CDで、1904年と1912年の吹き込みと比較してみると、前者はピアノ伴奏、後者はオーケストラ伴奏ですが、声の録音クオリティは大差ありません。
どちらも低音のない甲高い声で、どちらが古くてどちらか新しいか区別できません。
歌い方は1912年の方がゆったりしています。
1904年の方は2分という制約のせいか、テンポは変わりませんが、フェルマータの伸ばし方が短いような気がします(笑)。

References
[1] Thomas G. Kaufman, LEO SLEZAK discography, The Record Collector, Vol.15, Nos.9-10 (1964) 208-226.
[2] Leo Slezak 1: Gramophone/Zonophone/Pathé, Truesound Transfers TT-2405 (2004)
[3] Leo Slezak 10: Gramophone/Pathé, Truesound Transfers TT-2414 (2005)

by ibotarow | 2010-05-01 07:34 | 男声_ラッパ吹き込み | Comments(0)


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