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2010年 05月 22日
![]() はたして標記のレコードは全曲録音されたのであろうか? 何べんもあげているパテのディスコグラフィーの当該部分を再掲すると、 5583 ? 5584 Andante from Violin Concert in E minor (Mendelssohn) 9526 20344 5585 do 9526 20344 5586 Finale from Violin Concert in E minor (Mendelssohn) 20345 第2楽章はフランス・プレス9526と、イギリス・プレス20344の2種類が、第3楽章はイギリス・プレス20345のみが発売されている。(なお、20345のもう片面にはVieuxtempsのRegretsが入っている。) その前のマトリクス番号5583は空番になっていて、第1楽章はここに吹き込まれたのではないだろうか、という説が以前からあるが、そもそも第1楽章は片面に入るほどに短縮できるものであろうか、という疑問が付いて回る。 それはともかく、このたび第2楽章アンダンテを入手した。鶏マーク付き緑レーベルのフランス盤である。 レキシントンから出た復刻CD[1,2]には、黒レーベルと緑レーベルの2種類のアンダンテが収録されている。 演奏時間は黒レーベル7’41”、緑レーベル6’56”で大幅に違う。これはオーケストラの序奏部があるかないかの違いもあるが、それを差し引いてもなお10秒余り違う。つまり別テイクの演奏のようだ。(・・・・) このレコードにはマトリクス番号の後ろに、 5584には⑤と、同じく24をマルで囲んだ二つの記号がある。これらは、おそらくマスターシリンダーからの転写時の情報ではないかと思うが、皆目見当がつかない。 5585にはBがある。これは、2面続きの2枚目を示す記号かもしれない。 また鏡像文字は、 5584は21-4-21 5585は16-9-20 であった。1920年と21年のプレスである。 なお、拙い経験から言えば、黒レーベルは1910年代、鶏マークの緑レーベルは1920年代初め、Patheロゴの緑レーベルは1920年代後半である。 さて聴いてみた。トレースは安定している。ヴァイオリンの音も復刻CDより鮮明にオーケストラから浮かび上がる。 しかしながら、同時代の横振動レコードに比べると貧弱な感は否めない。 また今回わかったことは、片面分ずつ録音されている、つまりマスターシリンダーに通しで録音して、それを2つに分割してディスクに転写したのではないということである。 ちなみに、この曲の最初の全曲録音は、ホアン・マネンによる1916年のHMV盤である。 残念ながらこれは復刻されていないので、クライスラー/ブレッヒを比較のために聴いてみたが、クライスラーの方がスピード感があって颯爽としている。 世間の常識としては逆のイメージであるが、ティボーは1916年で、クライスラーは1926年、第1次世界大戦が終わって、世の中は変わり、演奏スタイルも変わったようだ。 ティボーは演奏時間ではクライスラーより短いくらいであるが、ずいぶんゆったりとした印象である。 まるで当時は時間がゆっくりと流れていたかのように、ティボーのヴァイオリンは、練糸を想わせるが如く、細くねっとりとしなやかに奏でられる。 これが後年のHMVではついぞ聴くことのできない、ティボー・パテの魅力である。 References [1] Early Days of Jacques Thibaud Fonotipia & Pathe I, LEXINGTON LEXC 1019 (1995) [2] Early Days of Jacques Thibaud Pathe II, LEXINGTON LEXC 1021 (1995)
by ibotarow
| 2010-05-22 07:30
| ヴァイオリン_ラッパ吹き込み
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