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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2010年 06月 05日

パブロ・カザルスのコル・ニドライ

パブロ・カザルスのコル・ニドライ_d0090784_9144432.jpg

シェルマンの復刻CD「パブロ・カザルス初期録音集」の話をミクシーに書いた後、ボストンのたかたさんから、そのCDに未収録の盤13面をCDRに焼いてあげよう、というまことに有難いお話をいただきました。
しばらくして到着したCDRは、上の復刻CDとは打って変って、スクラッチノイズも盛大に出ますが、楽音は鮮明で生き生きとしています。
レーベルのスキャン画像も付けてくださいました。
たかたさん、貴重なCDRをお恵みいただき、大変ありがとうございました。

またラッパ吹き込みのディスコグラフィー[1]もコピーしていただきました。でもマトリクス番号が載っていません。
シェルマンのCDと上のスキャン画像に収録されている分はわかりますし、credenzaさんに、NAXOSからアコースティック録音のコンプリート復刻CD[2-4]が出ていると教えていただいたので、NAXOSのサイトからデータを抜き出して、ディスコグラフィーを作り始めました。
でも、わかっている部分の前後から何とか補完できるところもありますが、歯抜けです。

それで、どうしても完全版のディスコグラフィーを作りたくなり、この際、データシートを見るために、このCDも購入することにしました。
録音日とマトリクス番号の並びに若干の矛盾があるところを、想像で修正したのが以下のリストです。
ですから、あまり信用しないでください。

これを見ると第1次世界大戦をはさんで、1915-16年の第1期と、1920-24年の第2期に分けることができるのがわかります。
第1期はオーケストラの伴奏が多く、第2期はピアノ伴奏が多いですが、カザルスは、第1期の12曲を、第2期に再録音してます。曲名にうしろに番号をつけたのがそれです。
同じ曲を聴き比べると、第1期のスクエアな初々しさも捨てがたい魅力がありますが、第2期の方が、録音に慣れたのか、表現の幅が大きいような気がします。

写真は30数年前に、品川さんのJapan Audio Collectionで大枚をはたいて入手した、ブルッフのコル・ニドライ2回目の録音です。
このレコードは、昔の女学校で、修身の時間にかけられていたと何かで読みました。最初は暗いメロディーで始まりますが、中盤以降は官能的といってもいい演奏で、果たしてこれを聴いた乙女たちは敬虔な気持ちになれたのでしょうか?

それはともかく、NAXOSの音は、シェルマンの竹針再生よりは鮮明ですが、スクラッチノイズがほぼ完全に消されており、耳障りでない音に仕上げられています。
これだけ聴いていれば、たいして不満はないのですが、たかたさんの復刻と比べるとピンボケと言わざるを得ません。
高音をカットすればスクラッチノイズは減りますが、演奏の香気のようなものも消えるようです。
やはりSPレコードの復刻は、カートリッジで電気再生した信号を何も手を加えず、そのまま記録しただけというのが、ボクにとっては一番ありがたいです。

なお、NAXOSの復刻はMarstonの手になるもので、解説によると、この頃の米コロムビア盤はノイズレベルが大きいので、スタイラス径もいろいろ試し、よりノイズの少ない南米プレスや、英国プレスのレコードも用い、最後に、CEDARによるノイズ・リダクションが施されています。
また、再生スピードに関しては、必ずしも80rpm一律ではなく、彼の絶対音感に基づき、盤ごとに入念な調整がなされていることを付記します。







Pablo Casals, Acoustic Recordings
                                            ○: shellman
                                            □: takata

15 January 1915 (Studio Orchestra)
37129 A5679 Salut d'amour (Elgar) 1 ○
37130 A5649 Ombra mai fu (Largo) (Handel) 1
37131 A5649 Melody in F major(Rubinstein) 1 □
37132 A5654 Concerto in D minor: Adagio (Tartini) ○
18 January 1915 (Studio Orchestra)
37133 A5722 Kol Nidrei (Bruch) 1 ○
37144 A5722 do
24 January 1915 (Baker, Charles Albert, piano )
37149 A5650 Spanish Serenade (Popper)
37150 A5650 Le Cygne (Saint-Saens) 1 ○
27 January 1915 (Baker, Charles Albert, piano )
37151 A5654 Romance (Campagnoli) □
March 1915 (Baker, Charles Albert, piano)
37210 A6020 Apres un reve (Faure) ○
14 April 1915 (Studio orchestra)
37252 A5679 Traumerei (Schumann) 1 ○
23 April 1915 (Baker, Charles Albert, piano)
37256 A5697 Mazurka (Popper) □
37257 A5782 Suite No. 3 in C major: Prelude (Bach) ○
37258 A5697 Suite No. 3 in C major: Bouree (Bach) ○
37259 A5782 Suite No. 3 in C major: Sarabande (Bach) ○
5 May 1915 (Studio orchestra)
37262 A5756 Liebestraume (Liszt) 1  7142 ○
37263 A5756 Air, "Air on a G String" (Bach) 1 ○
14 April 1916 (Baker, Charles Albert, piano)
48695 A5821 Minuet (Haydn) □
48696 A5847 Spanish Dances, Andaluza (Granados arr. P. Casals) ○□
15 April 1916 (Studio orchestra)
48697 A5875 Suite No. 3 in C major: Gigue (Bach) ○
48698 A5875 Cello Concerto No. 2: Adagio (Haydn) 1
48699 A5847 Cello Concerto: Cantilena (Goltermann) □
19 April 1916 (Baker, Charles Albert, piano)
48709 A6020 Song without Words: Spring Song (Mendelssohn) 1 ○
48710 68025D Cello Sonata: Allegro (Boccherini)
21 April 1916 (Studio orchestra)
48716 A5953 Tannhauser: O du, mein holder Abendstern (Wagner) 1
48717 A5907 Abendlied (Schumann) 1
48718-1 7153 Clarinet Quintet: II. Larghetto (Mozart)
22 April 1916 (Baker, Charles Albert, piano)
48718-2 A5953 Clarinet Quintet: II. Larghetto (Mozart)
48719 A5907 Chanson Louis XIII and Pavane in the Style of Dittersdorf (Kreisler)
48721 A5821 Allegro appassionato(Saint-Saens) □

21 April 1920 (Golde, Walter, piano )
49795 68023D Traumerei (Schumann) 2
22- April 1920 (Golde, Walter, piano )
49796 68027D Le Cygne (Saint-Saens) 2
23 April 1920 (Studio orchestra)
49801 68024D Abendlied (Schumann) 2 □
49802 68061D Ombra mai fu (Largo) (Handel) 2 ○
24 April 1920 (Golde, Walter, piano)
49804 68026D Melody in F major (Rubinstein arr. D. Popper) 2
28 April 1920 (Golde, Walter, piano)
49812 68023D Liebestraume (Liszt) 2
29 April 1920 (Studio orchestra)
49813 68027D Tannhauser: O du, mein holder Abendstern (Wagner) 2 □
49814 68026D Air, "Air on a G String" (Bach) 2
79147 33032D Thine Eyes So Blue (Lassen) □
30 April 1920
49820 68024D Nocturne in E flat (Chopin arr. Popper) □
1 May 1920
79154 33008D Kathleen Mavourneen (Crouch) □
79155 33008D Believe me if all those endearing young charms (Moore)
16 March 1922
80158 33031D Salut d'amour (Elgar) 2
17 March 1922
80159 33032D Would God I were the tender apple blossom (Hinkson) □
98012 68025D Gavotte in D (Popper)
30 January 1923
80815 33031D Romance in E flat (Rubinstein)
80817 33030D To a Wild Rose (Macdowell)
31 January 1923
80820 2036M Serenata Napoletana (Sgambati)
30 March 1923
80816 2037M Oh, dry those tears (Del Riego)
3 April 1923
80923 33030D Mélodie arabe (Grazunov)
98068 68019D Kol Nidrei (Bruch) 2 7369
98069 68019D do
2 February 1924
81526 33048D Serenade (from Songs Without Words) (Mendelssohn) 2
98117 68061D Adagio from Concerto No. 2 (Haydn) 2
98118 68089D Sapphische Ode (Brahms)
16 February 1924
81571 33048D Mélodie (Tchaikovsky)
81572 2036M Minuet (Handel)
98122 68089D Autumn Song (from The Seasons) (Tchaikovsky) ○
18 February 1924
81573 2037M Berceuse (Cui)

Victor Talking Machine Company, Camden, NJ
21 February 1925
C31977 6501 Adagio (from Adagio and Fugue) (Bach arr. Siloti)
C31978 6501 Intermezzo from Goyescas (Granados arr. Cassadó)

References
[1] Julian Morton Moses, "Collector's Guide to American Recordings, 1895 - 1925", (American Record Collectors' Exchange, New York, 1949)
[2] CASALS, Pablo: Encores and Transcriptions, Vol. 3: Complete Acoustic Recordings, Part 1 (1915-1916), Naxos Historical 8.110985 (2004)
[3] CASALS, Pablo: Encores and Transcriptions, Vol. 4: Complete Acoustic Recordings, Part 2 (1916-1920), Naxos Historical 8.110986 (2005)
[4] CASALS, Pablo: Encores and Transcriptions, Vol. 5: Complete Acoustic Recordings, Part 3 (1920-1924), Naxos Historical 8.110987 (2007)

by ibotarow | 2010-06-05 09:29 | チェロ | Comments(8)
Commented by ソフィアザール at 2010-06-05 10:06 x
ご紹介ありがとうございます

カザルスの若かりし頃の演奏はさぞ、みずみずしい輝きに満ちている事でしょうね
デジタル録音でもなにも手を加えない録音でも演奏に聴きいる事が出来る演奏家は格別です
その意味での良い録音は少ないですね

Commented by ibotarow at 2010-06-05 13:50
ソフィアザールさん、

そうです、みずみずしい輝きに満ちています(手抜き、笑)。
NAXOSの3枚は、買っても損はしません。
Commented by アノニマ at 2010-06-06 07:46 x
カザルスはアコースティック時代に Kol Nidrei を2回録音していたんですね。知りませんでした。ということは、私の持っているRCA-Victor盤は3回目の録音ということですね。

ところで、アコースティック時代のコロンビアは確かにノイズが大きいですが、でも、ノイズリダクション無しの復刻の方が音の鮮度が良いですよね。同感です。
Commented by ibotarow at 2010-06-06 08:06
アノニマさん、

CEDARの使用はNAXOSの方針ですかね。
マーストンの自レーベルではあそこまでスベスベにしてないです。
Commented by credenza at 2010-06-07 01:38
確かにNAXOSの音聴いていると「すべすべ」ですね。聴きやすいといえば聴きやすいですが。

そうそう、この盤もっています。例によって2ユーロほどで買ったはずです・・・。修身の時間にかけていたとは知りませんでした。あ、修身の時間なんてそもそも知りませんが(笑)
Commented by ibotarow at 2010-06-07 07:38
credenzaさん、

NAXOS盤のご紹介ありがとうございました。
おかげさまでディスコグラフィーができました。

例によって2ユーロとは!
ボクがいくらで買ったとはとても言えません(笑)。
Commented by ポンちゃん at 2014-03-01 20:00 x
以前にブログにご訪問いただいたポンちゃんと申します。こちらでははじめまして!
さて、今回私のブログでカザルスのアコースティック録音を取り上げました。その際にこちらの記事のデータを参考とさせていただきました。素晴らしいデータを紹介していただき、ありがとうございました!
カザルスのアコースティック録音は、私もいろいろと集めたいと思っているところです。
Commented by ibotarow at 2014-03-02 07:49
ポンちゃんさん、

コメントありがとうございます。お役に立ったようでご同慶のいたりです。
ボクもいずれはポンちゃんさんのように、レコードの音源を載せたいと思っているのですが、なかなか実現できずにいます。またやり方を教えてください。


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