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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2011年 06月 11日

ジョコンダ・デ・ヴィートのシャコンヌ

ジョコンダ・デ・ヴィートのシャコンヌ_d0090784_701717.jpg

今はあまり見かけないが、何年か前までHMV(タワーレコードだったかもしれない)に行くと、よく手書きのCDキャッチコピーのカードが置かれていて、購入意欲をそそられたものであった。
2,3思い出すままに書いてみると、
・ソビエト連邦が国家威信をかけて英才教育を・・・マキシム・ヴェンゲーロフ
・ほとんど全員クレメル・・・クレメラータ・バルティカ
そして、
・ヴァイオリンのベルカント・・・ジョコンダ・デ・ヴィート
なるほど、うまいことを言うと感心した。

昔、東芝からメンデルスゾーンの協奏曲とバッハのシャコンヌを裏表に入れたGR盤[1]]出ていて、愛聴盤であった。
そのとき、シャコンヌの方が音が硬いという感じがしたが、復刻CD[2]の解説には金属原盤から復刻したと明記してあるので、おそらく復刻LPもそうであろう。

30年以上たって、やっとオリジナルSP盤を入手したが、ベルカントの名にふさわしく、美しく伸びやかに歌っている。
とくにダブルストップが何とも心地良い。
もっともベルカントであるので、美しいけれども、精神的深みはない。
いや本当はあるのかもしれないけれど、見目麗しさを享受するのに忙しいボクには見えてこない。
最近出た、1957年の演奏[3]もライブならではの昂揚を感ずるが、本質は同様である。

以下に、クライトンから78回転らしきマトリクス・データを抜き出し、[2]から録音年月日を付与したリストを示す。
0EA, 2EAで始まるマトリクスは、以前示した表によると ロンドン録音であることを表す。


Gioconda De Vito 78 rpm Recordings for EMI

16 September 1947, London
[2EA 12283-3, 12284-1, 12285/6-2] DB6632/3 Partita No.2 in d BWV1004 (Bach): Chaconne

22 February 1948, London
[0EA 13621/2-1] DA1945
Cantata: Piangete, obimé, piangete (Carissimi) w. G. Gatti (s), M. Silver (hpsi) & str. qt.

8, 29 May 1948, London
[2EA 13030-2, 13031-3] DB6727
Romance No.2 in F Op.50 (Beethoven) w. Philharmonica Orch.- Erede

14, 29 May 1948, London
[2EA 13049/2-2, 13084-1] DB6936/7
Chaconne in g vln & c - arr. vln, orch. & org Respighi (Vitali)
w. H. Dawson org and Philharmonica Orch. - Erde

17, 18 February 1949, London
[2EA 13608/9-1, 13616-2, 13610/12-1] DB6884/6, DB9370/2
Concerto No.2 in E BWV1042 (Bach) w. London Chamber Orch.- Bernard

3, 4 May 1949, London
[2EA 13808/9-1, 13810-2A, 13811-1A, 13812-1, 13813-2] DB9570/2, DB21177/9
Concerto No.3 in G K.216 (Mozart) w. Royal Philharmonic Orch. - Beecham

14 February, 5 May 1950, London
[2EA 14460-4] DB21063 Partita No.2 in d BWV1004 (Bach): Courante
[2EA 14477-1C] DB21063 Partita No.2 in d BWV1004 (Bach): Sarabande
[2EA 14478-1] DB21300 Partita No.2 in d BWV1004 (Bach): Allemande
[2EA 14479-1A] DB21300 Partita No.2 in d BWV1004 (Bach): Gigue

30 August 1951, London
[2EA 15845-2, 15846-4, 15847-2, 15848-4] DB21420/1, DB9696/7
Sonata No.4 in D Op.1-13 (Handel) w. G. Malcolm (hpsi)

この後1951年11月に、メンデルスゾーンの協奏曲が録音される。この頃からテープ録音に移行したのだろうか?

References
[1] GR-2217 [2XBA-791-Z, 792] BAはミラノ製作を意味するが、国内カッティングのような気もする。理由は刻印が日本的に端正だから(笑)。ちなみに、伊EMIのカタログNo.は QIM 6360、当時ほしかったレコードの一枚。
[2] THE ART OF GIOCONDA DE VITO, EMI CLASSICS, TOCE9316-24 (1997) パルティータのアルマンドとジーグはSP盤から復刻されているが、前3曲の金属原盤からの復刻に比べてボケボケなのが惜しいというか不可解、こんなに違うか?
[3] The Art of Gioconda de Vito Brahms - Händel - Bach - Corelli - Leclair, Andromeda ANDRCD 9090 (2011) 1957年のシャコンヌもいいが、1959年ライブの無伴奏ソナタNo.2が録音ともに素晴らしい。

by ibotarow | 2011-06-11 07:15 | ヴァイオリン_電気録音 | Comments(2)
Commented by アノニマ at 2011-06-18 07:57 x
なるほど、ヴァイオリンのベルカントですか!うまい表現ですね。
デ・ヴィートのLPは、以前、東芝EMIのセット物を持っていましたが、事情があって売ってしまいました。今から思うと惜しいことをしました。
Commented by ibotarow at 2011-06-18 12:41
アノニマさん、こんにちは。

LP手放されて惜しかったですね。[2]のCD全集は廃盤のようですが、[3]は現役盤でお勧めです。


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