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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2012年 08月 11日

暑気払いレコード

暑気払いレコード_d0090784_924234.jpg

先日、東京近郊の真空管つながりのお仲間5名を迎えて、暑気払いの会を催しました。
皆さん、お暑い中、おつかれさまでした。

最近、なにを血迷ったか、ステレオ・カートリッジにうつつを抜かしていまして、
EMI EPH/S
DECCA ffss Mk.II
TANNOY Vari-Twin Mk.II
をいずれもSMEタイプのアームに付くようにして、英国バリレラ3兄弟などと広言して悦に入っています。

最初に聴いていただくレコードを何にしようかと考えたのですが、涼しげな風鈴の響きを思わせる、
モーツァルト:グラスハーモニカ五重奏曲 アダージオとロンド K. 617
ディスコフィル・フランセ DF 20016
にしました。 リリ・クラウスがグラスハーモニカの代わりにチェレスタを弾いています。
このレコードは30数年前に現役盤で購入したものですが、この記事を書くにあたって調べてみると、最初DF 164として発売されましたが、ディスコフィル・フランセがパテ/EMIに買収された後でDF 20016になったようです。

録音年を知りたかったのですが、リリ・クラウスのディスコグラフィー[1] によると、

Adagio and Rondo in c minor, K.617
1) 1950s(monaural)
* with Jean-Pierre Rampal(fl), Pierre Pierlot(ob), Pierre Pasquier(va), Etienne Pasquier(vc)
* LP ; Les Discophiles Français DF 164

で、1950年代としかわかりませんでした。しかし50年代の録音としては驚異的な鮮明さで、EMI EPH/Sで聴くチェレスタの音は、皆さん清涼感を感じていただけたのではないかと勝手に自己満足しています。
あの時、お一人から「確信犯だ」というおホメの言葉をいただいたので、確信犯としてはデータを持っておかなくちゃと、ちょっと調べてみましたという訳です。まあ、犯行後のアリバイ工作という感が無きにしも非ずですが(笑)。

ほかの収録曲を上のディスコグラフィーから抜き出すと、

Quintet for piano and oboe, clarinet, bassoon, and horn in E flat major, K.452
1) 1950s(monaural)
* with Pierre Pierlot(ob), Jacques Lancelot(cl), Paul Hongne(fag), Coursier(hrn)
* LP ; Les Discophiles Français DF 164

Trio for piano, clarinet, & viola K.498
1) 1950s(monaural)
* with François Étienne(cl), Pierre Pasquier(va)
* LP ; Les Discophiles Français DF 164

の2曲です。いずれも素晴らしい演奏ですが、ピアノやホルンの暖色系の音はあまり暑気払いにはならないようです。

(追記) 
その後、録音年がわかりました。[2]によると、
1956年 モーツァルト生誕200年記念録音
だそうです。 あの音はやはりシャルランの76 cm/sの威力でしょうなあ。

References
[1] http://fischer.hosting.paran.com/music/Kraus/discography-kraus.htm#chamber
[2] http://www.aafc.jp/Data/2009/090725/090725Sekita.pdf

by ibotarow | 2012-08-11 09:15 | ピアノ_電気録音 | Comments(6)
Commented by アノニマ at 2012-08-13 12:38 x
ディスコフィルフランセ盤の音は、本当に鮮明ですよね。
素敵なレコードをお持ちですね。
Commented by ibotarow at 2012-08-14 09:31
アノニマさん、ディスコフィルフランセはご存知のように解説がありませんので、このレコードもジャケットにはLili Kraus, pianoとしか書いてなくて、白状しますとこの記事を書くまではチェレスタを弾いていたとは知りませんでした。
Commented by Loree at 2013-09-22 20:50 x
これも素敵なレコードでした。30年も前にご購入されたものだったのですね。
この五重奏曲の演奏に参加しているランパルとピエルロが後年、別の奏者(John Steele Ritter)と同曲をチェレスタで録音しているのをネット上で見つけて、おそらく、この二人の心中にはリリ・クラウスがあったんだろうな、と想像しました。
Commented by ibotarow at 2013-09-23 10:29
先ほどLoreeさんのブログにあったリンクから聴きました。
管楽器は良かったけど、チェレスタはリリ・クラウスの刷り込みがあるのか、なんだか間延びして聴こえました。
Commented by Loree at 2015-07-25 11:08 x
これまで見逃していましたが、当盤は2008年にEMIから発売された『リリー・クラウスの芸術19』でCD化されていました。そのCD記載によると1957年録音だそうです。某通販サイトで試聴できます。
Commented by ibotarow at 2015-07-26 07:23
ありがとうございます。今アマゾンで聴きました。しかし中古でも高いですね。


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