2013年 11月 09日
BACH 2 concertos for violin - concerto for 2 violins ULRICH GREHLING - GEORG-FRIEDRICH HENDEL ORCHESTRE DE CHAMBRE DE LA SARRE conducted by KARL RISTENPART をやっと入手しました。 なぜ気になっていたかというと、以前エテルナトレーディングに行ったときに、このレコードを非常に褒めたキャッチコピーが付けられていたからです。 もちろん、そのレコードはボクのLP購入クライテリオンをはるかに超えていたので眺めるだけでしたが。 同じ売人がDF197-198 BACH concertos for harpsichord & concertos for 2 harpsichords FRITZ NEUMEYER - ROBERT VEYRON-LACROIX ORCHESTRE DE CHAMBRE DE LA SARRE conducted by KARL RISTENPART も出していたので、ついでに入手しました。 バッハのチェンバロ協奏曲は、ほとんどが旧作のヴァイオリンやオーボエの協奏曲を編曲した手抜き作ですが、この2枚組LPの中には、DF127の原曲の焼き直し版が含まれているのです。 ジャケットにハ短調と書いてあったので、BWV1043の焼き直し版BWV1062が入っているかと期待したのですが、残念ながら入っていませんでした。 DF127のヴァイオリン協奏曲と、DF197-198のチェンバロ協奏曲との関係を下記に示します。丸括弧内が原曲です。 DF127 ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041 [Jun 4, 1953] ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042 [Jun 4, 1953] 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 DF197 2台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV1061 [May 8, 1956] (オリジナル) チェンバロ協奏曲第4番 イ長調 BWV1055 (オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055R) チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056 (ヴァイオリン協奏曲 ト短調 BWV1056R) DF198 チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV1054 [May 11-12, 1956] (ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042) チェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV1058 [May 11-12, 1956] (ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041) 2台のチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調 BWV1060 [May 8, 1956] (オーボエ、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ短調 BWV1060R) ところが、DF197は来なかったので、曲の並びは同じ構成のALPHA DB108に合せましたが、違うかもしれません。 DF197の代わりにはDF127が入っていて、図らずも、ごく一部で評判の高いウルリヒ・グレーリングの弾くバッハのヴァイオリン協奏曲が2枚手に入ってしまいました。 上のリストを見ると、ヴァイオリン協奏曲1番と2番に対応するチェンバロ協奏曲3番と7番は、DF198にはいっているので、前の持ち主は、DF197の代わりにDF127を入れて聴いていたのではないかとも考えられます。 2枚もいらないのに、と言っても、間違い分は返金されたので文句を言う筋合いではないかもしれませんが。 丸括弧内の数字は音溝の幅です。 A DF127 1C3, XPARTX 24458, M6 161434 (75mm) DF127 2C3, XPARTX 24457, M6 161433 (80mm) B DF127-1-J4-J/A DF127-2-J3-J/A 刻印は全く異なり、音溝の幅も違うので、別のカッティングのようです。 Aは見慣れたXPARTXナンバーとM6ナンバーが刻印されているのに対し、 Bは手書きの文字で、XPARTXナンバーもM6ナンバーもありません。ということはパテ・マルコーニ以外の工場で作られたのかもしれません。 また、J4-J/Aの表記が何を意味するかも全く見当がつきませんが、ほかでも見たことはあります。 もっともそれはM6番号も併記されていましたが。 この2枚を聴き比べました。しかしながら、トーシローさんのお話では、LPレコードは1回かけると溝が元の状態に戻るのに12時間かかるそうなので、1回ずつしか聴いてませんが。 Aの方が音溝のピッチは狭いのにカッティングレベルが高くて、音は鮮明です。 Bはピッチが広くゆったりとカッティングしてあり、柔らかい音です。 時代的にどちらが後先かはわかりませんが、カッティング技術的にはパテ・マルコーニのAの方が上でしょう。 しかし同じDF番号でありながら、DF2のときのように曲の構成を変えたり、今回のようにカッティングが違う盤があったり、ディスコフィル・フランセは奥が深い、というか、かなり品質管理のええかげんな会社ですね。 ちなみに、DF198の刻印は、これも手書きでXPARTXナンバーもM6ナンバーもありません。 DF198-1V2, V946 DF198-2V2, V947 V番号は初めてです。 さて、ウルリヒ・グレーリング(1917-1977)は、1942年から47年までベルリンフィルのコンサートマスターだったそうですが、これといった特徴的な個性がないので、感想が述べにくいのですが、 派手じゃなくって地味、 濃い味じゃなくって薄味、 享楽的じゃなくって禁欲的、 まあ、コンサートマスターによくあるタイプだと言えばわかってもらえるでしょうか。 そういえば、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルもザール室内管弦楽団のコンサートマスターでしたね。 それに対して、フリッツ・ノイマイヤー(1900-1983)のバッハは、チェンバロ協奏曲1番と2番(DF78)で聴き慣れているつもりでしたが、今回ヴァイオリン協奏曲と同じ旋律を聴くと、ときどき装飾音が入ったりして、かなり印象が違います。 そのノイマイヤーの演奏はというと、テレフンケンの真空管アンプの配線を思い出させます。 すなわち、「配線は直線を旨とし、曲げるときは直角に曲げるべし。決して2点間を曲線で繋いではならない。 」 BWV1043の焼き直し版BWV1062が、リステンパルトとノイマイヤーの演奏でYoutubeにありましたので、直線ぶり?をお聴きください。 http://www.youtube.com/watch?v=aNxqiv4LbYM ----------------------------------------------------------------------------------------- ウルリヒ・グレーリングとピエール・ピエルロによるBWV1060の原曲がYoutubeにありました。 DF317.024のようです。 https://www.youtube.com/watch?v=acpPC9hRxVo
by ibotarow
| 2013-11-09 07:18
| ヴァイオリン_電気録音
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