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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2014年 08月 28日

コラーロ2010レストア事始め

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発端は、2年前の「暑気払いの会」でした。
バチモンプレーヤにEMIを付けてDiscophiles Français盤をお聴かせしたのですが、
お一人から、もうちょっといいプレーヤ使いなさいよ、と言われたのです。

元より異存はありません、でもLPもSPもかけられて、しかも回転速度調整機構付きというのは中々ありません。
コニサーのtype Bは速度調整できますが、±4%なので、G&T初期やパテはかかりません。それにハンマートーンは業務用という頭があるので、リビングには入れたくありません。
コラーロはデザインは好感が持てるものの、速度調整機構がないので選択外だったのですが、For parts or not workingの2010が安く出ていたので、最低価格で入札しておいたら、誰も手を出さなかったのです。
これが来たのが去年の11月。アームはコニサーSAU2のステレオアームに変更されていました。
それからしばらく段ボールに入ったまま、床の間で埃をかぶっていました。
その後、marcoさんからコラーロのオリジナル・アームをいただいたのが今年の3月、
このアームはシェル前面にターンオーバー用の半円形の切り欠きがあるのです。
ボクはこれを見て、このアームにタンノイのターンオーバー型モノカートリッジを付けたいと思いました。
と言いながら、さらに何か月かが過ぎ去り、8月4日から4日間休みが取れたので、いよいよ重い腰を上げざるを得なくなりました。
以下、MIXIに書いた日記を転載します。



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8月4日
まず、プラッターを外し、コニサーのステレオアームを外し、出力コードを外しました。
出力端子には221のセラミックコンデンサが付いていましたが、何の役目でしょう?
次にアイドラーを外し、アルコールで拭きました。幸い傷もなくホッとしました。
銚子のTさんの仕事ぶりを拝見して、あんなに徹底的に拭くのか、と深く感じ入った次第ですが、パネル、プラッターともまだ簡単に拭いただけです。
そこまでは順調だったのですが、アイドラーの切り替え機構が動きません。
まあ、これは初めからそれを承知で買ったのですが、だいたい、なんであんなに遠隔操作にしたのでしょう?右利きだから??
キャプスタンの根元にスプリングのようなものが巻き付いていますが、これで正常なのでしょうか?
途方に暮れています。

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8月5日
marcoさん 詳細な解説ありがとうございました。大変参考になります。
あのスプリングはあれで正常なのですね、ボクもプーリーを止めているネジがないなあと思っていました。
アイドラーの切り替えで苦戦しています。45回転ポジションはあきらめました。ロッドがしなってカムが入りません。
33と78回転は、裏向けにすると何とか入るのですが、表向けにすると33に入りません。何回かやって、やっと理由がわかりました。
33に入れようとすると、ロッドを引く必要があるのですが、そうすると、モーターをとめているスプリングが伸びてモーター自体が引っ張られて移動し、入らないのです。
裏向けだと、誰かが設置したストッパーに引っかかってそれ以上モーターが引っ張られないため、カムが入るということがわかりました。
表向けだと、モーターが垂れ下がって、ストッパーより下になるため突っ張りが効かないのです。
モーターを止めている3本のスプリングは、おっしゃるように、1本が伸びていました。
でもストッパーを付ければ、このままでも行けそうな気がして、明日、ホームセンターで材料を買ってきます。
スピンドル下のカバーを外し、掃除しました。パチンコ玉大のベヤリングが1個入っていましたので、上から割り箸でつついてみましたが、固くて取れませんでした。marcoさんは取れました?
モーターはまだ触ってません。電源を入れて動かしてからにしようと思っています。

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8月6日
ストッパーは、下にワッシャを敷いてかさ上げし、なんとか33と78が入るようにできましたが、まるでゴムひもでコントロールしているようなグニャーとした感覚でいただけません。やっぱりバネが伸びているのでしょうね。
パチンコ・ベヤリングはまだとれません。気長に行きます。
モーターの線にソケットを付け、トランスで200V給電できるようにしました。
つまみを回すとモーターが音もなく回転するのを確認しました。
モーターの下の蓋を外すのはもうちょっと様子を見てからにします。
今日はここまで。

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8月7日
スピード切り替えのロッドですが、途中で折れ曲がっています。
本当はたぶん真っ直ぐだと思うのですが、このために力が入らないのでしょうね。
それから、ストッパーは木の丸棒のつっかい棒で、スイッチを引き止めています。
ここは下にワッシャーを敷くことでなんとか解決しました。
問題はアームです。
これは、marcoさんからご恵投いただいたコラーロのオリジナル・モノラルアームですが、
これにタンノイのターンオーバー型モノラル・カートリッジを付ける魂胆でした。
ところが、当初入っていたロネットのカートリッジを外したところ、
ねじ1本で止まっているのがわかりました。
タンノイの取付金具にはねじ穴がありませんので、穴を開けてタップをたてる必要があります。
これはまあ、面倒ですが、出来ないことはありません。
次に、タンノイをシェルに入れてみようとしたところ、
使用時の姿勢ではぴったり入るのですが、中で回転しようとすると、ぴったりすぎて回転しません!
むむむ、、どうしよう。

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8月8日
タンノイを付けようとすると、シェルの両サイドのはかまを削り取る必要がありますが、
そうすると、シェルの強度が低下しますし、何よりも見た目が良くありません。
それでmarcoさんの後追いになりますが、リークも候補に上がってきました。
取り付けは、上の金属パネルにされたのでしょうか?それとも下の木製ボードですか?
銚子のブログを読むと、デッカffssアームは木製ボード、BJアームは金属パネルで良い結果が得られたとあり、アームによってそれぞれのようです。
あと、パチンコ球は取れました。グリスで円筒形になっていました。
スピンドル軸を差し込むときはオイルじゃなくって、グリスですかね?
その後、新たな問題が生じました。

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一難去らないうちに、また一難です。
アイドラーを付けて、キャプスタンと接触させてみましたが、高さが合ってません。
33回転はアイドラーの厚さの8割ほど、78回転は5割ほどしか接していません。
モーターとアイドラー機構は一体なので、バネは伸びても関係ないはずです。
アイドラーの高さ調整は見当たりません。
キャプスタン軸が下がっているのでしょうか?
モーターの下のカバーを開けてみようかなあ、開けたくないなあ。

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8月9日
今日、意を決してモーターの下のカバーを開けました。
軸受けはなんだか複雑な仕掛けになっていてよくわかりません。
これがmarcoさんの言われる首振り構造なんですね。
そんなに汚れていませんでしたが、オイルが焼きついたようになっていたので、これをアルコールできれいにしました。
球の受け皿がちょっと凹んでいましたので、ここに何か敷くと軸がちょっとは上に上がるのですが、
なにを敷いたら良いのかわからないので、とりあえずそのままにしています。
したがって、アイドラーとキャプスタンの高さの差は相変わらずです。
33回転専用なら何とか使えそうです。

45回転は初めからあきらめていましたが、78回転もあきらめることにします。
そうすると、カートリッジもおのずから・・・

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8月10日
スピンドル軸受けのふたに真空グリスを塗って密閉し、
上からパチンコ球を入れ、オイルを壁に垂らし、
プラッターのスピンドル軸にもオイルを垂らして、嵌めようとしましたが、
途中までしか入りません。
下が密閉されているので、球が底まで入らないようです。
それで、再度、軸受けのふたを開け、球を下から入れて、オイルを垂らし、ふたをしました。
プラッターを嵌めると、今度は無事に下まで入りました。
それで、回転数を測ってみました。電圧は200Vです。
切り替えつまみを33回転の位置に入れるには、ちょっとしたコツが要ります。
ちょうど古い英国車のギヤシフトのように(乗ったことないけど)。
回転数はほぼ正常でした。

あとは、ピックアップを残すだけになりました。
ちょうど良い長さのねじがないので、ホームセンターに行きたいのですが、
雨と風が激しくなってきましたので、また今度。

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8月19日
しばらく間が空きましたが、その後の経過報告です。
あの後、ケースの補修をやっておりまして、チークのつき板が浮いているところを接着剤で留めたり、剥がれているところに絵の具を塗ってごまかしたりしていました。
また、モーターが意外に熱を持つことがわかったので、四隅に足を立てて全体を浮かせて下から空気が入るようにしたりしました。

それで、いよいよアームにカートリッジを付ける段階になりました。
以前の試行から、タンノイのターンオーバー型はシェル内部で回転できないことがわかりましたので、
秘蔵のタンノイ・シングルプレイを使うことにしました。
そこで、前にもちょっと書いたように、オルトフォンから取付金具を外しまして、コラーロのシェルに取り付けました。これは思ったよりうまく行きました。心配したネジの長さもちょうどです。
それで気を良くして、いよいよカートリッジを取り付けようとしますと、なんとシェルに嵌りません。
シングルプレイの下半分のボディーがちょっと太くなっていて、シェルの内壁に当たるのです。
シェルの後ろにずらせば入るのですが、それではネジが金具に止められません。
またしても想定外の(というか思いが至らなかった)問題発生です。
タンノイの後頭部の両サイドを1mmほど削れば入りそうですが、まだタンノイに手をかける決断が付きません。
リークの案も再浮上してきました。
でもリークにするにはアームの取り付け穴を広げる必要があり、そうするとコラーロには戻せなくなります。
カメラの調子も悪くなってきました。どうしよう・・・

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8月20日
取り付け金具を作るのが正攻法なんでしょうね。
でも、タップを持っていないので2種類揃える必要があるし、下穴用のキリも。
それから2,3mm厚のアルミ板の切れ端を探さなくてはなりません。
それを考えるとタンノイのボディーを削る方がはるかに簡単なんですが、歴史的遺産?を削ることに抵抗感があるのも事実です。
カートリッジが付いたとしても、次にはカウンターウエイトの付加という難題が待っています・・・

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8月23日
先日、ゴルフ院長に取り付け金具を作っていただきました。
タンノイのシングルプレイは無事収まりました。院長ありがとうございました。
これからが、ちょっとバタバタしました。
たとえば、カートリッジの端子にアームからのリード線の端子をはめようとすると、ハンダ付けがポロッと取れて、この狭いところでハンダ付けするのに、目は見えないし手は震えてなかなか付かなかったりとか、
いざターンテーブルを回そうとすると回らない、、、それもそのはず電源プラグを入れてなかったとか、
回ったターテーブルにピックアップを乗せると、回転がだんだん遅くなってくる、、、それもそのはずダイヤルがOFFの位置だったとか、
いろいろあせりましたが、何とか音が出ました。

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音は、なんか前のバチモンプレーヤの時よりも静かな気がします。必要な音しか出てないというか。
別の言い方をすると、各楽器の音色の差がより明瞭にわかるような気がします。
最初にかけたのは、ボベスコのアルファ盤ですが、ちょっと冷たい音でした。
その次に、デニス・ブレインの33CX盤をかけると、打って変わって水を得た魚のように、生き生きと鳴りだしたのには驚きました。
これだけで仏国盤より英国盤と相性が良いと結論付けるのは早計ですが、バチモンプレーヤより主張があるようです。

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アームの防振はかなりのもので、ボードをコツコツ叩いても響きません。
木のサブボードと、アーム上下機構のビニールシートで、モーターボードとは絶縁されているようです。
針圧は、これも幸運なことに何の調整もしないで、7, 8グラムでした。
その後、シェルに指かけを付けて、ウエイトに1ポンド硬貨(10グラム)を2枚、とりあえずテープでとめました。これで針圧は約5グラムです。
まだ、レコード盤面に対してカートリッジが左右に傾いているので、グルーブガードに当たってかからないとか、ターンテーブルをON/OFFする時にバチッというすごい雑音が出るとか、何より、ボードに無残な穴が開いているとか、まだまだ調整・手当が必要ですが、ひとまず安心。

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8月26日
その後、コラーロはバチモンプレーヤの乗っていたレコードケースの上に鎮座ましまして、美音を奏で始めました。
この音を一言で言うならば、クリーム色でしょうか。そのまんまやんけ!と言われそうですが(笑)。
今ある3~40枚の初期盤を聴き直すのに夢中ですが、何を聴いても前より魅力的に聴こえるんです。
日曜日、何枚か聞いた中では、グレーリング/コッホのモーツァルト・デュオ(ハルモニア・ムンディ)が出色でした。
以前感じた、ひ弱な感じ、は全くありませんでした。
すべてクリーム色に包み込んでしまうためでしょうか?
という話を、さる先達に自慢たらたら申し上げたら、
オール・クリームシステム、略してクリームさん、
と命名されてしまいました。

ところで前回、これからの課題として、
① カートリッジの左右の傾き
② ON/OFF時のスパークノイズ
③ ボードの穴
をあげました。
このうち、①については、パイプがアーム根元で押さえ板で止まっているので、2本のねじを緩めて、回転させれば傾きが変えられます。
一度、ちょっと回転させてみたら、反対方向に傾いてしまいました。1~2°回転させるのは至難の業です。
この作業は、アームを抜いてからでないとねじが緩められないので、試行錯誤を繰り返す必要がありますが、あんまり何回もやっていると、アームの後ろから出ているリード線を傷つけてしまいそうで、とりあえずそのままにしてあります。
③については、marcoさんのご提案により、アームの穴にガラードの45回転アダプターを置きました。30数年、暇をかこっている間に少し変色しましたが、やっとお役に立つことができました。
またアームレストの穴の上には、ワッツのスタイラス・クリーナーを置きました。
余談ですが、オリジナルのアームレストの位置がなんでこんなに端にあるんだろと思っていましたが、これは16インチ盤をかけるためのようです。
②ですが、スパークキラーのカタログを見ると、いろんなCRの組み合わせがあり、どれを使ったら良いのかわかりません。
モーターは200-250Vの15Wくらいだったと思います。
どなたか詳しい方、教えてください。

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という経過で現在に至っています。
さる先達からも、
「此の趣味の桃源郷真っ直中ですね。」
と言われてしまいましたが、今、舞い上がっている最中ですので、音の感想は話1/10くらいにお聞きください。

by ibotarow | 2014-08-28 20:10 | 蓄音機 | Comments(3)
Commented by TK-europa at 2014-09-07 23:30
こんばんは、はじめまして。
先頃小生の入手しましたCollaro2010には0.1μF、120Ωのスパークキラーが使われていました。
Commented by ibotarow at 2014-09-08 07:21
TK-europaさま、
初めまして、貴重な情報ありがとうございました。
今までターンテーブルをずっと回しっぱなしにしていましたが、これでレコードをかけ替えるときは止めることができます。

今後とも、コラーロ・ユーザー、マルコーニフォン(ボクのはType 91ですが)ユーザーとして、よろしくお願いいたします。
Commented by TK-europa at 2014-09-08 22:02
こちらこそよろしくお願いいたします。
コラーロ良いですよね。

昨日はマルコーニフォンを試しにオイローパジュニア用の励磁電源で鳴らしてみましたら、ものの見事にドイツの音になったので笑ってしまいました。
そうすると菊水電源で鳴らすのは日本の音なのでしょうかね。
それはともかくマルコーニフォンの敏感さを認識した次第です。


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