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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2015年 08月 31日

ヌヴーのR.シュトラウスとブラームスのソナタ

ヌヴーのR.シュトラウスとブラームスのソナタ_d0090784_2171126.jpg

最近、なぜヌヴーにご執心かというと、先々月、富士レコードSPレコードコンサートに、「ヌヴ―とその姉妹弟子たち」の題名に惹かれて行ったのがきっかけです。

カートリッジがGEバリレラ、スピーカーがGIP8インチフィールドと597ツイーターというせいもあるかもしれませんが、ヌヴ―がまるで筋肉隆々たるアマゾネスのように逞しい音で鳴っていました。
会場でいただいた、桑原威夫さんという方が作られた小冊子[1]に、「豹のような獰猛さを秘めた演奏」という表現があったので、あるいはこれがヌヴ―の音なのかもしれませんが。

姉妹弟子は、
ドニーズ・ソリアーノ、ローラ・ボベスコ、ミシェル・オークレール、ミシェル・ブシノー
で、そのほか日本の
諏訪根自子、巌本真理
で、彼女らもヌヴ―同様、元気な力強い音でした。  
ボクは女流ヴァイオリニストの魅力は、「か弱さ」にあると思っているんですがねえ・・・

それはともかく、ヌヴ―の中で白眉はR.シュトラウスのソナタでした。
これは、ヘイズの近くにある何とかレコードという中古レコード屋が,、あいつなら買うだろうと新さんに知らせてきたものだそうで、ヌヴ―の1939年のベルリン録音のビニールプレスです。ヘイズからの放出品でしょうね。
これは素晴らしい音で、LPでは聴けない鮮烈な音でした。
拙ブログのリストから再掲すると、

July? 1939, Berlin, w. G. Beck (pf)
[2RA 3832I□, 3833II□, 3834/7I□, 3838II□] DB4663/6 Sonata in E flat, Op.18 (R. Strauss)  

このビニールプレス盤から復刻したというグッディーズのCDR(78CDR-3076)を会場で購入しましたので、帰宅してさっそく聴いてみますと、1楽章の後半(第3面の始まりから17秒目あたり)で、
ビビビ
という電気的?なノイズが入ります。
グッディーズと富士レコードに問い合わせたところ、 両者から、SP原盤由来のノイズである、との回答がありました。

また富士レコードのSさんによると、
「ほかのヌヴーの演奏のSP盤に大なり小なり同様のノイズが出るものがあるのは、存じていました。キュッキュッという音だったと思います。」
ということでした。

Youtubeに件の録音があります。
https://www.youtube.com/watch?v=PUcJLoVTTkI

これを先に確認すれば良かったのですが、聴いてみると、 8分43秒あたりに同じノイズが入っていました。
何でしょうね?突然アンプが発振した??






ヌヴーのR.シュトラウスとブラームスのソナタ_d0090784_2163587.jpg

ところで、[1]の資料には、亡くなる数ヶ月前のコンサート情報が書かれています。

1949年6月3日 パリ with シャルル・ミンシュ/パリ音楽院管弦楽団

1949年6月19日 ストラスブール・フェスティバル

1949年9月2日 サラ・ベルナール劇場(現パリ市立劇場) with ジャン・ヌヴ―

1949年9月6日 エディンバラ・フェスティバル 
シベリウス:協奏曲 with アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団

1949年9月?日 エディンバラ・フェスティバル with ジャン・ヌヴ―
フランク:ソナタ 
ドビュッシー:ソナタ
フォーレ:ソナタ

1949年9月25日 バーデン・バーデン
ベートーヴェン:協奏曲 with ハンス・ロスバウト/南西ドイツ放送交響楽団

1949年10月12-15日 
シベリウス:協奏曲 with ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団

1949年10月20日 パリ サル・プレイエル with ジャン・ヌヴ―
ヘンデル:ソナタ第4番
バッハ:シャコンヌ
ブラームス:ソナタ第3番
シマノフスキ:夜想曲とタランテラ
ラヴェル:ハバネラ形式の小品とツィガーヌ

これらの録音はないかと、いろいろ探していると、

1949年5月1日
Beethoven: Concerto for Violin D-dur, Op.61 with Willem van Otterloo/Radio Filh. Orkest

1949年6月10日 
Brahms: Violin Concerto in D, Op. 77 with Antal Dorati/The Hague Residentie Orchestra

1949年6月21日 Zurich Festwochen 
Mendelssohn: Violinkonzert in e-moll, Op. 64 with Hans Knappertsbusch/Das Tonhalle-orchester

等の上のリストにはない演奏があり、また1949年9月25日のベートーヴェンとのカップリングで、
下記のCD(Tahra, Tah 745)があることを知りました。

1949年9月21日 シュトゥットガルト with ジャン・ヌヴ―
ブラームス:ソナタ第3番

1999年にTahraが発掘したそうです。
それでHMVに注文したのですが、1ケ月ほどたって、出荷遅延のお知らせが来たのでキャンセルしました。
ebayでもっと安いのを見つけたからです。
それが先日到着しました。

早速聴いてみました。
デ・ヴィートよりスケールの大きな、ドラマチックな演奏です。
でも、デ・ヴィートの方が落ち着いて気品高い感じがします。エドウィン・フィッシャーの魔力のせいでしょうか。

それに対して、ヌヴーは緩急自在、フェラーリの跳ね馬エンブレムを思わせる自由奔放な雰囲気です。
反面、オーバーアクション、暑苦しいとも言えます、
これでピアノがエドウィン・フィッシャーだったら、しっかり手綱を取ってさらに素晴らしい演奏になっただろうにと思わずにはいられません。

録音は、ピアノが大きすぎるところもありますが、デ・ヴィートに勝るとも劣りません。テープ録音でしょうか?
結論、デ・ヴィートとは別の曲を聴いているようで、印象は全く異なりますが、双璧と言えましょう。

あと、1949年10月20日の最後のリサイタルの録音があれば聴いてみたいものです。この1週間後にヌヴ―は亡くなりました。

Reference
[1] 桑原威夫, Genette Neveu (1919-1949), 富士レコードSPレコードコンサート「ヌヴ―とその姉妹弟子たち」配布資料

by ibotarow | 2015-08-31 21:15 | ヴァイオリン_電気録音 | Comments(0)


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