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2018年 01月 28日

ミシェル・オークレールの格安CD集をめぐる2,3の覚書

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1. Remington

かのThe Remington Siteの、Michèle Auclair (1924-2005)のページ によると、オークレールのRemington盤は下記の4枚あります。

1950
RLP-199-20 Violin Concerto in D (Tchaikovsky)
with Kurt Wöss / Österreichisches Symphonieorchester

1952
R-199-127 Violin Concerto No. 1 Op. 26 and Kol Nidrei (Max Bruch)
with Wilhelm Loibner / Österreichisches Symphonieorchester
.
1953
R-199-126 Kreisler Encores
* Liebesfreud
* Liebesleid
* Schön Rosmarin
* Caprice viennois
* Old Refrain
* Tambourin chinois
with Otto Schulhof

R-199-128 Kreisler Favorites
* Praeludium & Allegro (Pugnani-Kreisler)
* Melodie (Gluck-Kreisler)
* Rondino On A Theme Of Beethoven (Kreisler)
* Songs My Mother Taught Me (Dvorak-Kreisler)
* Serenade Espagnola (Chaminade-Kreisler)
* Danse Espagnole (de Falla-Kreisler)
with Otto Schulhof

そのうち入手したいと思っていましたが、下記の8枚組CD集に全部入っていることがわかって、CDで済ますことにしました。

Michele Auclair - Milestones of a Legend (Documents 600317A-H)

注文したら翌日届いて、さっそく聴いてみました。
1950年録音のチャイコフスキーが群を抜いて、溌剌として素晴らしい。
まるで、女子プロレスの連続ワザを見ているようです(あんまり見たことないけど)。
オークレールのしなやかで強靭な筋肉が宙を舞います。

あとは、ブルッフ、クライスラーの順に大人しくなります。

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2. Discophiles Français

CD集には、バッハのソナタ、

J.S.バッハ:ヴァイオリンソナタBWV.1014~BWV.1019
マリー=クレール・アラン(Org)
(1956年12月~57年1月録音)

が入っているのですが、以前入手した韓国製CD(PWC2D0013) と聴き比べると、しゃくなことに今回の安CD集の方が、音がしっかりして明晰なのです。

以前のCDはWarner Koreaの発売なので正規盤だと思ったのですが、50年代のディスコフィル・フランセらしからぬ優しい音です。
オリジナルDF盤(DF 209/210)はとてつもなく高価で聴くことすらままならないので、これだけ聴いていたときは、そんなもんかなあと思っていましたが、改めて聴き比べてみると、かつての日本プレス盤と輸入盤ほどの違いがあります。

このCD集には、あと、ドビュッシーとラヴェルのDF録音、

ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ ト短調
ラヴェル:ヴァイオリンソナタ第2番
ジャクリーヌ・ボノー(pf)
(1957年10月24日録音)

があります。
この録音に関しては、某先達のご友人がオリジナルDF盤(525.122)から作られた私家版の音源があるのですが、今、ハードディスクのジャングルの中に埋もれていて、発掘できたら、聴き比べてみます。

オークレールのDF録音は、あとルクレールの協奏曲(525.116)

J. M. Leclair : Violin Concerto Op.7 No. 6 / Op.10 No.6
Karl Ristenpart - Orchestre De La Sarre
(1958年録音)

があるのですが、これは残念ながら入っていません。

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先日、某SPレコード愛好会の先達から、10枚組LP、
「秘蔵盤・ヴァイオリンの巨匠達 The Art of Virtuoso Violinists(東芝EMI EAC-60230~39)」
をお借りしました。

この中には、上のルクレールの協奏曲と、ドビュッシー/ラヴェルのソナタの2枚の10インチ盤を表裏に入れた1枚(EAC-60236)があります。

このレコードは以前、小樽港を一望する、さるマイスターの書斎で聴かせていただきましたが、どんな演奏だったかは、すでに遠い記憶の彼方です。

さっそくルクレールを、虚構世界の美人?タンノイ・シングルで聴いてみました。
歯切れの良い、溌剌とした演奏で、ときどき鋭い切っ先がキラリと光ります。

(2018年2月4日 追記)





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3. Philips

今回のCD集には、Philips録音はモーツァルトとブラームスの協奏曲、

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番K.218
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番K.219
マルセル・クーロー指揮、
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団
(1961年12月録音)

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲Op.77
ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮、ウィーン交響楽団
(1958年9月録音)

が入っていますが、メンデルスゾーンとチャイコフスキーの協奏曲は入っていません。
たまたま、去年の暮、下記のモノラルLPを落札しました。

PHILIPS 610 807 VL
[6 AA 610 807 1L 1 670 111] Violin concerto in E minor, op. 64 (Mendelssohn),
[6 AA 610 807 2L 1 670 11 1] Violin concerto in D (Tchaikovsky)
Robert Wagner / Innsbruck Symphony Orchestra
(1963年2月録音)

さて年が明けた今月半ば、郵便局から電話で、
オランダから来る途中で水の事故にあい破損して届いた。損害賠償の交渉権は発送元にあるので、そちらと交渉してくれ。
とあからさまに責任逃れの姿勢を露わにしつつ、
受け取るか?
と聞くので、
とりあえず見てみる。
と言ったものの、めんどうなことになったなあと暗澹たる気分でした。
翌日届いたものを見てみると、ダンボールの角、面積にして1/4ほどが水に濡れてふやけているだけのようでした。
開けてみると、ジャケットのコーナーが反って波打っていましたが、コーナーの無い丸いレコード本体には影響ありませんでした。

さっそく、何でもお化粧美人にしてしまうタンノイ・シングルで聴きました。
60年代初期のフィリップスのカーブはわからなかったので、取りあえずNABです。

まず、チャイコフスキー;
お馴染みの滑らかなPhilips Soundで、美しいドレスを纏ったladyのような落ち着いた演奏です。
しかし、Remingtonの演奏を聴いた後では、お行儀の良い、常識的な範疇に留まっています。
Remingtonの破天荒な魅力には抗しがたいものがありますね。

メンデルスゾーン;
素直で飾り気のない演奏ですが、かつての武闘派?の片鱗が時々現れ、シャープで硬質な表情を見せます。色気はありませんが、そこが魅力的です。

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4. Erato

このCD集にはErato録音のシューベルト、

Fantasia In C Major, Op. 159
 Andante – Allegretto – Andantino – Allegro
Rondo Brillant In B Minor, Op. 70
 Andante – Allegro
Sonatina No. 3 In G Major, Op. 137
 Allegro Giusto – Andante – Menuetto – Allegro Vivace – Allegro Moderato
Sonatina No. 2 In A Minor, Op. 137
 Allegro Moderato – Andante – Menuetto (Allegro) – Allegro
Sonata In A Major ("Duo"), Op. 162
 Allegro Moderato - Scherzo (Presto) – Andantino – Allegro Vivace
Sonatina No. 1 In D Major, Op. 137
 Allegro Molto – Andante – Allegro Vivace
Genevieve Joy (piano)
(1962年録音)

が入っていません。
入っていないとなると聴きたくなるのが人情というもんですが、オリジナルErato盤
Intégrale De L'oeuvre Pour Violon Et Piano
ERATO STE 50136/50137 (stereo), LDE 3236/3237 (mono)
は、バッハDF盤ほどではないにしろ、とても買える金額ではありません。

以前調べたところによると、Musical Heritage Societyという怪しげなレーベルが海賊盤?を出しているようです。
今年初め、たまたま米Amazonを見ていたら、格安($9.99)で出ていたので、ダメで元々と注文しました

10日あまり経って、
MHS 606/607 Franz Schubert - The Complete Works for Violin and Piano
が無事到着しました。
ジャケットに中古レコード屋の値札と思われる、$3.99のステッカーが貼ってありましたので、$9.99でも十分元が取れたようです。

てっきり板起こしの海賊盤だろうと思っていましたが、レーベルに、
Licensed by ERATO
と書いてあったので、そんなに怪しいものではなさそうです。

さっそく、うちで一番素直なステレオカートリッジDL103で聴いてみました。

カートリッジのせいもあるのかもしれないけど、柔らかく、優美な音です。
繊細だけど、力強さは感じません。
ERATOの音はあまり経験ないんですが、昔、日本コロムビアプレスで聴いたERATO盤も、こんな優柔不断?な音だったかもしれません。
同じフランス盤でも、Discophiles Françaisの毅然たる音とは正反対の音です。

これはオリジナルERATO盤でも同じかどうかわかりませんが、ピアノとヴァイオリンは左右に定位するものの音量バランスが悪く、ピアノが大きく出しゃばって、ヴァイオリンは奥に引っ込みます。
したがってオークレールの迫力があまり感じられません。
ヴァイオリン側のスピーカーの前で聴く必要があります。
そうやってヴァイオリンだけに集中して聴くと、オークレールのvividな演奏が楽しめました。


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by ibotarow | 2018-01-28 09:56 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
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