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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2018年 05月 27日

クーベリックFONOTIPIA 後半

後半では、1906~1911年録音のうち下記10面の回転数を推定します。

1906
[xPh 2228] 39925 Zephyr, Op.35-5 (Hubay)
[xPh 2231] 39884 Scherzo Tarantelle, Op.16 (Wieniawski)

1907
[xPh 2400-2] 62036 Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
[xPh 2401] 62037 Vision (Drdla)
[xPh 2402-2] Rx 98112 Souvenir (Drdla)
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate)

1910
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate)
[xPh 4307] Rx 98113 Serenade (Drdla)

1911
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)

これらを78 rpmで再生した時のスペクトルをFig. 1に示します。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_13072131.jpg
ピッチはかなりばらついています。

個別のデータはMoreを見ていただくとして、前半の結果と合わせて、A4=440 Hzで推定した回転数をまとめるとFig. 22のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_13080078.jpg
大きく平均を外れているのもありますが、おおむね、
1905; 80 rpm前後
1906; 72 rpm前後
1907; 70 rpm前後
1910; 76 rpm前後
1911; 78 rpm前後
となりました。
年代別回転数の推移が、他のFonotipiaにも当てはまるかどうかは定かではありません。

これらの回転数で再生した後半10面のMP3音源を下記にアップしました。

[xPh 2228] 39925 Zephyr, Op.35-5 (Hubay)
[xPh 2231] 39884 Scherzo Tarantelle, Op.16 (Wieniawski)
[xPh 2400-2] 62036 Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
[xPh 2401] 62037 Vision (Drdla)
[xPh 2402-2] Rx 98112 Souvenir (Drdla)
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate)
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate)
[xPh 4307] X 98113 Serenade (Drdla)
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)






それでは個別の推定根拠を示します。
最初は、1906年録音のフバイのゼファー(そよ風)
[xPh 2228] Zephyr, Op.35-5 (Hubay)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14512288.jpg

Fig. 2に示す楽譜[1]を見ると、出だしのピアノがA4とD5#の2分音符がありますす。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 3のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14523073.jpg
D5#は
680 Hz付近
のようですが、A4は
470 Hzと530 Hz付近
のどちらかわかりません。
そこでD5#からA4に換算すると、
680/1.4142=480 Hz
となりますので、
470 Hz付近
がA4のようです。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
475.749207 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/475.749207*78=72.14 rpm
となりました。


次は、ヴィエニャフスキーのスケルツォ・タランテラ
[xPh 2231] Scherzo Tarantelle (Wieniawski)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14533494.jpg

Fig. 4に示す楽譜[2]を見ると、出だしのピアノがD音のみです。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 5のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14533945.jpg
D5は
625 Hz付近
のようです。
D5からA4に換算すると、
625/1.3348=468.0 Hz
となりますが、この付近にもピークがあります。
上の楽譜には無い音を弾いているようです。

それはともかく、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
469.020081 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/469.020081*78=73.17 rpm
となりました。


次は、1907年録音のラフのカヴァティーナ
[xPh 2400-2] Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14554361.jpg

Fig. 6に示す楽譜[3]を見ると、4小節目にA4音があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 7のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14554811.jpg
A4は
470 Hz付近
のようです。
Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
475.7492 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/475.7492*78=72.14 rpm
となりました。


次は、ドルドラのヴィジョン
[xPh 2401] Vision (Drdla)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14573247.jpg

Fig. 8に示す楽譜[4]を見ると、ピアノパートの4小節目にG4があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 9のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_14595174.jpg
G4は
430 Hz付近
のようです。
A4に換算すると、
430*1.122462=482 Hz
となります。

Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
486.515808 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/486.515808*78=70.54 rpm
となりました。


次はドルドラのスーベニール、
[xPh 2402-2] 39162-2 Souvenir (Drdla)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15011524.jpg

Fig. 10に示す楽譜[5]を見ると、ピアノの冒頭にA4の2分音符があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 11(赤)のようになりました。
なお、Fig. 11(青)は1905年のスーベニールです。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15011997.jpg
A4は、
490 Hz付近
のようです。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
497.9553 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/497.9553*78=68.92 rpm
となりました。

次は、1907年録音最後のサラサーテのチゴイネルワイゼン
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15023429.jpg

Fig. 12に示す楽譜[6]を見ると、ピアノの出だしがGです。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 13のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15253914.jpg
G4は
430 Hz付近
のようです。
A4に換算すると、
430*1.122462=482 Hz
となります。

Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
479.786682 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/479.786682*78=71.53 rpm
となりました。


次は、1910年録音のサラサーテのサパテアード
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15040894.jpg

Fig. 14に示す楽譜[7]を見ると、3小節目に、A4の4分音符があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 15のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15042147.jpg
A4は、
450 Hz付近
のようです。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
451.524353 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/451.524353*78=76.01 rpm
となりました。


次は、1910年録音のドルドラのセレナーデ
[xPh 4307] 39193-4 Serenade (Drdla)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15061474.jpg

Fig. 16に示す楽譜[8]を見ると、5小節目に、F4とA4の8分音符があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 17のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15062175.jpg
A4は、
450 Hz付近
のようです。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
451.524353 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/451.524353*78=76.01 rpm
となりました。


次は、1911年録音のフィビヒのポエム
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15080283.jpg

Fig. 18に示す楽譜[9]を見ると、1小節目に、B4♭の付点2分音符があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 19のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15081063.jpg
B4♭は、
470 Hz付近
のようです。
A4に換算すると、
470/1.059463=443.6 Hz
となります。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
442.776489 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/442.776489*78=77.51 rpm
となりました。


最後は、1911年録音のドルドラの子守歌
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)
です。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15094453.jpg

Fig. 20に示す楽譜[10]を見ると、4小節目に、ヴァイオリンパートにC5の付点全音符と
ピアノパートにA4の2分音符があります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めるとFig. 21のようになりました。

クーベリックFONOTIPIA 後半_d0090784_15095123.jpg
C5は、
525 Hz付近
のようです。
A4に換算すると、
525/1.1892=441.5 Hz
となります。
その付近に小さなピークがありますが、これがピアノのA4のようです。

そこで、Fig. 1の全体スペクトルのこの付近のピーク周波数を拾うと、
437.393188 Hz
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、、
440/437.393188*78=78.46 rpm
となりました。


References
[1] https://violinsheetmusic.org/classical/h/hubay/
[2] https://violinsheetmusic.org/classical/w/wieniawski/
[3] https://violinsheetmusic.org/classical/r/raff/
[4] http://imslp.org/wiki/Vision,_Op.28_(Drdla,_Franti%C5%A1ek_Alois)
[5] https://violinsheetmusic.org/classical/d/drdla/
[6] https://violinsheetmusic.org/classical/s/sarasate/
[7]
https://imslp.org/wiki/Spanish_Dances%2C_Op.23_(Sarasate%2C_Pablo_de)
[8] http://imslp.org/wiki/Serenade_No.1_(Drdla%2C_Franti%C5%A1ek_Alois)
[9] https://imslp.org/wiki/Moods%2C_Impressions%2C_and_Souvenirs%2C_Op.41_(Fibich%2C_Zden%C4%9Bk)
[10] https://violinsheetmusic.org/classical/d/drdla/



by ibotarow | 2018-05-27 08:20 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Comments(0)


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