人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

ibotarow.exblog.jp
ブログトップ
2018年 11月 25日

クライスラーG&T その3

"Speeds & Keys" [1]を入手してからというもの、回転数調べは、すっかりやる気が失せてしまいました。
こういう本が出ることを渇望していたにもかかわらず、実際手に取ってみると、うれしいような、がっかりしたような複雑な気分です。
しかし、これまで調べた値とどれくらい違うか、一応比べてみることにしました。

クライスラーG&T4面のリストに、[1]による【 キー, ピッチ(Hz), 回転数(rpm) 】を書き加えました。
()内の値は前報クライスラーG&T その2の推定値です。

1904, Berlin
47944 [2084X] Chanson sans paroles (Tschaikowsky) 【 F, 443, 75.5 】(74.9)
47945 [2085X] Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert) 【 D, Em, 443, 75.9 】 (75.7)
47946 [2086X] Prelude in E (Bach) 【 E/o, 443, 76.3 】 (76.2)
47947 [2087X] Air on the G string (Bach) 【 C/-2, 443, 78.0 】 (77.6) 

ここで、キーのスラッシュ以下の表記は、/oがスコア通り、/-2は半音二つ分、つまりスコアより全音低いという意味です。後者については、本当かなあという気がしますが、取りあえずは紹介するだけに留めておきます。

クライスラーG&T その3_d0090784_14503142.jpg

Biddulphの復刻CD[2]に加えてこれら3種の回転数を並べてみると、多少差はありますが傾向は似ています。
どれが正解かはわかりませんが、まあどれも、当たらずとも遠からず、といったところでしょうか。 

Reference
[1] Chris Zwarg, "Speeds & Keys Vol. I Gramophone Co. (1898-1921)", Truesound Transfers (Berlin, 2018), p 160.
[2] The complete acoustic HMV recordings, BIDDULPH LAB 009-10 (1989)



by ibotarow | 2018-11-25 08:34 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Comments(0)


<< エネスコのベートーヴェン「ロマ...      クーベリックG&T補遺 >>