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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2019年 04月 28日

ボベスコ/ルグランのデュオ その2

ボベスコ/ルグランのデュオ その2_d0090784_08402790.jpg

このたび図らずも、前から気になっていた標記のレコードALPHA DB 45を入手しました。
最低額を入れておいたら他に誰も入札しなかったのです。

Duos pour Violon et Alto

Face 1
Johann Sebastian Bach; Trois pièces en duo, BWV 802, 804, 805
Ernst Eichner; Duo en sol majeur 
Johan Halvorsen; Passacaille sur un thème de Haendel
[XPARTX 48127 21, M6 225493]

Face 2
André Souris; Trios pieces Anciennes
 instrumentées pour violon et alto, Rondeau - La, mi, ré - Estampie 
Bohuslav Martinu; Trois Madrigaux  
[XPARTX 48128 21, M6 225494]

Lola Bobesco, violon
Freddy Legrand, alto
ALPHA DB 45

DB 177はステレオでしたが、これはマトリクスがXで始まるのでモノラル盤です。
バロックは1曲目と2曲目だけで、あとはバロック風現代作品ですが、[1]によると、
The 1st work originally for keyboard instrument.
Duo en sol majeur not composed by Eichner.
とのことです。

以下、Wikipediaによると、
エルンスト・アイヒナー (1740-1777)は、ドイツの作曲家・バスーン奏者。
「ヴァイオリンとヴィオラのための6つの二重奏曲, Op.10」の3曲目に、問題のト長調があります。
楽譜[2]を見ながら聴くとたしかにこの曲です。[1]は偽作説ですが一般的にはアイヒナー作曲とされているようです。
楽譜を見てもう一つ気付いたことは、高いパートが必ずしもヴァイオリンではないことです。
ヴィオラが高い方を弾き、ヴァイオリンが低い方を弾く部分もあります。この辺りはステレオで聴きたかったですね。

ヨハン・ハルヴォルセン (1864-1935)は、ノルウェーの作曲家・指揮者・ヴァオリニストで、グリーグの姪と結婚。
「ヘンデルの主題によるパッサカリア」は1897年の作品。原曲はヘンデルの「チェンバロ組曲第7番ト短調 HWV 432」の最終楽章「パッサカリア」。

アンドレ・スーリー (1899-1970)は、ベルギーの作曲家。シュルレアリスム運動に参加するも追放され、その後は古楽にのめり込む。
「ヴァイオリンとヴィオラのための3つの古楽」は1965年(?)の作品。

ボフスラフ・マルティヌー (1890-1959)は、チェコ出身の作曲家で、チェコ、パリ、アメリカで活動、多作で有名。
「ヴァイオリンとヴィオラのための3つのマドリガル」は1947年ニューヨークでの作品。

以前、ボベスコ/ルグランのモーツァルト・デュオ

MOZART; duo for violin & viola K 423
[XPARTX 44340 21, M6 217655]
MOZART; duo for violin & viola K 424
[XPARTX 44341 21, M6 217656]
LOLA BOBESCO violin
FREDDY LEGRAND alto
FRENCH PRESSING ALPHA - CL 3010

を入手しましたが、マトリクス番号から見ると、DB 45はこれの続編のようです。
DBはDiscophiles Belgesだと思いますが、CLは何でしょう、classique?
このCLとDBの使い分けがよくわかりません。
発売時期的なものでしょうか?ご存じの方ご教示ください。

前報で書いたように、常用のバチモンプレーヤが壊れたのでコラーロで再生、カーブはRIAAです。
ボベスコの細く優美でツヤのある音は似ています。
二つの楽器のバランスは、モーツァルトではボベスコがルグランより前に出ましたが、このレコードはそれほどでもありません。

この中で、3曲目のハルヴォルセンの「ヘンデルの主題によるパッサカリア」は下記のCD、

Hommage a l'Ecole Franco-Belge de Violon - Lola Bobesco & Henri Lewkowicz,
Spectrum Sound, CDSMBA014 (2016)
セッション録音:1961年3月31日/パリ

に、同じカップルの演奏があります。
ほとんど同時期の録音だと思われますが、聴き比べてみると、
CDの方が、音はオンマイクですっきりしています。
演奏は表情が豊かでいきおいがありますが、荒削りです。

それに対してレコードは、音は柔らかで、滑らかです。
演奏は溌剌として、二人の一体感があり、美しく整っています。

こういう聴き比べをすると、CDの方がHiFiで生々しく、今レコードを聴く意味はどこにあるんだろうと、つい思ったりしますが、
管見では、このCDの音源はおそらく未編集であろうと思われるのに対し、DB 45は単なるレコード=記録ではないということです。音作りも含めて、作り手のインテリジェンスを感じます。

References
[1] https://trove.nla.gov.au/work/179868667?q&versionId=195774248 
[2] https://imslp.org/wiki/6_Duos_for_Violin_and_Viola%2C_Op.10_(Eichner%2C_Ernst)



by ibotarow | 2019-04-28 08:20 | ヴァイオリン_電気録音 | Comments(0)


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