2019年 07月 28日
以前、Francesco Tamagno (1850-1905)のディスコグラフィを示しましたが、今回、それをマトリクス順に並べ替え、C. Zwargの"Speeds & Keys"[1]から、キー、ピッチ(Hz)、回転数(rpm)のデータを拾って【 】内に記入すると、下記のようになりました。 なお、マトリクスのサフィックスは、ケリー[2,3]に準拠しています。
April 1904, Milan (or Rome) これらのうち、 A4と思われる430 Hz付近の、青(3012)と赤(3014)のピークは、ビブラートのせいか、幅が広がっていますが、灰(3025)のA4のピークは単峰性で、周波数は432 Hzなので、[1]と同じピッチであることがわかります。 また、青(3012)の520 Hz付近のひときわ大きなピークは、トロヴァトーレ「見よ、恐ろしい火を」のサビの部分の、強烈なC5(ハイC)の音ですが、なるほどこれが"steel-tipped voice"か、と思わせます。 まず3014について、Symposiumの復刻CD[4]と平均スペクトルを比較してみると、下図のようになりました。 このレコードの取り込みレベルはちょっと低かったようですが、形はよく似ています。 これはレベルもほぼ同じで、形もよく似ています。 A4付近のピークは複数あってわかりにくいので、G4と思われる380 Hz付近の単峰性のピークを見ると、 G4 (75.4): 386 Hz G4 (CD): 387 Hz と、復刻CDの方がわずかに高い結果となりました。 なお、[1]による回転数、75.1 rpmは、冒頭のリストの()内の値、75.5 rpmに近い値です。 最後に3025について、Symposiumの復刻CD[4]と平均スペクトルを比較してみると、下図のようになりました。 こちらもレベルはほぼ同じで、形もよく似ています。 A4と思われる430 Hz付近の単峰性のピークを見ると、 A4 (76.9): 432 Hz A4 (CD): 430 Hz と、復刻CDの方がわずかに低い結果となりました。 レコードのピーク周波数は、前述のように、[1]によるピッチ、A=432 Hzと同じ値です。 なお、[1]による回転数、76.9 rpmは、冒頭のリストの()内の値、77 rpmに非常に近い値です。 というわけで、今回は3面とも、Symposiumの復刻CDとほとんど同じピッチになりましたので、迷うことなく、[1]による回転数で再生することにしました。 Feb. 1903, Ospedaletti [3014 R] 52679 Il Profeta: Sopra Berta l'amor mio (Meyerbeer) 75.4 rpm [3012 W] 52677 Il Trovatore: Di quella pira (Verdi) HMA4 75.1 rpm [3025 W] unpubl. Otello: Ora e per sempre addio (Verdi) HMA4 76.9 rpm References [1] Chris Zwarg, "Speeds & Keys Vol. I Gramophone Co. (1898-1921)", Truesound Transfers (Berlin, 2018) [2] Alan Kelly, "Matrix Series suffixed a/b/c, recorded by Frederick William Gaisberg et al, 1900 to 1919", MAT102 (December, 2002) [3] Alan Kelly, "Matrix Series suffixed g, h, i(j) (early use B, x, y), Recorded by William Sinkler Darby, 1901-1909", MAT104 (October, 2003) [4] Francesco Tamagno, SYMPOSIUM 1186 & 1187X (1997)
by ibotarow
| 2019-07-28 08:37
| 男声_ラッパ吹き込み
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