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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2019年 10月 27日

アダムスG&Tの回転数

以前、Suzanne Adams (1872-1953) のG&Tのリストを示しましたが、今回、それに、C. Zwargの"Speeds & Keys"[1]から、キー、ピッチ(Hz)、回転数(rpm)のデータを拾って【 】内に記入すると、下記のようになりました。

G&T
June 1902
, London
[2035-G] 3291 Jewel Song, Faust (Gounod), 5004, 【E, 452, 77.0】
[2036-FG] 3292 Coquette (Stern), 5005, 91004, IRCC 98, 【C, 452, 76.5】
[2037-nB] 3293 Valse Aria, Romeo et Juliette (Gounod), 5007, 91006, IRCC 98, 【F, 452, 76.8】
[2149-W, 2149] 3294 Home Sweet Home (Bishop), 5006, 91005, 【F, 452, 80.0】
[2151 W2] 3295 Printemps Nouveau (Vidal), 【G, 452, 78.5】

ピッチは1902年London Reds共通のA=452 Hzで、回転数は76.5~80.0 rpmの範囲に分布しています。
この中で、
[2036-FG] 3292 Coquette (Stern), 91004
について、76.5 rpmで再生したレコードと、比較のため、Symposium[2]とTruesound Transfers[3]の2種類の復刻CDのスペクトルを調べてみました。

アダムスG&Tの回転数_d0090784_08224392.jpg

これを見ると、灰(2036FG_T)は、[1]を書いたC. Zwargの復刻ですので、当然ながらピッチは青(2036FG_76.5)とよく似ています。
一方、赤(2036FG_S)は、青と灰に比べて、かなり低いピッチです。

A4相当のピークの周波数を見ると、
2036FG_76.5: 454.2 Hz
2036FG_S: 436.7 Hz
2036FG_T: 453.5 Hz
ですので、Symposium [2]の回転数は、
436.7/454.2*76.5=73.6 rpm
となります。

ここで、レコード、復刻CD[3]とも452 Hzより少し高めに出ていますが、ピークの形は左右非対称で、高い方に寄っています。
そこで、対称形のG4相当のピーク周波数を見ると、
2036FG_76.5: 402.4 Hz
2036FG_T: 402.4 Hz
で、A4に換算すると、
402.4*1.122462=451.7 Hz
ですので、ピッチはA=452 Hzとして良いと思います。

前に書いたように、C. Zwargは、A=452 Hzのピッチにかなり自信があるようなので、[1]による回転数で再生することにします。
[2036-FG] 3292 Coquette (Stern), 91004 76.5 rpm

しかしながら、この音源とSymposiumの復刻CDは半音近い差がありますので、聴いた印象はかなり異なります。
そこでHarold Wayneに敬意を表して、73.6 rpmで再生した音源も参考データとして供することにします。
[2036-FG] 3292 Coquette (Stern), 91004 73.6 rpm

References
[1] Chris Zwarg, "Speeds & Keys Vol. I Gramophone Co. (1898-1921)", Truesound Transfers (Berlin, 2018)
[2] The Harold Wayne Collection, Vol. 8 (1902), Symposium 1100 (1994)
[3] The 1902 "London Reds”, Truesound Transfers TT4002 (2017)



by ibotarow | 2019-10-27 08:04 | 女声_ラッパ吹き込み | Comments(0)


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