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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2019年 10月 20日

ファン・ロイG&Tの回転数


以前、Anton van Rooy (1870-1932)のG&Tのリストを示しましたが、今回、それに、C. Zwargの"Speeds & Keys"[1]から、キー、ピッチ(Hz)、回転数(rpm)のデータを拾って【 】内に記入すると、下記のようになりました。

G&T
June 1902
, London
[G1945nB] 2-2685 Die Walküre: Leb' wohl du kühnes herrliches kind (Wagner) 【D, 452, 71.6】
[1946G] 2-2716 Meistersinger: Jerum!Jerum! Hallo-hallo-he! (Wagner) 【B, 452, 71.6】
[1947G] 2-2715 Tannhäuser: Der Sängerkrieg (Wagner)  【E, 452, 73.6】
[1948G] 2-2714 Das Rheingold: Vollendet das ewige Werk (Wagner) 【D, 452, 72.2】
June 20, 1902
[2010R] 2-2701 Das Rheingold: finale (Wagner) 【G, 452, 79.4】
[2012FG] 2-2700 Das Mühlrad (volkslied )  【G, 452, 80.6】

ピッチは1902年London Reds共通のA=452 Hzで、回転数は72 rpm前後と、80 rpm前後の二つのグループに分かれています。
この中で、
[2012FG] 2-2700 Das Mühlrad (volkslied )
について、80.6 rpmで再生したレコードと、比較のため、Symposium[2]とTruesound Transfers[3]の2種類の復刻CDのスペクトルを調べてみました。


ファン・ロイG&Tの回転数_d0090784_08063601.jpg

これを見ると、灰(2012FG_T)は、[1]を書いたC. Zwargの復刻ですので、当然ながらピッチは青(2012FG_80.6)とよく似ています。
一方、赤(2012FG_S)は、青と灰に比べて、かなり低いピッチです。

A4相当のピークの周波数を見ると、
2012FG_80.6: 452.2 Hz
2012FG_S: 430.0 Hz
2012FGF_T: 451.5 Hz
ですので、Symposium [2]の回転数は、
430.0/452.2*80.6=76.6 rpm
となります。

前に書いたように、C. Zwargは、A=452 Hzのピッチにかなり自信があるようなので、[1]による回転数で再生することにします。
[2012FG] 2-2700 Das Mühlrad 80.6 rpm

しかしながら、この音源とSymposiumの復刻CDは約半音の差がありますので、聴いた印象はかなり異なります。
そこでHarold Wayneに敬意を表して、A=430 Hz、76.6 rpmで再生した音源も参考データとして供することにします。
[2012FG] 2-2700 Das Mühlrad 76.6 rpm


References
[1] Chris Zwarg, "Speeds & Keys Vol. I Gramophone Co. (1898-1921)", Truesound Transfers (Berlin, 2018)
[2] The Harold Wayne Collection, Vol. 8 (1902), Symposium 1100 (1994)
[3] The 1902 "London Reds”, Truesound Transfers TT4002 (2017)




by ibotarow | 2019-10-20 08:22 | 男声_ラッパ吹き込み | Comments(0)


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