2020年 04月 26日
![]() ローラ・ボベスコ(1921-2003)は、1948年にジャック・ジェンティ(1921-2014)と結婚し、1950年、英デッカに二人で2枚の10インチ盤を入れています。 EMIと同じように、デッカにも英国プレスの米国向けロンドン盤があり、昔から音質の違いが噂されて来ました。 11 Dec. 1950, West Hampstead Studios, London DECCA LX 3057 フラットエッジ, 137 g LONDON LPS 327 フラットエッジ, 135 g カッティングはどちらも初版で同一です。 Tax Codeは、どちらも"CT"です。これは[2]のリストには見当りませんが、[3]によると、紛らわしいことに、デッカは一部記号が異なるようです。 ピックアップはDecca XMS、イコライザはRIAAです。 聴感上これだけ違うと、スペクトルもさぞかし差があるのでは、と期待が高まります。 ![]() それぞれのA面の冒頭4分間を比較してみました。 ![]() ありゃ、予想に反して、ほとんど同じです。 しかし、この結果を見てから改めて聴き比べてみると、今度はあまり違いが感じられませんでした。 そこで、日ごろお世話になっているさる達人に、スペクトルを見ていただいた上で音源をお送りして、鑑定をお願いしたところ、「同じカートリッジ使用とは思えないほど異なる。」とのお答えでした。 それに意を強くして、何とかスペクトル上でも違いを見出せないかと、前回のデ・ヴィートであれだけ差が出たからあるいは?と淡い期待を抱いて、EMI-17Aを試してみました。 ![]() 10 kHz以上の差は、それぞれの高域特性がそのまま出ているのでしょうね。 さてEMI-17Aで、それぞれの冒頭4分間を比較してみたところ、 ![]() 15 kHz付近にわずかに違いが見られます。せいぜい2 dB程度ですので、これが聴感に効くかどうかさだかではありませんが、少なくともボクの駄耳では、Decca XMSの時と同様、デッカ盤の方が細身で繊細な感じがしました。 という訳で、スペクトルにはほとんど表れないけれど、デッカ盤とロンドン盤には明らかに音質の違いがあるようです。 ![]() References
by ibotarow
| 2020-04-26 08:37
| ヴァイオリン_電気録音
|
Comments(2)
![]()
こんにちは。拝見して楽しんでいます。回転数がレコードによって違うことはなんとなく気がついていました。楽器を使って正しい音程を確認して回転数を調節しています。今の時代とは思えぬアナログな方法です。
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オペラ大好きさま、ご訪問ありがとうございます。
楽器を使って音程を確認されるのは正統的な方法だと思います。 ただ、その楽器のピッチが録音された当時のピッチと同じかどうか、なんて考え始めるとドロ沼に嵌りますが。 Chris Zwargの"Speeds & Keys"には、様々なピッチが紹介されています。 https://ibotarow.exblog.jp/27148641/ |
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