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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2020年 07月 26日

ショルティ「ラインの黄金」SXL初版(1E)盤を聴く愉悦

ショルティ「ラインの黄金」SXL初版(1E)盤を聴く愉悦_d0090784_08522865.jpg

このたび、見果てぬ夢だと思っていた「ラインの黄金」SXL最初期の1E盤を入手、これを僥倖と言わずして何と言わんや、と一人で悦に入っていましたが、つい最近、某オークション[1]でも見かけましたので、わりと普通にあるのかもしれません。なんだ、がっかりです。
気を取り直して、今までの5G~9G盤と比較してみます。

24-26, 29, 30 September, 1-3 & 6-9 October 1958, Sofiensaal, Vienna
WAGNER: Das Rheingold
 Kirsten Flagstad (Fricka), George London (Wotan), Set Svanholm (Loge), Gustav Neidlinger (Alberich)
 Georg Solti / The Vienna Philharmonic Orchestra
(First released: March 1959)

SXL 2101 [ZAL-4260-1E, 1, UM, ET] / [ZAL-4265-1E, 2B, BA, ET]
SXL 2102 [CA ZAL-4261-1E, 2B, CM, ET] / [ZAL-4264-1E, 2B, UA, ET]
SXL 2103 [ZAL-4262-1E, 2B, M, ET] / [ZAL-4263-1E, 2, BM, ET]

SXL 2101 [ZAL-4260-7G, 3B, GI, KT] / [ZAL-4265-5G, 2B, G, KT]
SXL 2102 [ZAL-4261-5G, 1, GK, KT] / [ZAL-4264-6G, 1, GB, KT]
SXL 2103 [ZAL-4262-5G, 21, M, K?T] / [ZAL-4263-9GR, 1, U, KT]

カッティング技師は別人で、[2]によると、
E: Stan Goodall
G: Ted Burkett
まあ、名前がわかったからと言ってどうなるもんでもないですが。

またTax Codeは、[3]によると、
ET: 1959年4月から1960年7月まで
KT: 1963年7月から1966年7月まで
したがって、両者の間には3年から7年の隔たりがあります。

ピックアップはDecca FFSS Mk.II、イコライザはRIAAです。
比較したのは、前回と同じ、第6面の冒頭4分間です。

PCに取り込んだ後、左右をミックスしてスペクトルを求めました。

ショルティ「ラインの黄金」SXL初版(1E)盤を聴く愉悦_d0090784_09053559.jpg

よく似ていますが、1 kHz以上で5G盤の方が少しレベルが上がっています。特に、5 kHz前後では、数dBの差が見られます。

聴いた感じもだいぶ違います。交互に3回ほど繰り返して聴き比べた結果、
1E: 5G盤に比べ、荘重で分厚い音。弦は一見くすんでいるが、よく聴くと50年代のデッカ特有の軽やかな弦。
5G: 1E盤より明るく、華やかな音。弦も金管も倍音豊かで、昔から聴きなじんできたデッカ・サウンド。

というわけで、どちらが「ラインの黄金」の世界によりふさわしいかというと、蒼古たる響きをもつ1E盤でしょうか。でも、お化粧して美人になった5G盤も魅力的です。



by ibotarow | 2020-07-26 08:07 | 女声_電気録音 | Comments(0)


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