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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2021年 01月 31日

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_10054347.jpg


DF 98/99のラモーは、DF2桁盤とはいえ前報のDF 37、86より新しく、しかもALPHAやEMIの新盤とも曲の長さは同じ、つまりピッチは揃っていたので、調査の対象とはしませんでしたが、前回の2枚ともピッチが少し高めだったので、DF 98/99も同じように高いかどうか気になって、今回、調べてみることにします。

まず、DF 86のラモーは次の5曲です。

DF 86
Rameau:
A6. L'Entretien des Muses
A7. Les Sauvages
A8. Les Tendres Plaints
A9. Le Rappel des oiseaux
A10. Les Cyclopes

これに対応するDF 98/99の曲は、下記の太字です。

DF 98
Premier Livre (1706)
A1. Prelude
A2. Allemande
A3. 2e Allemande
A4. Courante
A5. Gigue
A6. Sarabande
A7. Vénitienne
A8. Gavotte
A9. Menuet

Recueil De 1724 (Début)
A10. Menuet En Rondeau
A11. Allemande
A12. Courante
A13. Gigue En Rondeau
A14. 2e Gigue En Rondeau
A15. Musette En Rondeau
A16. Le Rappel des oiseaux

Recueil De 1724 (Suite)
B1. 1er Rigaudon
B2. 2e Rigaudon Et Double
B3. Tambourin
B4. La Villageoise
B5. Les Tendres Plaintes
B7. Les Niais De Sologne
B8. 1er Et 2e Doubles Des Niais
B9. Les Soupirs
B10. La Joyeuse
B11. La Follete
B12. L 'Entretien Des Muses
B13. Les Tourbillons
B14. Les Cyclopes

DF 99
Recueil De 1724 (Fin)
A1. Le Lardon
A2. La Boiteuse

Nouvelles Suites (Début)
A3. Allemande
A4. Courante
A5. Sarabande
A6. Les Trois Mains
A7. Fanfarinette
A8. La Triomphante
A9. Gavotte Et 5 Doubles
A10. Les Tricottets
A11. L 'Indifférente

Nouvelles Suites (Fin)
B1. Menuet
B2. 2e Menuet
B3. La Poule
B4. Les Triolets
B5. Les Sauvages
B6. L ' Enharmonique
B7. L 'Egyptienne
B8. La Dauphine

5 Piéces Extraites Des Piéces En Concert
B9. La Livri
B10. L 'Agaçante
B11. La Timide (1er Et 2e Rondeaux)
B12. L 'Indiscréte


以前、DF 86とDF 99のLes Sauvagesをステレオの左と右に振り分けて聴いてみて、同じ演奏だと確認しましたが、今回はDF 86の5曲と、DF 98/99の同じ5曲についてピッチを一対比較します。
長さが4分以上の曲については最初の4分間、それ以下の曲については始めから終わりまでの平均スペクトルを求めます。

まず、L'Entretien des Muses、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_08350020.jpg

次に、Les Sauvages、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_08344061.jpg

次に、Les Tendres Plaints、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_08351538.jpg

次に、Le Rappel des Oiseaux、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_08345137.jpg

最後に、Les Cyclopes、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_08350791.jpg

という訳で、ピッチはDF 86とDF 98/99でほぼ揃っており、いずれもA=440より少し高い結果となりました。これが、メイエルは高めのピッチを好むからなのか、あるいはカッティングの問題なのかは、依然さだかではありません。

試みに、Les Cyclopesについて、CD[1]と比較してみると、

マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_07374734.jpg

となりました。
CDのピッチはA=443付近で、レコードとよく一致しています。
以前、1946年録音のSP復刻のラモーDF 14を調べた時は、CDの解説に、
"Lastly, the pitch has been set at 440 Hz for all the 78 sides that sounded a semitone higer."
とあって、ピッチ補正をしたと明記してあったのですが、1953年録音の場合は、補正せずにLPの値を踏襲したようです。

と、ここでやめておけば、メイエルは高めのピッチを好むようだと、仮初めにせよ結論めいたセリフで終わることができたのですが、DF 86に入っていないほかの曲はどうだろうかと、DF 98Aの冒頭の曲PreludeをCDと比較してみると、


マルセル・メイエルのDF2桁盤のピッチについて その2_d0090784_15533443.jpg

となりました。
ありゃ!? Les Cyclopesと違ってCDのピッチはA=436付近で、これまたレコードとよく一致しています。
どうも、曲によってピッチが微妙に異なるようですが、全部調べるのは大変ですので、これで終わりにします。

ここまでで言えることは、ピッチのばらつきはカッティング時ではなく、マスターテープの段階で既に生じているらしいということと、老いぼれガラードもそんなに捨てたもんではない、ということでしょうか。

Reference
[1] Marcelle Meyer - Complete Studio Recordings 1925-1957, Documents, LC 12281


by ibotarow | 2021-01-31 08:04 | ピアノ_電気録音 | Comments(0)


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