2007年 12月 02日
どうもボクはテノールよりも、バリトンやバスの深々とした声が好みのようで、特に、フレンチ・バリトンのヴィクター・モーレルやモーリス・ルノー、フレンチ・バスのポル・プランソン(1851-1914)がお気に入りである。 プランソンの歌唱の中では、J. B. フォーレのLes Rameauxの、ロマンティックな切なさが素晴らしい。 最初に、1902年のG&Tの吹込みを復刻CDで聴いて、いたく感じ入ったので、写真のVictor盤を入手したが、どうもG&Tほどの感激はない。 こんなはずではなかったと、Boligのディスコグラフィー[1]で調べてみると、同じカタログ番号85020で3種のテイクがある。S/8盤も入れると4種類の85020が存在することになる。 これらを聞き比べるために、Victorのすべてのテイクが入ったロモフォンの復刻CD[2]を購入した。このCDは、そのうち買おうと思っているうちに店頭から姿を消し、ロモフォンのサイトも無くなったので、やむを得ずebayで入手した。 このCDには、復刻を担当したマーストンが興味深い解説を書いている。プランソンは、吹き込み時、ラッパにぴったり近接して、とんでもない大声で歌うので、溝の振幅が大きく、その分、原盤の損耗も早いので、同じカタログ番号で、何度も吹き込み直しをせざるを得なかったそうである。 そうか、そういう事情があったのか。 さて、プランソンのLes Rameauxはボクの知る限り、 G&T 2-2665 [1922G] (1902) Zonophone X-2065 (1902?) Victor 85020 [C 872-1] (23 xii 1903) Victor 85020 [C 872-2] (24 i 1905) Victor 85020 [C 3167-2] (14 iii 1906) の5種ある。上の4つはピアノ伴奏、最後はオーケストラ伴奏である。 写真の盤には、Victorには珍しく、手書きのマトリクス番号(C3167、でもハイフン2はなかった。)が、6時の位置に刻まれており、一番新しい1906年録音のもののようだ。 上の5種を復刻CDで聴き比べると、年代を遡るに連れて、味わいが濃くなっていくような気がする。 いつの日か、1902年London Redsの一枚を手に入れることを夢見て。 References [1] John R. Bolig, "The Victor Red Seal Discography Volume 1: Single-Sided Series (1903-1925)", (Mainspring Press, Denver, Colorado, 2004) ISBN 0-9671819-8-4 [2] Pol Plançon the complete Victor recordings (1903-08), ROMOPHONE 82001-2 (1993)
by ibotarow
| 2007-12-02 07:34
| 男声_ラッパ吹き込み
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