2008年 02月 03日
![]() フラグスタートは1913年12月12日にデビューしたが、このときはまだ学生であった。翌1914年に2度目の舞台を踏んだ。オデオンの録音はこの頃行われたことになる。 第1次大戦中は目立った活動はしなかったようだ。1919年に彼女はSigurd Hallと最初の結婚をし、翌年、娘Elseが生まれた。 その後、オスロでオペレッタやレヴュー、ミュージカル・コメディの舞台で修行を積んだ。そして1928年にスエーデンのオペラ劇場と契約した。 彼女はこの年に離婚し、1930年にHenry Johansennと2度目の結婚をした。 1923年10月1日にHMVに4面2枚を吹き込んだ後、しばらく録音は途絶えていたが、1929年1月19日オスロで、HMVに初めての電気吹込みを行った。 このときのセッションでは、6面3枚の歌曲が2テイクずつ吹き込まれ、下のリストのテイクが1月から2月にかけて発売された[1]。 曲目は1923年の吹き込みと2曲が重複しており、X1940とX2975が同じ曲目の組み合わせである。 H.M.V. 19 Jan 1929 (Oslo) X2974 [BN 190Ⅰ] Sne (Sigurd Lie) piano by Alnaes X2974 [BN 191Ⅱ] Lykken mellom to mennesker, op. 26 no. 1 (Eyvind Alnaes) composer at the piano X2975 [BN 192Ⅱ] Saterjentens Sondag (Ole Bull) small orchestra X2975 [BN 193Ⅰ] Solveigs sang, op. 23 no. 1 (Edvard Grieg) small orchestra X3068 [BN 194Ⅰ] Millom rosor, op. 39 no. 4 (Edvard Grieg) orchestra X3068 [BN 195Ⅰ] Modersorg, op. 15 no. 4 (Edvard Grieg) orchestra なお、[1]のディスコグラフィーには載っていないが、先般入手した復刻CD[2]には、1930年1月にオスロで行われたColumbiaへの吹き込みが4面2枚収録されている。同時期の録音がこの他にもあるかどうかは不明である。 Columbia Jan 1930 (Oslo) DN53 [WN 67] Sidste reis, op. 17 no. 2 (Eyvind Alnaes) DN23 [WN 68] A.B.C.-Viser (Palenz) DN23 [WN 69] Lille-Barnet (Thommesen) DN53 [WN 70] Ingrid Sletten av Sillejord (Rikard Nordraak) 最近、1929年のHMV2枚を入手した。X2974とX2975である。盤面の名前は、最初の夫の姓を付けて、Kirsten Flagstad Hallを名乗っている。 1913,4年のオデオンや1923年のHMVは、それぞれの年代でしか唄えない美しさはあるにしても、この2枚には、表現のしなやかさ、スケールの大きさ等、成長のあと著しいものが感じられる。オスロ時代の修行の賜物であろう。 もっとも、一時期、IRCCがX2975を再プレスしようとしたが、フラグスタート自身の反対によって中止されたそうである。本人にとってみれば、未熟な出来だったのかもしれない。 この後、フラグスタートは1933年から2年間バイロイトと契約した後、1935年、メトにデビュー、裂帛の気迫を身に纏ったワーグナー・ソプラノへと変貌するのであるが、上の録音は、その前段階の、たおやかな乙女の雰囲気を残す歌唱として貴重である。 References [1] J. Dennis, "Kirsten Flagstad", The Record Collector, Vol. VII, No. 8, (August, 1952) 173-190. [2] KIRSTEN FLAGSTAD VOLUME I: The Early Recordings 1914-1941, SIMAX PSC1821 (1995)
by ibotarow
| 2008-02-03 11:51
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