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いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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2008年 10月 05日

シュタルケルのコダイ無伴奏Period盤復刻CDその2

シュタルケルのコダイ無伴奏Period盤復刻CDその2_d0090784_11201197.jpg

あれから、2枚の復刻CD[1, 2]を聴きました。両方ともSPLP510からの復刻です。
その中でも、「男の隠れ家」が頒布したCDR[2]は、今まで聴いたことのない上品な音がしました。
非常に肌理の細かい弦の音で、全体として軽い、柔らかい感じなのですが、鮮明なのです。
拙い経験でいえば、1950年代のデッカの弦の音に似ているなと思いました。

デルタ[1]は、もうちょっと粒子が粗くなり、その代わり、力強さが出てきます。
荒々しい迫力はこちらの方が数段優ります。でも、先日の夏目盤ほどではありません。

この2種類を1枚のCDRにコピーして、何回か繰り返して聴きましたが、デルタ盤になると、早く隠れ家盤の方を聴きたいと思うようになります。

もう一つの初版LPからの復刻のMYTHOS盤は、これらに比べるとかなり異質です。
元のLPの音を聴いたことがないので、どちらが正しいとはいえませんが、MYTHOSは、高音を人為的に持ち上げている感じがしてなりません。
その結果、松やには盛大に飛ぶようになりましたが、不自然な音になったと思います。

シュタルケルのコダイ無伴奏Period盤復刻CDその2_d0090784_1126986.jpg

その後、たかたさんから、自家製復刻CDRをいただきました。ストロボレーベル盤です。
おそらくM氏のサイト[3]の分類による4版だと思われます。
最初、これだけ聴いたときには、まともなバランスで、そんなに言うほど悪くないじゃないかと思いました。今まで聴いた中ではEMG盤と音のバランスは似ています。
次に、隠れ家盤を聴きますと、こちらの方がヴェールを1枚剥ぎ取ったような鮮明さでした。
でも、音のきめ細かさは両者とも似ていると思います。

今回6種類の復刻CDを聴きましたが、大別すると2つのタイプに分かれると思います。
一つは、弦の音が、きめ細やかで柔らかいタイプで、これには、
「MYTHOS」、「隠れ家」、「EMG」、「たかた」
が入ります。
このうち、前者2つが初版、後者2つが4版からの復刻だと思われます。
前者と後者の違いは、高音のレベルの違いで、前者の方が大きく、さらに前者の中でも、MYTHOSは、高音の一部を増強したように聴こえます。後者の中では、EMG盤がもっともナローレンジでした。

もう一つは、弦の音が硬く、力強い響きのタイプで、これには、
「夏目」、「デルタ」
が入ります。これはおそらく3版からの復刻だと思われます。
夏目盤とデルタ盤の比較では、前者の方がより荒々しさを強調した音作りだと思いました。
デルタ盤は、トラックリストにSPLP510と書いてあったので、あるいは初版かもしれませんが、初版と同じPeriod共通ジャケットに3版と同じアズキ色レーベルの盤も見たことあるので、なんともいえません。

一般の米盤のイメージからいうと、こちらのタイプの方が迫力があり、より似つかわしい感じです。

それに対して、初版および4版は、音のバランスこそ違え、米盤らしからぬ、ヨーロッパ盤のような響きを聴かせます。
トーシローさんも指摘されていたように「感覚的に米国?なのになにか音色が違う」のです。

以上6種類の復刻CDは、すべて再生装置も異なるし、エンジニアも違うので、一般性のある結論を導き出すことはできませんが、コダイ無伴奏の初版LP信仰は、少なくともボクの中では無くなりました。

最後に、デルタの音源をいただいたH.さん、男の隠れ家のCDRを貸していただいたがー介さん、自家製復刻CDRを作っていただいたたかたさんに厚く感謝の意を表します。

References
[1] コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ作品8/ファリャ:スペイン民謡組曲/シュタルケル, Delta Classics DCCA-0035 (2007)
[2] コダーイ チェロソナタ, ヤーノ・シュタルケル=チェロ 1948~49年 SPLP510, Idea Life Co. Ltd. (2008)
[3] http://tama-san.com/favorite03.html

by ibotarow | 2008-10-05 11:29 | チェロ | Comments(0)


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