いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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カテゴリ:ヴァイオリン_電気録音( 52 )


2018年 07月 15日

エネスコのRemington盤その3

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その後、毒食らわば皿までと、Remingtonの3枚目、エネスコのソナタ第2番を入手しました。

Sonata No. 2 for Violin and Piano in F minor, Op. 6
RLP-149-42-A [AV 33-253] 1. Assez mouvemente
RLP-149-42-B [AV 33-254] 2. Tranquille / 3.Vif
George Enescu (violin), Céliny Chailley-Richez (piano)

マトリクス番号から、シューマンより少し前の録音のようです。
Discographie Enesco violoniste[1]によると、1951年、パリ録音だそうです。
さっそくタンノイモノで聴いてみました。イコライザはRIAAです。
やはりテープ録音なのでしょうか、音はシューマンと大差ありません。

エネスコのヴァイオリンソナタは、捉えどころの無い、ぐにゃぐにゃした印象で、いっぺん聴いただけでは全体像が掴めません。
この傾向は第3番でさらにひどく、いや強くなり、例えば半音のさらに半分の4分音が使われているそうです。
第2番はまだかろうじて骨格らしきものはあります。

Wikipedia[2]によると、エネスコは1895年から99年までパリ音楽院で学びましたが、この曲は最後の年に作曲されました。
師匠のフォーレの影響が強いと言われています。
初演は1900年2月22日、パリでティボーのヴァイオリンとエネスコのピアノによって行われました。
この時、ティボー19歳、エネスコ18歳。若き俊英二人の協演はさぞ素晴らしかったことでしょう。

なお、ピアノ伴奏のCéliny Chailley-Richez については、例のThe Remington site[3]によると、1884年のフランス生まれで、パリ音楽院でプーニョに師事しました。
エネスコより3歳年下ですが、1等賞を取ったのはエネスコに1年先んじた1898年でした。
彼女のパリの家には、ヌヴーやボベスコが出入りしていたそうです。
1973年没で50年経っていないので、たぶん著作権はまだ消えていないでしょうね。
あるいは、レコード発売から50年以上経っているのでOKかもしれませんが、その辺よくわからず、また音源の公開が目的でもありませんので、前報のシューマンのソナタNo.2と同じく、音源のアップは見合わせます。



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by ibotarow | 2018-07-15 08:18 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2018年 07月 01日

エネスコのRemington盤その2

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SP盤の回転数調べも少々飽きてきたし、梅雨の間はLPを聴こうと思っていたら、なんと、もう明けてしまったようです。
しかし何年か前も、気象庁の発表を信じてレコードケースの乾燥剤を出してしまったら、その後、戻り梅雨になってえらい目に会ったことがありますので、もう少し様子を見ます。

前報「エネスコのバッハ無伴奏Remington盤」で、エネスコのRemington録音のリストを示しましたが、ヴァイオリン独奏盤を再掲すると、

PL-1-149
Bach: Sonata No. 2 in B minor for Violin Solo (Partita No. 1 in B minor)
R-149-42
Enesco: Sonata No. 2 in F minor.
With Celiny Chailley-Richez, piano
R-149-50
Schumann: Sonata No. 2 in D minor Op. 121.
With Celiny Chailley-Richez, piano

の3枚あります。
このたび、シューマンのソナタ第2番
RLP-149-50-A [AV 33-356] 1. Maestoso - Allegro / 2. Molto vivace
RLP-149-50-B [AV 33-357] 3. Allegretto moderato / 4. Allegro molto agitato
を入手しました。
このレコードは、たしか野口晴哉氏がラジオ技術誌で紹介されていたので、昔から気にはなっていましたが、バッハ無伴奏の陰に隠れて、今まで未聴のままでした。、

さっそく同年代のタンノイモノで聴いてみました。イコライザはRIAAです。
このカートリッジはシールドが悪いのか多少ハムを引きますが、演奏者の表情を生き生きと再現する点において、例えばDL102のソツのない音とは別の世界を持っています。

音は、良い意味で予想を裏切られました。
バッハ無伴奏の硬直した音と違って、たっぷりとした柔らかな音です。
これはバッハより周波数レンジが広いせいでしょうか、テープ録音ではないかと思わせます。

例のTHE REMINGTON SITEのEnescoのページ[1]によると、シューマンが発売されたのは1952年5月で、ジャケットには"Copyright 1951"の文字がありましたので、その頃には、ケチなDon Gaborもテープレコーダを導入していたのかもしれません。

演奏は、玄妙にして幽遠、などという自分でも何を言ってるのかよくわからない言葉を並べたくなりますが、決して抹香臭い枯淡の境地ではなく色気もあります。
バッハ無伴奏のような音程の不安定さは、全く気になりません。
やはりエネスコはこういう情緒連綿たる曲を弾かせるとジプシーの血?が騒ぐのですかねえ。
しなやかなボーイングで、水を得た魚のように無碍自在の世界に遊んでいます。

Reference
[1] http://www.soundfountain.org/rem/remenes.html#CONTINENTAL


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by ibotarow | 2018-07-01 08:19 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 12日

秘蔵盤・ヴァイオリンの巨匠達

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先日、某SPレコード愛好会の先達からお借りした
「秘蔵盤・ヴァイオリンの巨匠達 The Art of Virtuoso Violinists(東芝EMI EAC-60230〜39)」
ですが、内容は下記のとおりです。

EAC-60230
パウル・コハニスキ  ”激情と甘美な抒情と趣味のよい音楽性”
[2XJ-3061 1S2 1] ブラームス:ヴァイオリンソナタ3番 (Recorded: 15, JUne 1932)
ヤッシャ・ハイフェッツ ”剛直でワン・マン型”
[2XEA-4941 1S 3] フランク:ヴァイオリンソナタ (Recorded: 3, April 1937)

EAC-60231
ヨゼフ・シゲッティ  ”スチール・アンド・ベルベット・トーン”
[HLM-7016-A 2S 3] メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 (Recorded: September & October 1933) 
[HLM-7016-BJ 2S 3] プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲1番 (Recorded: August 1935)”

EAC-60232
シモン・ゴールドベルグ ”清純で高雅な気品”
[XEX-21 1S 3] モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲3番
[XEX-22 1S 2] モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲4番

EAC-60233
ユーディ・メニューイン ”キング・サイズの神童”
[2XEA-879 1S 1] パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲1番
[0XES-127 1S 1] パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲2番

EAC-60234
ヨハンナ・マルツィ ”絹糸で織り上げられたような繊細で、木目こまやかで、柔らかな感触”
[XRX-207 1S 3] シューベルト:華麗なロンド
[XRX-208 1S 1] シューベルト:ヴァイオリンとピアノの為の幻想曲

EAC-60235
イダ・ヘンデル  ”すっきり、スピーディに、細部まで確実に弾く、いわばやや勝気な気質”
[2XEA-88 1S 1] ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲第1楽章
[2XEA-89 1S 2] ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲第2・第3楽章

EAC-60236
ミシェル・オークレール ”繊細で、センシティブですが、一面、じっくりと腰を落として弾く硬質で芯の強い気質”
[2XJ-1255 2S 4] ルクレール:ヴァイオリン協奏曲イ長調/ト短調
[2XJ-1256 2S 4] ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ/ラヴェル:ヴァイオリンソナタ

EAC-60237
ローラ・ボベスコ ”細くて繊細です。しかし、透明感があり、しなやかで、芯が強く、そして表情が実に豊か”
[730037-2 2S 2] モーツアルト:協奏交響曲
エリカ・モリーニ ”愉悦的で、多少高級少女趣味的な感傷感と抒情性”
[2XJ-3058 1S 1] モーツアルト:ヴァイオリンソナタ40番

EAC-60238
カミラ・ウィックス ”繊細な北欧的感性―暗さのある抒情的な音、素朴さ、ゆったりとした北欧的性格―”
[2XJ-3056 1S 2] シベリウス:ヴァイオリン協奏曲第1楽章
[2XJ-3057-D 1S 2] シベリウス:ヴァイオリン協奏曲第2・第3楽章

EAC-60239
ドゥヴィ・エルリ ”デリケートな気配りや独創的な想像力”
[2XLA-104 1S 4] モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲1番
[2XLA-105 1S 3] モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲2番

各々の内ジャケット裏面に書かれた中村稔氏の解説は読みごたえがあります。
ヴァイオリニストの寸評は、氏の解説からのコピペです。女性の方が説明に力が入っている気がしますが。
ちなみに、メンデルスゾーンの協奏曲は”行けども行けどもバラの花”だそうです。なるほど。

今、気が付いたのですが、このフレーズの元ネタは山頭火の”分け入っても分け入っても青い山”ですね、きっと。

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by ibotarow | 2018-02-12 20:04 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 28日

ミシェル・オークレールの格安CD集をめぐる2,3の覚書

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1. Remington

かのThe Remington Siteの、Michèle Auclair (1924-2005)のページ によると、オークレールのRemington盤は下記の4枚あります。

1950
RLP-199-20 Violin Concerto in D (Tchaikovsky)
with Kurt Wöss / Österreichisches Symphonieorchester

1952
R-199-127 Violin Concerto No. 1 Op. 26 and Kol Nidrei (Max Bruch)
with Wilhelm Loibner / Österreichisches Symphonieorchester
.
1953
R-199-126 Kreisler Encores
* Liebesfreud
* Liebesleid
* Schön Rosmarin
* Caprice viennois
* Old Refrain
* Tambourin chinois
with Otto Schulhof

R-199-128 Kreisler Favorites
* Praeludium & Allegro (Pugnani-Kreisler)
* Melodie (Gluck-Kreisler)
* Rondino On A Theme Of Beethoven (Kreisler)
* Songs My Mother Taught Me (Dvorak-Kreisler)
* Serenade Espagnola (Chaminade-Kreisler)
* Danse Espagnole (de Falla-Kreisler)
with Otto Schulhof

そのうち入手したいと思っていましたが、下記の8枚組CD集に全部入っていることがわかって、CDで済ますことにしました。

Michele Auclair - Milestones of a Legend (Documents 600317A-H)

注文したら翌日届いて、さっそく聴いてみました。
1950年録音のチャイコフスキーが群を抜いて、溌剌として素晴らしい。
まるで、女子プロレスの連続ワザを見ているようです(あんまり見たことないけど)。
オークレールのしなやかで強靭な筋肉が宙を舞います。

あとは、ブルッフ、クライスラーの順に大人しくなります。

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2. Discophiles Français

CD集には、バッハのソナタ、

J.S.バッハ:ヴァイオリンソナタBWV.1014~BWV.1019
マリー=クレール・アラン(Org)
(1956年12月~57年1月録音)

が入っているのですが、以前入手した韓国製CD(PWC2D0013) と聴き比べると、しゃくなことに今回の安CD集の方が、音がしっかりして明晰なのです。

以前のCDはWarner Koreaの発売なので正規盤だと思ったのですが、50年代のディスコフィル・フランセらしからぬ優しい音です。
オリジナルDF盤(DF 209/210)はとてつもなく高価で聴くことすらままならないので、これだけ聴いていたときは、そんなもんかなあと思っていましたが、改めて聴き比べてみると、かつての日本プレス盤と輸入盤ほどの違いがあります。

このCD集には、あと、ドビュッシーとラヴェルのDF録音、

ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ ト短調
ラヴェル:ヴァイオリンソナタ第2番
ジャクリーヌ・ボノー(pf)
(1957年10月24日録音)

があります。
この録音に関しては、某先達のご友人がオリジナルDF盤(525.122)から作られた私家版の音源があるのですが、今、ハードディスクのジャングルの中に埋もれていて、発掘できたら、聴き比べてみます。

オークレールのDF録音は、あとルクレールの協奏曲(525.116)

J. M. Leclair : Violin Concerto Op.7 No. 6 / Op.10 No.6
Karl Ristenpart - Orchestre De La Sarre
(1958年録音)

があるのですが、これは残念ながら入っていません。

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先日、某SPレコード愛好会の先達から、10枚組LP、
「秘蔵盤・ヴァイオリンの巨匠達 The Art of Virtuoso Violinists(東芝EMI EAC-60230~39)」
をお借りしました。

この中には、上のルクレールの協奏曲と、ドビュッシー/ラヴェルのソナタの2枚の10インチ盤を表裏に入れた1枚(EAC-60236)があります。

このレコードは以前、小樽港を一望する、さるマイスターの書斎で聴かせていただきましたが、どんな演奏だったかは、すでに遠い記憶の彼方です。

さっそくルクレールを、虚構世界の美人?タンノイ・シングルで聴いてみました。
歯切れの良い、溌剌とした演奏で、ときどき鋭い切っ先がキラリと光ります。

(2018年2月4日 追記)



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by ibotarow | 2018-01-28 09:56 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 12月 30日

エネスコのバッハ無伴奏Remington盤

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以前、エネスコのレミントン盤のことを調べているときに出会った、The Remington Site[1]という、全貌をいまだ把握できていない巨大なサイトがあるのですが、興味ある個所を2,3抄訳して紹介します。


1. Webster Manufacturing Co. Massachusetts - Record Corporation of New England [2]

Continental Records Inc.のDonald H. Gaborは、1947年、レコードプレス工場、 the Record Corporation of New England を、 34, Chase Avenue, Webster, Massachusetts に設立した。

彼は戦時中のシェラックの不足のため、シェラックにvinyliteを25から30%混ぜた"websterlite"を作り出したが、戦後はプラスチックの不足のため、および価格を安くするため、LPレコードの製造に、同様な代替品を考え出した。

1950年秋に、廉価なRemington LPを売り出したとき、ジャーナリストのCecil Smithは、1951年4月23日、有名な政治雑誌The New Republicに、21種のレコード試聴記[3]を書いた。

その中に、エネスコのバッハ無伴奏ロ短調の感想が載っている。
「ジョルジュ・エネスコのバッハ無伴奏ヴァイオリンソナタの演奏は、エネスコの公演のように、優れた音楽家でさえも十分な技術なしには楽器を効果的に演奏できないという痛々しい証拠を提供している。」

ほとんどのリサイタル録音は、
Mastertone Recording Studios Inc. in New York City NY 10036
で行われたが、エネスコのバッハ無伴奏のように、他の場所で行われた例も少なからずある。
それらは、Gaborの自宅、彼のオフィス、スタジオが取れなかった時は普通の室、さらにはWebster工場でさえも。
これは、時計の音がたまに聴こえることで示唆される。

これらの演奏はアセテート盤に録音された。


2. Donald H. Gabor (1912-1980) [4]

Continental RecordsおよびRemington Recordsの創立者Donald Gaborは1912年11月20日、ハンガリーで生まれた。
彼はBudapest Electrical Conservatoryで学んだ。
1938年、26歳の時アメリカに渡り、RCA-Victorに週給$12で雇われた。
両親はハンガリーに留まったが、1944年、ドイツ軍がハンガリーに侵攻した時、ブダぺストを離れることを余儀なくされ、強制収容所で死亡した。

彼は、RCA-Victorに席を置いたまま、Continental Recordsを設立した。
最も初期の録音は、1941-1942年、当時ニューヨークに住んでいたハンガリーの作曲家Béla Bartókの彼の自宅でのピアノ録音である。

これらの録音は、Continentalレーベルで78 RPMフォーマットでリリースされた。
Donaldは、レコードの売上よりはるかに多くの手当てを支払うことによりバルトークをサポートした。
後にLPに転写され、Continental CLP-101として、また1952年にRemington R-199-94として発売された。

1948年に、Massachusetts、Websterの古い工場を買い取り、彼が考案したプラスチックコンパウンドでレコードをプレスした。

1950年になって、33 RPM Long Playing recordの事業に参入するため、Remington Records Inc.を設立した。
多くのContinental録音がLPに転写されて発売され、後にRemingtonレーベルで再発売された。

当初、大衆にアピールするため、レコードの価格はビッグレーベルの1/3に設定された。
ポピュラーは99 ¢、クラシックは10インチ$1.49 と12インチ $1.99。
6か月後、$1.69 and $2.19に値上げされたが、なお、RCAの2/5であった。

生産コストを抑えるため、Donaldはギャラの高いアーティストとは契約しなかったし、Vinyliteの代替品である安価なWebsterliteを使ったが、そのため音質も劣化した。

ジョルジュ・エネスコは、バッハの6つのソナタとパルティ―タをContinentalレーベルに録音した。それらは1950年に発売された。

Don Gaborは、1980年、68歳の誕生日に心臓発作で死去した。


3. Georges Enesco (1881-1955) [5]

まずエネスコ自身の言葉、
「多くの人々を魅了する完璧さは、私には興味がありません。 芸術で重要なことは、自分自身を震撼させ、他人を震撼させることです。」

弟子は、Arthur Grumiaux, Ivry Gitlis, Ida Haendel, Christian Ferras、そしてもちろん、Yehudi Menuhin。

エネスコは、1881年8月19日、ウクライナ国境に近い小さな町Liveniで生まれた。
3歳の時、ジプシーの音楽を聴いて音楽への愛に目覚めた。
5歳のとき、彼は地元の先生から最初の音楽の手ほどきを受け、2年後にウィーン音楽院に入った。
ヴァイオリンの先生は、Joseph Hellmesberger Jr. (1855-1907)で、作曲をRobert Fuchs (1847-1925)に学んだ。
4年後、エネスコはGrand Medal of Honor (Silver Medal)を得た。

14歳のとき、Hellmesbergerは、もうウィーンでは教えることは無いと、彼をパリ音楽院に送った。
作曲をJules Massenet (1842-1912), André Gédalge (1856-1925),Gabriel Fauré (1845-1924)に、
ヴァイオリンを Armand Marsick (1877-1959)に学んだ。
1899年、17歳で、彼は1等賞を得た。

第1次大戦中、エネスコはルーマニアに住んだ。
戦争の前後、彼はヨーロッパやアメリカに多くのコンサートツアーを行った。

1927年からは第2の故郷フランスに住んだ。
その年の1月、パリでのリサイタルで、一人の少年に出会った。
翌朝、その少年メニューインは、エネスコのアパートを訪ね、彼の前でヴァイオリンを弾いた。
その演奏に驚いたエネスコは直ちに生徒として受け入れた。

彼は多くの音楽家と協演した。
パリ交響楽団Orchestre de l'association des concerts Colonne'を指揮した。
再び北米に行き、1936-37年のシーズンにニューヨークフィルを指揮した。

1939年、エネスコはMaria Rosetti (Princess Maria Cantacuzino)と結婚し、第2次大戦中はルーマニアに住んだ。

1946年にパリに帰り、
1947年、彼はバッハのヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティ―タを演奏した。

1948年から1950年にかけて、ニューヨークのMannes School of Musicで教鞭を取った。
このアメリカ滞在時に、Continental Recordsに、バッハのソナタとパルティ―タを録音した。
テープレコーダはすでに実用されていたが、これらはアセテートに録音された。

1950年1月21日、エネスコはヴァイオリニスト、指揮者、作曲家として、ニューヨークで告別コンサートを行った。
この後、エネスコの健康はもはやヴァイオリンを演奏することを許さなくなったが、ときどき指揮者としてBBCのラジオ放送や、デッカへの録音を行った。

1950年は、バッハ逝去200年記念の年で、Schwann Long Playing Record Catalogの1950年9月版には、 エネスコとAlexander Schneiderの2種類のバッハ無伴奏全曲盤がリストアップされている。

1950年8月26日のBillboard誌に、コンチネンタルCLP-104のレビューが掲載された。

「バッハ無伴奏LPでの競争の中で、この限定販売品のエネスコのレコードは、少数の反体制派(*)を除いては、あまり評価を得るのは難しいかもしれないが、多くの愛好家は、ゴツゴツした、でも暖かみのある人間性を好むだろう。
著名なヴィルトゥオーゾやヴァイオリン教師にとって、テクニックは最後の拠り所ではなく、ほとんどのヴァイオリン弾きは、幅広いスタイルでレッスンする必要がある。
エネスコは、明るいパッセージでは、ジプシーのような情熱を注ぐことができるのだ。
プレスや表面の状態はとても良好。」

エネスコのコンチネンタル演奏はアセテート盤に録音された。
Donald Gaborのエンジニアがこのアセテート盤をテープに移したかどうかは知られていない。

アセテート盤は当初、コンチネンタル3 LPセットの供給源として使用されただけだった。
しかし、1974年のオリンピックレーベルの3 LPの再発売では、エベレストのエンジニアによって、アセテート盤からテープに移され、ポップスやヒスを排除するために編集され、フィルタリングされたと言われている。

エネスコのコンチネンタルセットは1952年1月に引き続き入手可能であったが、その年の3月までにシュワンのカタログから抹消された。

理由の一つは、エネスコの演奏が演奏の本質的価値である音楽性よりも、アーティストのテクニックに大きな意味を持つ何人かのレビューアーからの演奏の技術的側面についての批判であった。
セシル・スミスは、レミントンレーベルでリリースされた唯一のソナタに関して、1.に記したように、否定的レビューを書いた。

スミスは明らかに、これが67歳のエネスコであり、関節炎に襲われていたこと、そして彼の能力は若い頃の影に過ぎないことを忘れていた。
しかし、これらの演奏は、技術だけで演奏されるよりも偉大である。

1952年3月からは、10インチレミントン(PL1-149)のソナタ2番の演奏だけがカタログに残っていた。

その後、エネスコのバッハ無伴奏の演奏はレミントンMUSIRAMAレーベルで再発売された。
レーベルには元のカタログ番号はなく、6つのマトリクス番号(TA-16/17/18/19/20/21)のみが表示されている。
Gaborは1953年9月のシュワンのカタログでMUSIRAMAブラック/ゴールドレーベルのシリーズを発表したが、1957年頃にレッド/ゴールドレーベルのバリエーションが発売された。

1954年、エネスコは脳卒中を起こし、1955年5月4日、パリで死去した。


*:原文はbig longhair tenters。この語の訳出に関しては、Unicornさんとエピクロスさんに多大のご教示を得た。ここに厚く感謝の意を表する。



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by ibotarow | 2017-12-30 10:48 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 10月 29日

エネスコの回転数見直し その2

次はコレルリのラ・フォリアです。
先ず録音データを示します。

19 Mar 1929
J7940 [98627-5] Sonata in D minar "La Follia" -1 (Corellil)

1930?
J7940 [98628-10] Sonata in D minar "La Follia" -2 (Corellil)

パート1は1929年3月19日、パート2は同日にテイク7まで録音されています。調査したレコードはテイク10でしたので、テイク12のショーソン1面と同時期ではないかと考えましたが、さだかではありません。

楽譜は最初、何も考えず適当にダウンロードしたのですが、レコードとかなり違います。
ラ・フォリアはコレルリのヴァイオリンソナタOp.5 No.12ですが、編曲がいろいろあるようです。
エネスコ自身の編曲かしらと碩学Lさんに教えを請うと、Ferdinand David (1810-1873) というメンデルスゾーンの友人の編曲だと打てば響くお答え、[1]をダウンロードしました。

D4音はいろんな場所に出てきますが、図2-1に示すパート1、図2-2のパート2とも最終音がD4ですので、これらの周波数を求めました。

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図2-1 ラ・フォリア パート1 D4音



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図2-2 ラ・フォリア パート2 D4音


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図2-3 図2-1のD4音のスペクトル












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図2-4 図2-2のD4音のスペクトル











結果は、 図2-3、2-4に示すように、
パート1:286 Hz
パート2:286 Hz
となり、ヘンデル冒頭のD4音とピッタリ同じでした。
テイク10のパート2の録音日は、パート1の3月19日と近いのかもしれませんね。

これで、コレルリは1面、2面とも、
80 rpm
として良かろうと思います。

次に、プニャーニのラルゴ・エスプレッシヴォとクライスラーのテンポ・ディ・メヌエットの録音日は、

19 Apr 1930
50235-D [98687-4] Largo Espressivo (Pugnani)
50235-D [98688-4] Tempo di Menuetto in the style of Pugnani (Kreisler)

で、78 rpmだと思われるショーソン1面と同じ日です。

先ず、プニャーニの楽譜[2]でD4音を探してみると、図2-5に示すように、最終部にいくつか出てきますが、一番音量の大きいのが精度も高いだろうと赤丸を選びました。

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図2-5 ラルゴ・エスプレッシヴォ D4音


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図2-6 図2-5のD4音のスペクトル










また、クライスラーの楽譜[3]でD音を探すと、図2-7赤丸に示すように、冒頭第2音がD4です。

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図2-7 テンポ・ディ・メヌエット D4音

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図2-8 図2-7のD4音のスペクトル











これらの周波数を求めました。

結果は、図2-6、2-8に示すように、
プニャーニD4音:292 Hz
クライスラーD4音:294 Hz
となりました。
これらは、
ショーソン1面D4音:293 Hz
に近い値です。

という訳で、プニャーニとクライスラーも
78 rpm
として良かろうと思います。




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by ibotarow | 2017-10-29 07:10 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 10月 28日

エネスコの回転数見直し その1

以前、エネスコの電気録音6枚をデジタル化した時、復刻CDとの聴き比べから、回転数をすべて78 rpmで再生した音源を下記にアップしました。

デジタル化その9 ジョルジュ・エネスコ2 コレルリ、プニャーニ、クライスラー
デジタル化その10 ジョルジュ・エネスコ3 ヘンデル 
デジタル化その11 ジョルジュ・エネスコ4 ショーソン

しかしながら、先日、湘南SPレコード愛好会M氏から、
「ショーソンのポエムは78 rpmだけど、ヘンデルのソナタは80 rpmだと思う」
という話を聞いて、サラサーテの回転数で行き詰まっていたこともあり、これはいいお題をいただいたと、回転数を見直すことにしました。


ヘンデルのソナタNo.4の楽譜[1]を見てみると、図1-1の赤丸で示すように、冒頭の音がD4音です。

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図1-1 ヘンデル・ソナタ第1楽章 D4音


これと同じ音がショーソンのポエムの楽譜[2]にないか探すと、図1-2の赤丸のように、ヴァイオリンパート4小節目にありましたので、この二つを比べてみました。

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図1-2 ショーソン・ポエム パート1 D4音


ただしショーソンの方は最初ピアノ伴奏がありますので、このD4音が現れるのは開始後1分ほど経ってからですが。

レコードはもう手元にありませんが、78 rpmで再生録音したファイルがありますので、それぞれのD4音の周波数を調べました。
周波数は、サラサーテ盤の回転数その5と同様、Audacityによるスペクトルから求めました。
図1-1のD4音のスペクトルを図1-3に示します。

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図1-3 図1-1のD4音のスペクトル











図1-2のD4音のスペクトルを図1-4に示します。

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図1-4 図1-2のD4音のスペクトル










これらからピークの周波数を求めると、次のようになりました。

ヘンデルD4音:286 Hz
ショーソンD4音:293 Hz

一方、78 rpmと80 rpmの回転数比は、
80/78=1.0254
で、もし、ショーソンが78 rpm、ヘンデルが80 rpmで録音されたと仮定すると、ヘンデルを78 rpmで再生した場合、その周波数は元の周波数より低くなります。
どれくらい低くなるかというと、78 rpmとしたショーソンD4音の周波数:293 Hzを用いて、
293/1.0254=285.74
となり、これは上のヘンデルD4音の周波数:286 Hzと極めて近い値です。
つまり、M氏のご指摘のように、ヘンデルは80 rpmで録音された可能性が高いことがわかりました。

ちなみに、この時の基準ピッチを調べてみると、
DとAの周波数比は
2**(7/12)=1.4983
ですから、78 rpmで録音された場合、
293*1.4983=439.0
となり、エネスコのヴァイオリンはたぶん、
A=439 Hz
前後で調律された可能性があります。

ここで、録音日を見てみますと、
まずヘンデルは、

18 Mar 1929, Sanford Schlüssel, piano
5110-M [98617-5] Sonata No.4 in D Major: Adagio (Handel)

11 Feb 1929, Sanford Schlüssel, piano
5110-M [98618-2] Sonata No.4 in D Major: Allegro (Handel)

18 Mar 1929, Sanford Schlüssel, piano
5111-M [98619-5] Sonata No.4 in D Major: Larghetto (Handel)

11 Feb 1929, Sanford Schlüssel, piano
5111-M [98620-1] Sonata No.4 in D Major: Allegro (Handel)

で、1929年2月11日と3月18日に分かれています。

次にショーソンは、

19 Apr 1930, Sanford Schlüssel, piano
50273-D [98621-12] Poème Op. 25 - 1 (Chausson)

18 Mar 1929, Sanford Schlüssel, piano
50273-D [98622-6] Poème Op. 25 - 2 (Chausson)

19 Mar 1929, Sanford Schlüssel, piano
50274-D [98623-5] Poème Op. 25 - 3 (Chausson)
50274-D [98624-6] Poème Op. 25 - 4 (Chausson)

で、テイク12の1面は1930年4月19日ですが、その他は、1929年3月18日と19日で、ヘンデルと同時期です。

ショーソンの1面は78 rpmだと仮定しましたが、2面はヘンデルの1面と同じ日なので、同じ回転数ではないかと考えるのが自然でしょう。
ヘンデルの1面は、上述のように80 rpmだと推測されます。

そこで、ショーソンの2面で、D4音がないか探してみると、開始から約2分半後に、図1-5の赤丸にありました。

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図1-5 ショーソン・ポエム パート2 D4音


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図1-6 図1-5のD4音のスペクトル











このD4音の周波数を調べてみると、図1-6に示すように、
286 Hz
となりました。
これはヘンデルの冒頭のD4音と同じピッチです。
なお、他の周波数にスペクトルがいっぱい立っているのはピアノの音だと思います。

したがって、ショーソンの2面は、
80 rpm
の可能性が高いと考えられます。

1面は78 rpm、2面は80 rpmのようですので、2面の翌日に録音された3,4面もおそらく80 rpmではないかと類推されます。
しかしながら、実証主義者としては、確認しなければなりません。

まず3面で、これまでと同じD4音を探すと、 図1-7に示す赤丸がありました。開始から2分34秒後です。

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図1-7 ショーソン・ポエム パート3 D4音


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図1-8 図1-7のD4音のスペクトル










この周波数を求めると、図1-8に示すように、
284 Hz
となりました。
1面D4音:293 Hz
2面D4音:286 Hz
でしたから、2面のD4音に近いピッチです。

次に4面でD4音を探すと、開始から1分48秒後に、図1-9に示す赤丸がありました。

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図1-9 ショーソン・ポエム パート4 D4音


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図1-10 図1-9のD4音のスペクトル










この周波数を求めると、図1-10に示すように、
286 Hz
となりました。
これは2面のD4音とピッタリ同じです。

という訳で、ショーソンは、
1面:78 rpm
2, 3, 4面:80 rpm
ではないかと思われます。




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by ibotarow | 2017-10-28 07:11 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 24日

デジタル化その16 ヨーゼフ・ハシッド

デジタル化16回目は、Josef Hassid (1923-1950)の3枚です。

ハシッドの録音は1939年のテスト録音含め、下記の9面です。

HMV
09 Jan. 1939, Abbey Road Studio by Fred Gaisberg, with Ivor Newton (piano)
[2EA 7419-1, EH 29 1230 1] Elgar: La Capricieuse, Op.17

12 June 1940 by Walter Legge, with Gerald Moore (piano)
[0EA 8550-1□, G, 1] B 9074, Tcahikovsky: Mélodies (Souvenir d'un lieu cher), Op.42 No.3 【75.7】
[2EA 8802-1□, G, 2] C 3185, Sarasate: Zapateado, Op.23 No.2 (Danzas Espanolas No.6) 【75.7】
[0EA 8803-1□, G, 1] B 9074, Elgar: La Capricieuse, Op.17 【75.7】

28 June 1940
[2EA 8801-III□, G, 2] C 3185, Sarasate: Prayera. Op.23 No.1 (Danzas Espanolas No.5) 【75.5】

29 Nov. 1940
[2EA 8900-1□, A, 2] C 3208, Kreisler: Caprice Viennois. Op.2 【75.9】
[2EA 9051-1] C 3219, Joseph Achron: Hebrew Melody, Op.33
[2EA 9052-1] C 3219, Dvorak (arr. Kreisler): Humoreske, Op.101 No.7
[2EA 9053-1□, R, 2] C 3208, Massenet: Méditation (from Thaïs, Act 2) 【75.9】

回転数は、1940年の録音だから78 rpmだろうと思ったのですが、Testamentの復刻CD[1]と合わせた結果、意外にも、約76 rpmとなりました。
これまでの回転数の推定方法は、まず復刻CDの音源をiPodに入れイヤホンで聴きながら、SPレコードをプレーヤで再生して、復刻CDと同じ音程になるように、回転数調整レバーを上げ下げしていました。
この方法ですと、以前書いたように、ボクの駄耳では1 rpm以下の差は検知できません。

そこで今回は、もう少し客観的に同定しようと、次のような方法を試してみました。
まず、レコ―ドをクォーツロックのかかる78 rpmで再生、録音します。
この波形と、復刻CDの波形を、Audacity上で比較します。
「スピード変換」によってレコードの波形を伸縮させて、両者が同じ長さになるように合わせます。つまりピッチを合わせるのではなく、演奏時間を合わせようという魂胆です。
両者を同時再生して、同じピッチ、同じテンポであることを確認します。
その時の変換係数を78に掛ければ、復刻CDの再生回転数が出ます。
この方法によって推定した回転数を上のリストの【 】内に記入しました。

録音日によって微妙に違いますが、これはあくまでTestamentの復刻CDの回転数ですので、これが録音時の回転数であるかどうかは定かではありません。
もし、Symposiumの復刻CD[2]をお持ちの方がおられましたら、同じ音程かどうか確かめていただけると幸甚です。

75.9 rpmで再生したC 3208の音源をハシッドのSP盤にアップしました。
マスネのタイスの瞑想曲、
C 3208 [2EA 9053-1□, R, 2] Massenet: Méditation (from Thaïs, Act)
は、写真をクリックすれば音が出るはずです。

クライスラーのウィーン奇想曲、
C 3208 [2EA 8900-1□, A, 2] Kreisler: Caprice Viennois. Op.2
は、写真の下の曲名をクリックしてください。

75.7 rpm(サパデアード)と75.5 rpm(プライエラ)で再生したC 3185の音源をハシッドの2枚目にアップしました。
サラサーテのサパデアード、
C 3185 [2EA 8802-1□, G, 2] Sarasate: Zapateado, Op.23 No.2 (Danzas Espanolas No.6)
は、写真をクリックすれば音が出るはずです。

サラサーテのプライエラ、
C 3185 [2EA 8801-III□, G, 2] Sarasate: Prayera. Op.23 No.1 (Danzas Espanolas No.5)
は、写真の下の曲名をクリックしてください。

75.7 rpmで再生したB 9074の音源を3枚目のハシッドにアップしました。
エルガーの気まぐれ女、
B 9074 [0EA 8803-1□, G, 1] Elgar: La Capricieuse, Op.17 171626
は、写真をクリックすれば音が出るはずです。

チャイコフスキーのメロディ、
B 9074 [0EA 8550-1□, G, 1] Tcahikovsky: Mélodies (Souvenir d'un lieu cher), Op.42 No.3
は、文中の曲名をクリックしてください。

これで一連のデジタル化は予定終了です。
今後、また機会があれば、続きを再開したいと思います。

References
[1] The First Recordings of Ginette Neveu. The Complete recordings of Josef Hassid, TESTAMENT SBT 1010 (1992)
[2] Great Violinists, Vol. 20: Josef Hassid, Philip Newman, SYMPOSIUM 1327 (2004)


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by ibotarow | 2017-09-24 07:09 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 09月 10日

デジタル化その15 アンリ・マルトー

15回目は、Henri Marteau (1874-1934)のカルメン幻想曲です。

Electrola
12 December 1927, Berlin, w. Pancho Wladigueroff (pf)
EH 104, 4-047900 [CW 1425-I△, G, 1] Carmen Fantasia Op.25, pt.1 (Bizet-Sarasate)
EH 104, 4-047901 [CW 1426-II△、R, 1] Carmen Fantasia Op.25, pt.2 (Bizet-Sarasate)

マルトーはカルメン幻想曲を2回録音していますが、これは1回目の録音EH 104です。
ちなみに2回録音した由来はアンリ・マルトーのカルメン幻想曲に書きましたが、2回目の録音EH 413は、

5 November 1928 Berlin, w. Pancho Wladigueroff (pf)
EH 413 [CLK 4702-2] Carmen Fantasia Op.25, pt.1 (Bizet-Sarasate)

June 1930, Berlin, w. Clemens Schmahlstich (pf)
EH 413 [CNR 741-2] Carmen Fantasia Op.25, pt.2 (Bizet-Sarasate)

で、パート1とパート2の録音日は2年近い隔たりがあり、ピアノ伴奏者も異なります。

マルトーの愛器はマギーニ[1]で、マルトーの伝記[2]によると、このマギーニは伝説の名器で、オーストリアのマリア・テレジアからモーツァルトに贈られたものです。
しかしモーツァルトは生活苦のため手放し、その後フランスにわたってマルトーの恩師レオナールのものとなり、彼の死後、16歳のマルトーに譲られたものだそうです。

回転数は、Symposiumの復刻CD[3]と聴き比べた結果、76 rpmとなりました。
念のため、もう一つの復刻CD[4]と比べてみると、78 rpmで音程は合うのですが、不思議なことにテンポが合いません。CDの方が速いのです。
こちらの方が新しいので正確かと思っていましたが、何を根拠にこういう処理をしたのかわかりませんので、これは採用を見合わせます。

76 rpmで再生したカルメン幻想曲の音源をこのページにアップしました。

今回は新しい試みとして、
EH 104 [CW 1425-I△, G, 1] Carmen Fantasia Op.25, pt.1 (Bizet-Sarasate)

EH 104 [CW 1426-II△、R, 1] Carmen Fantasia Op.25, pt.2 (Bizet-Sarasate)
をつないでみました。間隔の長さは適当です。
上の曲名をクリックしてください。


References
[1] Giovanni Paolo Maggini https://en.wikipedia.org/wiki/Giovanni_Paolo_Maggini
[2] 戸張通子,『マルトー 大作曲家たちを虜にした世紀の大ヴァイオリニスト』(ショパン, 2010)
[3] Important Early Sound Recordings - Violinists Vol. 1, SYMPOSIUM 1017 (1994)
[4] HENRI MARTEAU Swedish pupils & colleagues, Caprice, CAP 21620 (2000)



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by ibotarow | 2017-09-10 07:22 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 08月 27日

デジタル化その14 マヌエル・キロガ3

キロガ最終回は、パテアール30 cm盤2枚、

Pathe
1928-29 Paris, with Marthe Leman de Quiroga (Piano)
X. 5527 [N 300893 A-1] La Gitana (Kreisler)
X. 5527 [N 300901-R A1] Spanish Dances, Op. 22: no 1, Romanza andaluza (Sarasate)
X. 5528 [N 300918 R A2] Jota aragonesa, Op. 27 (Sarasate)
X. 5528 [N 300919 - A1] La ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)

アートレーベルについては、ニノン・ヴァランのパテ・アールにちょっと書きましたが、スイス生まれの画家、François-Louis Schmied (1873-1941)のデザインによるアールデコスタイルのレーベルです。
Marstonの復刻CDの解説[1]によると、1927年10月、電気録音システムの導入とともに登場しました。
最初は29 cm盤(orange and gold)と、30.5 cm盤 (multicolor with orange border)の2種類でしたが、1929年、30.5 cmは30 cmにサイズダウンされました。
1930年にパテが新しいナンバリングシステム(90000,91000,92000など)を開始し、アートレーベルをやめる直前に、25 cm盤 (royal blue and steel grey)が加わりました。
なお、ニノン・ヴァランの縦振動電気録音に書いたように、25 cm盤と 同じレーベルが29cmの縦振動盤にも使われています。

回転数は、Symposiumの復刻CD[2]と合わせた結果、80 rpmとなりました。

1枚目5527の音源は下記にアップしました。
http://ibotarow.exblog.jp/3732651/

ロマンサ・アンダルーサ(サラサーテ)
X. 5527 [N 300901-R A1] Spanish Dances, Op. 22: no 1, Romanza andaluza (Sarasate)
は、写真をクリックすれば音が出るはずです。

ジプシーの女(クライスラー)
X. 5527 [N 300893 A-1] La Gitana (Kreisler)
は、写真の下の曲名をクリックしてください。

2枚目5528の音源は下記にアップしました。
http://ibotarow.exblog.jp/5498386/

ロンド・デ・ルタン(バッツィーニ)
X. 5528 [N 300919 - A1] La ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)
は、写真をクリックすれば音が出るはずです。

ホタ・アラゴネーサ(サラサーテ)
X. 5528 [N 300918 R A2] Jota aragonesa, Op. 27 (Sarasate)
は、上記の曲名をクリックしてください。

References
[1] Ninon Vallin The Complete Pathé-Art Label Recordings 1927-1929, Marston 52006-2 (1996)
[2] The GREAT VIOLINISTS Volume V - MANUEL QUIROGA, Symposium 1131 (1996)


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by ibotarow | 2017-08-27 07:17 | ヴァイオリン_電気録音 | Trackback | Comments(0)