いぼたろうの あれも聴きたい これも聴きたい

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カテゴリ:ヴァイオリン_ラッパ吹き込み( 73 )


2018年 11月 25日

クライスラーG&T その3

"Speeds & Keys" [1]を入手してからというもの、回転数調べは、すっかりやる気が失せてしまいました。
こういう本が出ることを渇望していたにもかかわらず、実際手に取ってみると、うれしいような、がっかりしたような複雑な気分です。
しかし、これまで調べた値とどれくらい違うか、一応比べてみることにしました。

クライスラーG&T4面のリストに、[1]による【 キー, ピッチ(Hz), 回転数(rpm) 】を書き加えました。
()内の値は前報クライスラーG&T その2の推定値です。

1904, Berlin
47944 [2084X] Chanson sans paroles (Tschaikowsky) 【 F, 443, 75.5 】(74.9)
47945 [2085X] Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert) 【 D, Em, 443, 75.9 】 (75.7)
47946 [2086X] Prelude in E (Bach) 【 E/o, 443, 76.3 】 (76.2)
47947 [2087X] Air on the G string (Bach) 【 C/-2, 443, 78.0 】 (77.6) 

ここで、キーのスラッシュ以下の表記は、/oがスコア通り、/-2は半音二つ分、つまりスコアより全音低いという意味です。後者については、本当かなあという気がしますが、取りあえずは紹介するだけに留めておきます。

d0090784_14503142.jpg

Biddulphの復刻CD[2]に加えてこれら3種の回転数を並べてみると、多少差はありますが傾向は似ています。
どれが正解かはわかりませんが、まあどれも、当たらずとも遠からず、といったところでしょうか。 

Reference
[1] Chris Zwarg, "Speeds & Keys Vol. I Gramophone Co. (1898-1921)", Truesound Transfers (Berlin, 2018), p 160.
[2] The complete acoustic HMV recordings, BIDDULPH LAB 009-10 (1989)


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by ibotarow | 2018-11-25 08:34 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 06月 17日

ヴェチェイFONOTIPIA その2

承前、トロイメライの回転数がほかと比べて目立って低い点について、再検討を行います。
まず、前回の回転数比較をFig. 1に、ヘ長調の楽譜[1]をFig. 2に、78 rpm再生時のスペクトルをFig. 3に再掲します。

d0090784_09143765.jpg
d0090784_09144364.jpg
d0090784_09145140.jpg

前回も書きましたが、Fig. 2の楽譜に基づく限り、Fig. 3に示すようにA4は530 Hz付近になり、これを440 Hzに合わせようとするとFig. 1の回転数あたりにならざるを得ないと思います。
そうすると、ほかと横並びの回転数にするためには、ヘ長調以外に移調された楽譜を弾いた可能性を考える必要があります。

探してみると、Fig. 4に示すト長調の楽譜[2]を見つけました。

d0090784_09443298.jpg

Fig. 5に示すように、78 rmp再生時の全体スペクトルの各ピークにト長調の音階を当てはめようとすると、480 Hz付近のピークをA4に選べば無理なく並びました。
d0090784_09190240.jpg

もしト長調の楽譜を用いたと仮定すると、5小節目の2分音符はA4になります。
この音の部分を切り取ってスペクトルを求めると、Fig. 5(赤)に示すようにA4は480 Hz付近ですので、Fig. 5(青)の全体スペクトルからこの付近のピーク周波数を拾うと、
480.459595 Hz 
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/480.459595*78=71.4 rpm 
となりました。

Fig. 6にこれまでの回転数を比較しました。

d0090784_09215501.jpg

Fig. 1の63.8 rpmよりもだいぶその他の値に近づきましたが、なお低い値です。

そこで、全体スペクトルをもう一度見渡して、450 HzのピークがA4になるようなキーを探すと、Fig. 7に書き入れたように、無理なく音階が並ぶのはフラット4つの変イ長調です。

d0090784_09223242.jpg

変イ長調の楽譜を探すと、フレンチホルン用の楽譜[3]がありましたが、ホルンパートはフラット3つの変ホ長調です。
管楽器は楽譜の音と、実際出る音は異なる場合があるので、複雑でよくわかりませんが、移調楽器の読み替え表 [4]によると、F管ホルンの実音は、記載音の完全5度下になるようです。
したがって、楽譜上は変ホ長調ですが、実際のキーは変イ長調となる訳です。ややこしいですね。
その後、オンデマンド楽譜生成システム[5]を見つけましたので、変イ長調のピアノ譜をFig. 8に示します。
d0090784_09230823.jpg
冒頭のE♭音はヴァイオリンでは出ませんので、1オクターブ上げて弾くのでしょうね。
5小節目の2分音符はB♭になります。

この音の部分を切り取ってスペクトルを求めると、Fig. 7(赤)に示すようにB4♭は480 Hz付近 ですので、A4に換算すると約450 Hzになります。

そこで、Fig. 7(青)の全体スペクトルからこの付近のピーク周波数を拾うと、
450.85144 Hz 
となりました。

この周波数から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、
440/450.85144*78=76.1 rpm 
となりました。

d0090784_09242670.jpg

Fig. 9に示したように、この値だと同時期の録音とほぼ同じ回転数になるのですが、あまりにも都合の良いこじ付けのような気がしないでもありません。

3種類のキー、回転数で再生したMP3音源を下記にアップしました。
ヘ長調(63.8 rpm); [XPh4633] 72401 Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)
ト長調(71.4 rpm); [XPh4633] 72401 Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)
変イ長調(76.1 rpm); [XPh4633] 72401 Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)

本来の回転数からあまりに外れると、聴き慣れた歌手なら胴間声やカン高い声など不自然な声になるので、ある程度判断できる場合があるのですが、楽器は全くわかりません。どれももっともらしく聴こえます。

参考までに、以前、ヘ長調の楽譜で合わせたクーベリックのトロイメライを下記に再掲します。
[xPh 285-2] 39194 Kinderszenen: Träumerei (Schumann)
上の3つのトロイメライのどれに似ているかと言うと、やはりヘ長調の63.8 rpmですね。
さて、真相や如何に?

References
[1] https://violinsheetmusic.org/classical/s/schumann/
[2] http://violin.score.sukkiri.org/score/traumerei.html
[3] https://www.musicnotes.com/sheetmusic/mtd.asp?ppn=MN0161768
[4] http://lab.rygasound.com/navi/%E7%A7%BB%E8%AA%BF%E6%A5%BD%E5%99%A8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%9B%BF%E3%81%88%E8%A1%A8/
[5] http://mahoroba.logical-arts.jp/score/download.php?id=121


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by ibotarow | 2018-06-17 08:05 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(1)
2018年 06月 03日

ヴェチェイFONOTIPIA

ヤン・クーベリック最後のFonotipiaセッションは1911年3月で、その後は同年7月からHMVに録音します。
それで、次はHMVを調べようと思ったのですが、その年の2月と5月に、クーベリックと同じく”他の人々がやっとその才能を発揮し始める時期に、すでに頂点を越えてしまった不幸な天才”、フランツ・フォン・ヴェチェイ(1983-1935)がFonotipiaに録音しています。
こちらの方が興味がありますので、先にヴェチェイFonotipiaを。

拙ブログからリストを再掲しますと、

Franz von Vecsey FONOTIPIA Recordings

17-Feb-1911
[XPh4523]   62506  Larghetto (Händel - arr. Hubay)             98086
[XPh4524]   -----   Capriccio all'antica (Sinigaglia)
[XPh4525]   -----   Aria (Bach - arr. Wilhelmj)
[XPh4525-2] -----   do
[XXPh4526]  74091  Il Trillo del Diavolo (Tartini)                 76432
[XPh4527]   -----   Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj)
[XPh4528]   62503  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)       98085  
[XPh4529]   -----   Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)
[XXPh4530]  -----   Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
[XXPh4530-2] 74092  do                          76433
[XXPh4530-3] -----  do
[XPh4532]    -----  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)
[XPh4533]   62502  Capriccio in B minor, Op. 1, no. 2 (Paganini)     67770
[XXPh4534]  74090  Humoreske, Op. 101, no. 7 (Dvorak - arr. Wilhelmj) 76431
[XPh4535]   62500  Albumblatt (von Vecsey)                   98078
[XPh4536]   -----   Le Luthier de Cremone (Hubay)
[XPh4537]   -----   Adagio (Bach)
[XPh4538]   62508  FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski) 98083
[XPh4539]   -----   Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)

3-May-1911
[XPh4627]   -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Wilhelmj)
[XPh4628]   62498  Le Luthier de Cremone (Hubay)              98077
[XPh4629]   62501  Capriccio all'antica (Sinigaglia)               67769
[XPh4630]   62499  Capriccio in E flat, Op. 1, no. 14 (Paganini)      67767
[XPh4631]  -----   Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Sarasate)
[XPh4631-2]  62509  do                             98084
[XPh4632]   62504  Ave Maria, Op. 52, no. 6 (Schubert - arr. Wilhelmj) 67772
[XPh4633]   62505  Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)       72401, 98087
[XPh4634]   62507  Aria (Bach - arr. Wilhelmj)                  98080
[XPh4635]   -----   FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski)
[XXPh4636]  74089  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)          76430

発売された16面のうち、下記の12面の回転数を推定します。

17-Feb-1911
[XPh4523]   62506  Larghetto (Händel - arr. Hubay)             
[XXPh4526]  74091  Il Trillo del Diavolo (Tartini)  
[XPh4528]   62503  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
[XXPh4530-2] 74092  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
[XPh4533]   62502  Capriccio in B minor, Op. 1, no. 2 (Paganini)
[XXPh4534]  74090  Humoreske, Op. 101, no. 7 (Dvorak - arr. Wilhelmj)
[XPh4538]   62508  FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski)
3-May-1911
[XPh4628]   62498  Le Luthier de Cremone (Hubay)
[XPh4631-2]  62509  Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Sarasate)
[XPh4633]   72401  Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)       
[XPh4634]   62507  Aria (Bach - arr. Wilhelmj)
[XXPh4636]  74089  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)  

これらを78 rpmで再生した時の300 Hzから600 Hzまでのスペクトルを、録音時期で二つに分けて、Fig. 1aとFig.1bに示します。

d0090784_06551693.jpg
d0090784_06552214.jpg

個別のデータはMoreを見ていただくとして、A4=440 Hzで推定した回転数をFig. 26にまとめます。

d0090784_15074977.jpg

トロイメライの低回転数が目立ちます。
いくら、ええ加減なFonotipaといえども、これは異様です。たぶん間違っているでしょう。
楽譜が違うのかもしれませんが、ヘ長調の楽譜で合わせると、このあたりにならざるを得ません。
これについては取りあえず暫定値とし、別途検討することにします。

これらの回転数で再生したMP3音源を下記にアップしました。

[XPh4523]   62506  Larghetto (Händel - arr. Hubay)            
[XXPh4526]  74091  Il Trillo del Diavolo (Tartini)  
[XPh4528]   62503  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
[XXPh4530-2] 74092  Souvenir de Moscou, Op. 6 (Wieniawski)
[XPh4533]   62502  Capriccio in B minor, Op. 1, no. 2 (Paganini)
[XXPh4534]  74090  Humoreske, Op. 101, no. 7 (Dvorak - arr. Wilhelmj)
[XPh4538]   62508  FAUST: Fantasia sul Valzer (Gounod - arr. Wieniawski)
[XPh4628]   62498  Le Luthier de Cremone (Hubay)
[XPh4631-2]  62509  Guitarre, Op. 45, no. 2 (Moszkowski - arr. Sarasate)
[XPh4633]   72401  Träumerei, Op. 15, no. 7 (Schumann)       
[XPh4634]   62507  Aria (Bach - arr. Wilhelmj)
[XXPh4636]  74089  La Ronde des lutins, Op. 25 (Bazzini)
 

なお、今回の調査にあたって、Loreeさんのお嬢さんに大変お世話になりました。
ここに厚く感謝の意を表します。ありがとうございました。




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by ibotarow | 2018-06-03 08:15 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 05月 27日

クーベリックFONOTIPIA 後半

後半では、1906~1911年録音のうち下記10面の回転数を推定します。

1906
[xPh 2228] 39925 Zephyr, Op.35-5 (Hubay)
[xPh 2231] 39884 Scherzo Tarantelle, Op.16 (Wieniawski)

1907
[xPh 2400-2] 62036 Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
[xPh 2401] 62037 Vision (Drdla)
[xPh 2402-2] Rx 98112 Souvenir (Drdla)
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate)

1910
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate)
[xPh 4307] Rx 98113 Serenade (Drdla)

1911
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)

これらを78 rpmで再生した時のスペクトルをFig. 1に示します。

d0090784_13072131.jpg
ピッチはかなりばらついています。

個別のデータはMoreを見ていただくとして、前半の結果と合わせて、A4=440 Hzで推定した回転数をまとめるとFig. 22のようになりました。

d0090784_13080078.jpg
大きく平均を外れているのもありますが、おおむね、
1905; 80 rpm前後
1906; 72 rpm前後
1907; 70 rpm前後
1910; 76 rpm前後
1911; 78 rpm前後
となりました。
年代別回転数の推移が、他のFonotipiaにも当てはまるかどうかは定かではありません。

これらの回転数で再生した後半10面のMP3音源を下記にアップしました。

[xPh 2228] 39925 Zephyr, Op.35-5 (Hubay)
[xPh 2231] 39884 Scherzo Tarantelle, Op.16 (Wieniawski)
[xPh 2400-2] 62036 Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
[xPh 2401] 62037 Vision (Drdla)
[xPh 2402-2] Rx 98112 Souvenir (Drdla)
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate)
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate)
[xPh 4307] X 98113 Serenade (Drdla)
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)




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by ibotarow | 2018-05-27 08:20 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 05月 20日

クーベリックFONOTIPIA 前半

ヤン・クーベリックG&Tに続いてFonotipiaの回転数を調べます。
Fonotipiaのリストを拙ブログから再掲しますと、

Jan Kubelik FONOTIPIA Recordings

1905.05.Milan
[xPh 270] 39162 Souvenir (Drdla)
[xPh 271] 39191 Serenade, Op.4 (d'Ambrosio)
[xPh 272] 39163 Danse Hongroise Nachez)
[xPh 272-2] 39163-2 do X 99983
[xPh 273-2] 39164 FAUST: Fantaisie brillante a- Rondo de Méphisto, Op.20 (Gounod-Wieniawski)
[xxxPh 275] 69013 Variazioni sull'Inno Nazionale Inglese (Paganini)
[xPh 276] 39192 Moto perpetuo, Op.11 (Paganini)
[xxxPh 283] 69010 LUCIA DI LAMMERMOOR: Sestetto (Donizetti- Saint-Lubin) 
[xPh 284-2] 39193 Serenade (Drdla)
[xPh 285-2] 39194 Kinderszenen, Op.15-7: Träumerei (Schumann)
[xPh 295] 39195 La ronde des lutins, Op.25 (Bazzini)
[xPh 296] 39163-3 Danse Hongroise (Nachez)

1906.11.Milan
[xPh 2228] 39925 Zephyr, Op.35-5 (Hubay) 72304
[xPh 2229] Studies (Chopin) [violin]
[xPh 2230] Partita No. 3 in E major, BWV1006: Präludium (Bach)
[xPh 2231] 39884 Scherzo Tarantelle, Op.16 (Wieniawski) Columbia F 29

1907.02.01/4 Milan
[xPh 2400] Cavatina in D, Op.85-3 (Raff)
[xPh 2400-2] 62036 do
[xPh 2401] 62037 Vision (Drdla)
[xPh 2402] 39162 Souvenir (Drdla)
[xPh 2402-2] 39162-2 do O-5904, X 99981, Rx 98112
[xPh 2403]  39193-2 Serenade (Drdla)
[xxPh 2404] Ave Maria (Schubert)
[xxPh 2405] 74084-2 Zingaresca (Sarasate) 5526 F, XX 76993

1910.03/07 or 1910/4/10 Milan
[xxPh 4305] 74083 Zapateado - Danza spagnola, Op.23-2 (Sarasate) 5526 F
[xPh 4306] 39162 Souvenir (Drdla)
[xPh 4307] 39193-4 Serenade (Drdla) O-5515, X 99982, X 98113
[xPh 4308] UNP Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)

1911.03. ? or 1911/5/30 Milan
[xPh 4552] 62573 Images, Impressions et Souvenirs, Op.41-14: Poem (Fibich-Kubelik)
[xPh 4553] 62496 Serenata Napoletana(Sgambati)
[xPh 4554] 62574 Berceuse, Op.56 (Drdla)
[xxPh 4555] 74084 Zingaresca (Sarasate) 5526 F
[xxPh 4556] 74086 Concertos in D (Paganini) : Cadenza (Kubelik) 5527 F
[xPh 4557] 62497 Le cygne (Saint-Saëns)
[xxPh 4558] 74085 Capriccio in G minor, Op. 1-6 (Paganini) 5527 F
[xPh 4559] 62603 Sérénade de Pierrot (Randegger)
[xPh 4560] UNP Zigeunerweisen, Op. 20-1(Sarasate)
[xxPh 4555?] UNISSUED Variations in A major (Paganini)

まず、1905年録音で調査するのは下記の8面です。

[xPh 270] 39162 Souvenir (Drdla)
[xPh 271] 39191 Serenade, (d'Ambrosio)
[xPh 272] 39163 Danse Hongroise Nachez)
[xPh 273-2] 39164 FAUST: Fantaisie brillante a- Rondo de Méphisto (Gounod-Wieniawski)
[xPh 276] 39192 Moto perpetuo (Paganini)
[xPh 284-2] 39193 Serenade (Drdla)
[xPh 285-2] 39194 Kinderszenen: Träumerei (Schumann)
[xPh 295] 39195 La ronde des lutins (Bazzini)

これらを78 rpmで再生した時の300 Hzから600 HzまでのスペクトルをFig. 1に示します。

d0090784_17265156.jpg
ピッチはわりと揃っているようです。

個別のデータはMoreを見ていただくとして、A4=440 Hzで推定した回転数をFig. 18にまとめます。

d0090784_08055713.jpg

パガニーニの無窮動だけ、飛び離れた値になりましたが、果たしてあっているでしょうか?
これらの回転数で再生したMP3音源を下記にアップしました。

[xPh 270] 39162 Souvenir (Drdla)
[xPh 271] 39191 Serenade, (d'Ambrosio)
[xPh 272] 39163 Danse Hongroise Nachez)
[xPh 273-2] 39164 FAUST: Fantaisie brillante a- Rondo de Méphisto (Gounod-Wieniawski)
[xPh 276] 39192 Moto perpetuo (Paganini)
[xPh 284-2] 39193 Serenade (Drdla)
[xPh 285-2] 39194 Kinderszenen: Träumerei (Schumann)
[xPh 295] 39195 La ronde des lutins (Bazzini)



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by ibotarow | 2018-05-20 10:48 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 22日

クーベリックG&T

d0090784_09180920.jpg
Bruno Seidler- Winkler (piano) and Jan Kubelik (violin) during a recording.
In the background: recording engineer Max Hampe. [1]

これまでの試行で、楽譜や復刻CDに依存しない回転数推定法がほぼ確立したと思われますので、途中でほっぽってあるサラサーテやエネスコの見直しをやる必要があるのですが、やはり今まで回転数を調べたことのないレコードに興味を惹かれます。
そこで今回はヤン・クーベリック(1880-1940)のG&Tを採り上げました。
なお、上の写真は[1]から拝借しましたが、クーベリックの恰幅の良さから考えて、G&T時代より後のHMV時代のものではないでしょうか?

クーベリックG&Tのリストを拙ブログから再掲しますと、

Jan Kubelik G&T Recordings

1902.10.26, Recordings made in London
[2700W] private Romance (d’Ambrosio)
[2701 W2] 7956 Serenade No. 1 in A (Drdla) 27946 27955 37938 47952 77912
[2702b] 7957 Lucia di Lammermoor: Sextetto (Donizetti-St Lubin)
[2703 2W] 7957 do 27947 27957 37939 47953 77913
[2704W] private Faust: Fantasia (Gounod)

1903.11.21
[4601b] 7967 Carmen: Habanera (Bizet-Sarasate)  47954 77914
[4602b] 7968 Carmen Suite: Chanson bohème (Bizet-Sarasate) 27956 37941 47955 77915
[4603b] Cadenza to Paganini (Émile Sauret)
[4604b] destr do
[4605b] 7961 Theme & Pizzicato - Nel cor non più mi sento (Paisello-Paganini) 27958 37940

1904.10.20
[6152b] Berceuse (Cui)
[6153b] Träumerei (Schumann)
[6154b] destr Jocelyn: Berceuse (Godard) with Nellie Melba (s), (piano Landon Ronald)
[400c] destr Ave Maria (Bach-Gounod), in Latin
[401c] 03033 do
[407c] no title on file
[408c] 07901 La ronde des lutins (Bazzini)037906 077902

1904.11.15
[6230b] Berceuse (Cui)

このうち市販されたのはカタログ番号を持つ下記の7面です。

7956 Serenade No. 1 in A (Drdla)
7957 Lucia di Lammermoor: Sextetto (Donizetti-St Lubin)
7967 Carmen: Habanera (Bizet-Sarasate)  
7968 Carmen Suite: Chanson bohème (Bizet-Sarasate)
7961 Theme & Pizzicato - Nel cor non più mi sento (Paisello-Paganini)
03033 Ave Maria (Bach-Gounod)
07901 La ronde des lutins (Bazzini)

この7面を78 rpmで再生した時の300から600 HzのスペクトルをFig. 1に示します。

d0090784_14342685.jpg

このデータから、440 Hz付近のピーク周波数を拾うと、

7956 Serenade No. 1 in A (Drdla); 421.24 Hz
7957 Lucia di Lammermoor: Sextetto (Donizetti-St Lubin); 422.59 Hz
7967 Carmen: Habanera (Bizet-Sarasate) ; 421.92 Hz
7968 Carmen Suite: Chanson bohème (Bizet-Sarasate); 421.92 rpm
7961 Theme & Pizzicato - Nel cor non più mi sento (Paisello-Paganini); 415.86 rpm
03033 Ave Maria (Bach-Gounod); 441.43 rpm
07901 La ronde des lutins (Bazzini); 429.99 rpm

となりました。
この周波数をA4だと仮定して、これを440 Hzにする回転数を求めると、

7956 Serenade No. 1 in A (Drdla); 78*440/421.24=81.47 rpm
7957 Lucia di Lammermoor: Sextetto (Donizetti-St Lubin); 78*440/422.59=81.21 rpm
7967 Carmen: Habanera (Bizet-Sarasate) ; 78*440/421.92=81.34 rpm 
7968 Carmen Suite: Chanson bohème (Bizet-Sarasate); 78*440/421.92=81.34 rpm
7961 Theme & Pizzicato - Nel cor non più mi sento (Paisello-Paganini); 78*440/415.86=82.53 rpm
03033 Ave Maria (Bach-Gounod); 78*440/441.43=77.75 rpm
07901 La ronde des lutins (Bazzini); 78*440/429.99=79.82 rpm

となりました。
この回転数で再生した時の300から600 HzのスペクトルをFig. 2に示します。

d0090784_14364960.jpg

440 Hzにピークを合わせただけなので、これが果たして本当のA4音なのかどうか、半音ずれていないかどうか、わからないのが絶対音感の無い身のつらいところです。
冒頭で、楽譜も復刻CDもいらないと大口を叩いた手前、多少後ろめたさはありますが、復刻CD[2]と比較してみましょう。
このCDには1902年録音のクーベリックが4曲入っていますが、復刻時の回転数が下記のように明記されています。

29: Serenade № 1 in A "Kubelík-Serenade" (Franz Drdla)
violin: Jan Kubelík
10" disc Gramophone 2701 b (7956) • key A, 69.4 rpm, 2:25 min

30: Fantaisie sur un thème de Lucia di Lammermoor (Leon de Saint-Lubin op.46)
violin: Jan Kubelík
10" disc Gramophone 2703 b (7957) • key D, 71.0 rpm, 2:42 min

これと比較すると、半音はおろか全音以上の相違があります。
これは始めからやり直しですね。



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by ibotarow | 2018-04-22 08:34 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 08日

イザイCOLUMBIA

d0090784_07184280.jpg

クライスラー、ティボーと来ると、イザイも気になります。
DAHR [1]によると、イザイのヴァイオリン録音は下記のとおり14タイトルあります。

Eugène Ysaÿe COLUMBIA Recordings

12/24/1912 New York, Camille de Creus (piano)
36513 Die Meistersinger: Preislied (Wagner)
36514 Scherzo valse (Chabrier)
36515-1 Abendlied (Schumann)
36516 Lointain passe mazurka (Ysaÿe)

12/27/1912
36519-2 Berceuse (Fauré)
36520-1 Concerto in E minor: Finale (Mendelssohn)
36521 Mazurkas: Obertass / Menetrier (Wieniawski)

2/1/1913
36515-2 Abendlied (Schumann)
36522 Rêve d'enfant (Ysaÿe)

12/30/1912
36523-1 Rondino (Vieutemps)
36524-1 Hungarian dance no. 5 in G (Brahms)
36525-2 Caprice viennois (Kreisler)
36526-1 Albumblätt (Wagner)

3/9/1914
36907-2 Ave Maria (Schubert)

3/19/1914
36908-1 Humoreske (Dvořák)

マトリクスにテイク番号の付いていない盤については、テイクは"unknown"となっています。
このうち、普通に手に入るのは12タイトルで、残りの2タイトル、

36515 Abendlied (Schumann)
36522 Rêve d'enfant (Ysaÿe)

は、mr.hmvさんのページ[2]によると、極めて入手困難のようです。
もちろんボクは見たこともありません。

米コロムビアのラッパ吹込み盤の回転数は、80 rpmだと言われていますが、マーストンがカザルスのラッパ吹込みを復刻した時のNAXOS盤の解説によると、「必ずしも80 rpm一律ではない」とのことです。

また、Tim Brooks [3]によると、
「最初のコロムビアのディスクは、74-76 rpmの範囲で留まってるように見え、後に、例外はあるが、約76-78 rpmのディスクを発売した。」
「コロムビアは、自社のレコードは80 rpmで再生すべきだと主張したが、この速度は明らかに速すぎる。 」そうです。

取りあえず80 rpmで12面を再生して、Sonyの復刻CD[4]と比べてみました。
結果は、

36513 Die Meistersinger: Preislied (Wagner); 77.68 rpm
36514-1 Scherzo valse (Chabrier); 77.6 rpm
36516-4 Lointain passe mazurka (Ysaÿe); 77.52 rpm
36519-2 Berceuse (Fauré); 77.44 rpm
36520-1 Concerto in E minor: Finale (Mendelssohn); 77.36 rpm
36521-1 Mazurkas: Obertass / Menetrier (Wieniawski); 77.44 rpm
36523-1 Rondino (Vieutemps); 77.36 rpm
36524-1 Hungarian dance no. 5 in G (Brahms); 77.36 rpm
36525-2 Caprice viennois (Kreisler); 77.36 rpm
36526-1 Albumblätt (Wagner); 77.36 rpm
36907-2 Ave Maria (Schubert); 79.04 rpm
36908-1 Humoreske (Dvořák); 79.28 rpm

となりました。
1912年と1914年で、2つのグループに分かれる結果となりましたが、Tim Brooksの言う通り、いずれも80 rpm以下となりました。

ただ、マトリクス番号順にPCに取り込みましたが、1912年のグループで、徐々に回転数が下がって、やがて、ほぼ一定の値に落ち着くのが気になります。
プレーヤ(Cosmotechno DJ-3500)の回転数を80 rpmに決めているのはスライド抵抗ですが、この経時変化もあるかもわかりません。

そこで、78 rpmのクオーツロックで再度、取り込みを行うことにしました。
結果は、

36513 Die Meistersinger: Preislied (Wagner); 77.77 rpm
36514-1 Scherzo valse (Chabrier); 77.61 rpm
36516-4 Lointain passe mazurka (Ysaÿe); 77.57 rpm 
36519-2 Berceuse (Fauré); 77.53 rpm
36520-1 Concerto in E minor: Finale (Mendelssohn); 77.48 rpm
36521-1 Mazurkas: Obertass / Menetrier (Wieniawski); 77.45 rpm
36523-1 Rondino (Vieutemps); 77.49 rpm
36524-1 Hungarian dance no. 5 in G (Brahms); 77.45 rpm
36525-2 Caprice viennois (Kreisler); 77.49 rpm
36526-1 Albumblätt (Wagner); 77.45 rpm
36907-2 Ave Maria (Schubert); 79.09 rpm
36908-1 Humoreske (Dvořák); 79.28 rpm

となりました。
ただし、ユーモレスクだけは、人にあげてしまって手元に無いので、上と同じ80 rpm再生時のデータです。
2種類の回転数をFig. 1に示します。

d0090784_10322626.jpg

1912年の録音は、マトリクス順に徐々に回転数が下がって、やがて落ち着く傾向は前回と同じです。
また回転数の値も大差ありませんでした。
これで、バチモンプレーヤの80 rpmの回転数は安定していたことが明らかになりました。

それでは、なぜレコードの回転数が徐々に変化したか、は不明です。
復刻CDは本家本元の復刻なので、ひょっとして当時の資料に基づいているのかもしれませんが。




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by ibotarow | 2018-04-08 09:30 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 01日

クライスラーG&T その2

クライスラーのG&T4枚については、前回、 復刻CDとピッチを合わせて回転数を求めましたが、今回ティボーFonotipiaで用いた、演奏全体のスペクトルからピッチ推定する方法を適用し、再度回転数を求めることにしました。

まず、Biddulphの復刻CDの300 Hzから600 HzのスペクトルをFig. 1に示します。

d0090784_15424484.jpg

あまりピッチが揃っているとは言えませんが、A4=440 Hz前後に揃えたいという意思は感じられます。
次に、レコードを78 rpmで再生した時の300 Hzから600 HzのスペクトルをFig. 2に示します。

d0090784_15424499.jpg

当然ながら、ピッチはCD以上にばらついています。
このデータからA4付近のピーク周波数を拾うと、

Chanson sans paroles (Tschaikowsky); 458.25 Hz 
Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert); 453.54 Hz 
Prelude in E (Bach); 450.18 Hz
Air on the G string (Bach); 442.10 Hz

となりました。
ここではピーク値を示した周波数をそのまま用い、カーブフィッティング等の処理は行っていません。
これらの値から、A4=440 Hzになる回転数を求めると、

Chanson sans paroles (Tschaikowsky); 78*440/458.25=74.89 rpm  
Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert); 78*440/453.54=75.67 rpm  
Prelude in E (Bach); 78*440/450.18=76.24 rpm  
Air on the G string (Bach); 78*440/442.10=77.63 rpm  

となりました。
前回求めた復刻CDと合わせた回転数との比較をFig. 3に示します。

d0090784_15424409.jpg

多少差はありますが、全体的な傾向は似ています。
最後に、A4=440 Hzになるように、上記の回転数に合わせたレコード再生音源の300 Hzから600 HzのスペクトルをFig. 4に示します。

d0090784_15424495.jpg

Fig. 1よりピッチは揃っており、単純にピーク周波数を採用しても、まあ大丈夫なようです。
この回転数で再生したMP3音源を下記にアップしました。

Chanson sans paroles (Tschaikowsky); https://yahoo.jp/box/uXUGQk
Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert); https://yahoo.jp/box/Pjki62 
Prelude in E (Bach); https://yahoo.jp/box/gzhbxR
Air on the G string (Bach); https://yahoo.jp/box/jCxQIS

前回の回転数の音源はそのまま置いてあります。ボクには違いが全くわかりませんが。


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by ibotarow | 2018-04-01 08:04 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 25日

ティボーFonotipia

d0090784_12141795.jpg

クライスラーG&Tの回転数を調べたいきおいで、もう一方の雄、ティボーFonotipiaも調べたくなりました。
こういうことは、やる気のあるうちにやっとかないと、次はいつその気になるかわかりませんものね。
それにコンピュータ・ソフトは、使わないとすぐに操作方法を忘れてしまいますから。

今まで何べんもあげていますが、グボー[1]によるFonotipiaのリストを再掲します。

Jacques Thibaud FONOTIPIA Recordings

1905 Paris
[xPh 523-3, 524, 524-3] 39054 THAÏS (Massenet-Gallet): Méditation (84rpm)
[xPh 526] 39209 Mélodrame de Piccolino (Guiraud) (84rpm)
[xPh 531] 39208 Serenata (Vieuxtemps) (84rpm)
[xPh 532, 532-2, 532-3] 39087 Gavotte (Bach) (80rpm)
[xPh 666] 39231 LE CARNAVAL DES ANIMAUX (Saint-Saëns): Le cygne (80rpm)
[xPh 697] 39222 Scherzando (Marsick, op.6,2) (80rpm)

20 June 1907 Paris, w. A. d'Ambrosio (pf) (83.5rpm)
[xPh 2768] unp. Mélancolie (d'Ambrosio) / l'Abaile (Schubert)
[xPh 2769] unp. Berceuse (Faure)
[xPh 2770] unp. Aveu (d'Ambrosio)
[xPh 2771] unp. Sérénade (d'Ambrosio)

回転数は一応書かれているので、発売された6面を取りあえずその回転数で再生して、Symposiumの復刻CD[2]と合わせることにしました。
なお、未発売の4面のうち、ダンブロジオとシューベルトの3面については、グッディーズから復刻CD[3]が出ています。フォーレの子守歌は、残念ながらFonotipiaでなくPatheのものが入っていますが。

回転数を合わせた結果は、

[xPh 524] 39054 THAÏS (Massenet-Gallet): Méditation; 84.8 rpm
[xPh 526] 39209 Mélodrame de Piccolino (Guiraud); 85.2 rpm
[xPh 531] 39208 Serenata (Vieuxtemps); 84.1 rpm
[xPh 532-3] 39087 Gavotte (Bach); 78.5 rpm
[xPh 666] 39231 LE CARNAVAL DES ANIMAUX (Saint-Saëns): Le cygne; 80.0 rpm
[xPh 697] 39222 Scherzando (Marsick, op.6,2); 79.2 rpm

となりました。
前半と後半の2グループに分かれるのは同様ですが、その値は微妙にばらついています。

また、Mélodrame de Piccolinoでは、前半を合わせると、後半はレコードが遅れる。つまり、レコードの回転数を一定と仮定すると、復刻CDは後半で回転数が速くなる、と言うことを意味します。
Serenataも程度は少ないですが、同様の傾向がありました。
復刻CDは、外周と内周の回転数の違いも補正しているのかもしれませんが、これをやりだすと泥沼に嵌ること必定ですので、踏み込むのはやめておきます。

楽譜の入手できたTHAÏS: MéditationとLe cygneの基準ピッチを調べてみると、両者とも440 Hzとなったので、この復刻CDは、基準ピッチA4=440 Hzで復刻しているようだと思ったのですが、その後、Gavotteの楽譜を入手してみると、A4=433 Hzとなったので、あれあれ?となりました。

今まで、楽譜の中から特定の音を選んで、その音だけの部分の演奏を切り取って、スペクトルを求めていましたが、一音だけのデータだと、フィンガリングの誤差もあるでしょうし、意識的に音程をずらしている可能性もあります。
また、楽譜の無いケースには対処できません。
Mélodrame de Piccolino, Serenata, Scherzandoについては楽譜が入手できなかったので、これらのピッチは調査できませんでした。

そこで、考え方を変えて、というか何も考えずに、分析区間を演奏全体に広げて、スペクトルを求める方法を試みました。

今までやらなかったのは、演奏された音全部が入ってくるので、ほかの音の高調波が悪さをしないかと懸念したからです。
仮にA4=440 Hzだとすると、A3=220 Hzになり、この時、例えばD3は平均律で計算すると、
D3=220/1.4983=146.832 Hz、
ですので、その3倍の高調波は、
146.832*3=440.497 Hz
となります。
これはA4に極めて近い値で、A4の周波数推定に影響を与える可能性があります。
また、そもそもA4音が出てこない曲もあることでしょう。
でも、楽譜の無い曲のピッチを求める方法は他に思いつかないので、試しにやってみることにしました。

この方法ですと、ヴァイオリンとピアノ両方の演奏全体の平均データが得られることになります。
使用したソフト(Audacity)では、分析区間の最大値は237.8 secのようですが、ティボーFonotipiaは最大でも3分ちょっとですので、演奏全体がカバーできます。

先ず、グボー[1]による回転数で取り込んだレコード再生音源のスペクトルを求めました。
分析区間は演奏全体、FFTのデータ点数は、今まで短音を分析していたのでN=4096でしたが、今回は分析幅は十分長いので、このソフトの最大値N=65536としました。
この時の周波数分解能dFは、
dF=Fs/N,
ここで、
Fs=44100;サンプリング周波数 (Hz)
N=65536
ですので、約0.67 Hz毎に得られることになります。

420 Hzから460 Hzまでのスペクトルを下図に示します。

d0090784_10043529.jpg

これらのデータからピーク周波数を求めると、

THAÏS: Méditation; 433.36 Hz
Mélodrame de Piccolino; 432.68 Hz
Serenata; 438.07 Hz
Gavotte; 440.76 Hz
Le cygne; 441.43 Hz
Scherzando; 444.12 Hz

となりました。
これらの値から、A4=440 Hzとなる回転数を求めると、

THAÏS: Méditation; 440/433.36*84=85.287 rpm
Mélodrame de Piccolino; 440/432.68*84=85.421 rpm
Serenata; 440/438.07*84=84.370 rpm
Gavotte; 440/440.76*80=79.862 rpm
Le cygne; 440/441.43*80=79.741 rpm
Scherzando; 440/444.12*80=79.258 rpm

となりました。
Symposiumの復刻CDと比較した結果を下図に示します。
図中、"Symposium"は、Symposiumの復刻CDの推定回転数、"Speed 440"は、レコード再生音源をA4=440 Hzとなるよう調節した回転数です。

d0090784_09540219.jpg

Gavotteを除けば、まあ似ていると言えます。



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by ibotarow | 2018-03-25 07:50 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 25日

クライスラーG&T

d0090784_17085501.jpg

もう老い先短い身であるし、SPレコードを新しく入手するのはやめようと思っていたのですが、クライスラーG&Tのプレリュードが出ているのを目にし、どうせダメだからと安い値を付けておいたら、思いもかけず落札してしまいました。
はからずも4枚が揃い、数十年前に4枚揃いを達成されたボストンの大先達の後塵をやっと拝することができました。
これで最後にしようと思います。

この機会に、クライスラーG&Tの回転数を調べてみることにしました。
調べると言っても、復刻CDと合わせるだけのお手軽&手抜き調査ですが。どうせ、当時の基準ピッチがわからない以上、正解はありません。
比較したのは、Biddulphの復刻CD [1]です。
結果は、

47944 [2084X] Chanson sans paroles (Tschaikowsky) : 75.2 rpm 
47945 [2085X] Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert): 75.0 rpm 
47946 [2086X] Prelude in E (Bach): 75.5 rpm
47947 [2087X] Air on the G string (Bach): 78.4 rpm 

となりました。
マトリクス番号が連続していることから考えて、同じ時に録音されたと思われますが、回転数は全くバラバラでした。
特に「G線上のアリア」は他の3枚とかけ離れた値です。

他の復刻CDではどうだろうかと探してみると、Testament [2]に「G線上のアリア」がありました。
結果は、上とあまり大差のない、
78.0 rpm
となりました。

d0090784_17083053.jpg

この演奏の基準ピッチはどのくらいだろうと、楽譜 [3]に赤丸で示した6小節目の2分音符Gの周波数を調べてみると、下図に示すように、
396 Hz
でした。

d0090784_17083422.jpg

これはG線の開放弦でしょうから、オクターブ下の200 Hz付近の小さなピークがファンダメンタル成分だと思われますが、当時の録音システムでは入らず、倍音のみが現れているのでしょう。

GとAの周波数比は1:1.12246だから、Aは、
396 * 1.12246 = 444.5 Hz
となります。

d0090784_17083858.jpg

念のため、「プレリュード 75.5 rpm」の楽譜 [4]に赤丸で示す16分音符G#を調べてみると、下図に示すように、
416 Hz
でした。

d0090784_07423434.jpg

G#とAの周波数比は1:1.05946だから、Aは、
416 * 1.059 = 440.5 Hz
となります。

このことから、「G線上のアリア」の78 rpmは、そんなに的外れの値でもありません。
もし、A=440 Hzに合わせるなら、
78 * 440 / 444.5 = 77.2 rpm
で再生すれば良いことになります。

下記の回転数で再生したMP3音源をそれぞれのページにアップしました。
カートリッジはDL-102SD、イコライザはフラットです。
いずれも写真をクリックすると音が出るはずです。

Chanson sans paroles (Tschaikowsky) : 75.2 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3741587/
Sarabande (Sulzer) and L'Abeille (Schubert): 75.0 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3740600/
Prelude in E (Bach): 75.5 rpm このページ
Air on the G string (Bach): 77.2 rpm https://ibotarow.exblog.jp/3741169/

References
[1] The complete acoustic HMV recordings, BIDDULPH LAB 009-10 (1989)
[2] The Great Violinists - Recordings From 1900-1913, TESTAMENT SBT21323 (2003)
[3] https://violinsheetmusic.org/files/download/classical/bach-wilhelmj-air-for-the-g-string-violin.pdf
[4] https://violinsheetmusic.org/files/download/classical/bach-prelude.pdf




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by ibotarow | 2018-02-25 08:07 | ヴァイオリン_ラッパ吹き込み | Trackback | Comments(0)