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カテゴリ:ピアノ_電気録音( 13 )


2018年 08月 18日

メイエルのクープラン1946

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1946年録音のバッハ、ラモー、スカルラッティはそれぞれ、DF 13, DF 14, DF 15としてLP化されましたが、なぜかAlbum 16のクープランだけはされませんでした。
DF 16は、リステンパルトのモーツァルト[1]です。

メイエルはDF 14で最後にするとに書いたし、もう新たにSPレコードは買わないと宣言したような気もするので、オークションでたまにクープランのAlbum 16を見つけても横目で見るだけでしたが、このたび、どうせダメだろうからと最低額を入れておいたら誰も入札せず、はからずも落札してしまいました。
これで誰かさんから嘘つき呼ばわりされそうですが、やはり邪心の無いところに神は微笑むようです。

1946-11-12
Album 16, 4 disques (72-75)
François Couperin: Neuf pièces pour clavier
72-1 [PARTX 3221-1, M6-110119] Le dodo ou l'amour au berceau / Le tic toc choc ou les maillotins 
72-2 [PARTX 3222-1, M6-110120] Les fauvettes plaintives
73-3 [PARTX 3223-1, M6-110121] La muse plantine / L'arlequine
73-4 [PARTX 3224-1, M6-110122] Les ombres errantes / Les barricades mystérieuses
74-5 [PARTX 3217-1, M6-110115] Les Folies Françoises ou les Dominos (début)
74-6 [PARTX 3218-1, M6-110116] Les Folies Françoises ou les Dominos (Fin)
75-7 [PARTX 3219-1, M6-110117] Passacaille (début)
75-8 [PARTX 3220-1, M6-110118] Passacaille (Fin)

先日、無事到着しました。
送り状の消印を見ると、さすがLA POSTE、5日で着いたようです。

早速聴いてみました。回転数はとりあえず78.0 rpmです。
心配した DF 14, D F15で聴かれたようなワウフラッターは感じませんでした。 あれはLP転写時のことだったのでしょうか?
音はしっとりしていますが、78回転ならではの明晰さと力強さがあります。

メイエルは1897年生まれなので、この時すでにオバサン世代ですが、メイエル嬢と呼びたくなります。
銚子のAさんのようにアバズレとは言いませんが、お転婆です。
Wikipediaによると、お転婆はオランダ語 ontembaarからの借用で、 原義は「手に負えない」の意だそうです。なるほどね。

さて、回転数ですが、EMIの復刻CD(正確にはその海賊盤[2])には、1946年録音のクープランも収録されていて、それと聴き比べてみると、ピッチが少し違います。

DF 14の時にも引用しましたが、さる畏兄からお借りしたEMIの復刻CDの解説[3]によると、
"Lastly, the pitch has been set at 440 Hz for all the 78 sides that sounded a semitone higer."
つまり、「78回転盤はすべて半音高く聴こえたので、ピッチを440 Hzになるように合わせた。」
と書いてあります。

しかし実際に半音低くするために、回転数を約73.6 rpmにしてみると、復刻CDよりも低くなります。
そこで、半音のさらに半分の4分音(2の24乗根=1.0293)にすると、
78/1.0293=75.8 rpm
になり、耳で聴いた限りでは、復刻CDのピッチと合いました。
9曲を通して聴いてみると、78.0 rpm再生のお転婆で快活な感じがちょっと薄れ、典雅な雰囲気になります。

最後に、1953年録音のDF 86のクープランと聴き比べてみました。
DF 86
Couperin, Rameau, Debussy et Ravel: Concert de musique française
[DF 86 1C1, PARTX 19519, M6 148674]
Couperin:
1. Le Dodo ou l'amour au berceau
2. Les barricades mystérieuses
3. Les fauvettes plaintives
4. Les ombres errantes (quel chef d'œuvre!)
5. Le tic toc choc ou les maillotins

これらは、1946年録音の75.8 rpm再生と比べて、ピッチはほぼ同じですが、さらに優雅で落ち着いていて、大年増の貫禄があります。
でも1946年の方がフレッシュで軽快です。

Reference
[1] MOZART: Symphonies K.136 / K.137 / K.138 Orchestre de chambre de la Sarre conducted by KARL RISTENPART, Les Discophiles Francais DF 16
[2] Marcelle Meyer - Complete Studio Recordings 1925-1957, Documents, LC 12281
[3] Marcelle Meyer - Studio Recordings 1925-1957, EMI Classics, CZS3846992 (2007)




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by ibotarow | 2018-08-18 08:37 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2017年 03月 31日

ソロモンのベートーヴェン

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銚子のAさんのブログ[1]を読んで、昔、吉田秀和が何かの連載でソロモン(1902-1988)をホメていて、それでレコードを1枚買ったなあということを思い出しました。
調べてみると、1976年にラジオ技術社から「世界のピアニスト」[2]という単行本が出ていて、その中の「ホフマンとソロモン」と言う章で紹介していたようです。
記憶はさだかではありませんが、同社から出ていたステレオ芸術誌で連載していたのかもしれません。

くだんのレコードを押入れの奥から引っ張り出してみると、
Beethoven: Piano Concerto No. 1 / Sonata No. 27 (Seraphim ‎– 60016)
でした。てっきりモノラル盤だと思っていましたが、ステレオでした。
何年頃の録音か調べてみると、ソロモンのディスコグラフィー[3]に、

BEETHOVEN: Piano Concerto No. 1 in C, Op. 15
Philharmonia Orchestra; Herbert Menges, cond.
Recorded 16-17 and 23 September 1956, Studio No. 1, Abbey Road
GB= HMV ALP 1583/ASD 294, RLS 5026 (HLS 7067)(0C 17701698/701)
US= Mg (S)35580, Sera (S)60016
Ger=Elec lC 147 01671/3M

BEETHOVEN: Sonata No. 27 in e, Op. 90
Recorded 21-23 August 1956, Studio No. 3, Abbey Road
GB = HMV ALP 1582/ASD 294, XLP 30020, RLS 722 (HLS 7103)(OC 147 52448/54M)
US = Mg (S)35580, Sera (S)60016

があり、1956年の録音で、ステレオ・モノラル両方で発売されたようです。
ちなみに、この一つ前の録音がAさんのブログに登場するOp. 110です。

BEETHOVEN: Sonata No. 31 in A-Flat, Op. 110
Recorded 20-21 and 23 August 1956, Studio No. 3, Abbey Road
GB= HMV ALP 1900, RLS 722 (HLM 7102)(0C 147 52448/54M)
Ger = Elec lC 047-01553M
Note: Stereo tape made at sessions never issued.

したがってソロモンに関しては、1956年8月下旬からステレオ録音が開始されたことが窺えます。

さて、さっそく何十年ぶりかで聴いてみました。
「ダイナミクスのうるおい、噴きこぼれる音色、裏打ちするイデア、そしてダンス・・・」
これは、常人にはとてもマネできないシュールな表現で、さすがAさんですが、
ボクの凡庸な感想を一言でいうと、抑制の効いたベートーヴェンです。
録音も1950年代EMIの中庸を得た音で、決して派手ではありませんがこれで過不足ないと思いました。



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by ibotarow | 2017-03-31 07:00 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2016年 05月 19日

最後のマルセル・メイエル DF14

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前回でDF86問題も決着が付き、もうメイエルのラモーについては思い残すことはないと思ったのですが、やはり1946年録音が気になって、レコードで聴いてみたいと、ついに先日「ラモー クラヴィアのための11の小品 N°14」を入手しました。
内容は下記のとおりです。

N°14
Rameau: Onze pièces pour clavier
[DF 14 1C2, PART 13324, M3-132009]
 Les Sauvages (1'35") 
 Les Cyclopes (2'45")
 Les tendres plaints (2'36")
 La Villageoise (1'30)
 Gavotte et doubles (6'35") 
[DF 14 2C3, PART 13762-1, M3-133201]
 Les Soupirs (3'53") 
 Fanfarinette (1'30")
 Le Rappel des oiseaux (2'41")
 L'Entretien des Muses (4'23") 
 La Livri (2'24")
 L'Égyptienne (2'01") 
【1946-05-07/08】

( )内にEMIの復刻CD[1]による演奏時間を示します。
これは78回転盤 Album 14、

Album 14, 4 disques 64-67 
Rameau: Onze pièces pour clavier
64 1 [PARTX 2694-2] Les sauvages - Les cyclopes
64 2 [PARTX 2695-1] Les tendres plaintes - La villageoise
65 1 [PARTX 2696-1] Les soupirs
65 2 [PARTX 2691-1] Gavotte & doubles
66 1 [PARTX 2692-1] do
66 2 [PARTX 2697-1] Fanfarinette - Le rappel des oiseaux
67 1 [PARTX 2693-1] La livri - Legyptienne
67 2 [PARTX 2698-1] L'entretien des muses
【1946-05-07/08】

と同じ内容です。

ジャケットにはN°14と書いてありますが、盤面にはDF 14と刻印されています。
さっそくピエールクレマンで聴いてみました。
コリッとした美しい音ですが、歪むところもあります。

1946年のスカルラッティDF15と同様、ワウフッターで細かく震えます。曲によって程度が違いますが、Les Cyclopesが一番酷い。
また、Gavotte et doubleは真ん中辺でピッチががたっと落ちますが、これは78回転のアセテート原盤の盤面が替わって外周になるためでしょう。
さらに、曲によって音量レベルが違い、中でもL'Entretien des Musesが一番大きい。この曲は歪むし、震えます。
1953年録音よりピッチが高いですが、これは元々のピアノのピッチが違うのか、録音・転写システムのためかはさだかではありません。
EMIの復刻CD(正確にはその海賊盤[2])ではワウフラッターはそんなに気にならないので、ピッチやレベル差の問題も含めて、アセテート原盤からの転写時の品質管理の問題かもしれません。

演奏は、キレがあり、軽快で、颯爽としています。
それに対して1953年録音は、コクがあり、優美で、ゆったりしています。

ちなみにDF98/99の内容は下記で、●がDF14と重複している曲です。
( )内に[1]による演奏時間を示します。
[ ]内はDF14の演奏時間です。
DF14の方が短いものがほとんどですが、数秒の差はファイルの切り方で誤差の範囲内だと思います。
中には、Les Soupirsのように大幅に異なるものがありますが、これは繰り返しの有無でしょうね。

DF 98/99
Rameau: L'œuvre pour clavier
[DF 98 1C5, XPARTX 26508, M6 165042]
1-er Livre (1706) :
 Prélude (3'06")
 Allemande (1'43")
 2-e Allemande (1'41")
 Courante (1'44")
 Gigue (1'35")
 Sarabande (1'56")
 Vénitienne (1'22")
 Gavotte (1'25")
 Menuet (1'10")
Recueil de 1724 (début) :
 Menuet et rondeau (0'45")
 Allemande (2'29")
 Courante (1'44")
 Gigue en rondeau (1'34")
 2-e Gigue en rondeau (2'19")
 Musette en rondeau (1'54")
 Le Rappel des oiseaux (2'59") ● [2'41"]

[DF 98 2C3, XPARTX 24162, M6 160688]
Recueil de 1724 (suite) :
 Rigaudons I and II (1'06")
 Tambourin (1'20")
 La Villageoise (rondeau)(1'37") ● [1'30]
 Les tendres plaintes (rondeau) (2'37") ● [2'36"]
 Les Niais de Sologne, avec 1 and 2 doubles (5'23")
 Les Soupirs (5'30") ● [3'53"]
 La Joyeuse (0'49")
 La Follette (rondeau) (1'30")
 L'Entretien des Muses (4'30") ● [4'23"]
 Les Tourbillons (rondeau) (2'07")
 Les Cyclopes (rondeau)(2'41") ● [2'45"]

[DF 99 1C3, XPARTX 24184, M6 160796]
Recueil de 1724 (fin) :
 Le Lardon (menuet) (0'28")
 La Boiteuse (0'28")
Nouvelles Suites (début) :
 Allemande (3'54")
 Courante (4'37")
 Sarabande (2'08")
 Les Trois Mains (3'29")
 Fanfarinette (2'41") ● [1'30"]
 La Triomphante (1'04")
 Gavotte et doubles (6'42") ● [6'35"]
 Les Tricotets (1'32")
 L'Indifférente (1'47")

[DF 99 2C6, XPARTX 25296, M6 163030]
Nouvelles Suites (fin) :
 Menuets I and II (2'21")
 La Poule (3'06")
 Les Triolets (2'38")
 Les Sauvages (1'35") ● [1'35"]
 L'Enharmonique (3'54")
 L'Égyptienne (2'04") ● [2'01"]
 La Dauphine (2'43")
Pièces en Concert :
 La Livri (rondeau) (2'43") ● [2'24"]
 L'Agaçante (1'44")
 La Timide (1-e and 2-e rondeaux) (4'17")
 L'Indiscrète (rondeau) (1'16")
【1953-10-29/30】

音は上に述べたようにいろいろ問題がありますが、演奏はすばらしく大変満足しました。
ちなみに銚子のAさんによると、
「78回転のメイエルはアバズレの風情があります。」
うまいこと言いますねえ。ボクの以前書いた「キャピキャピギャル」より本質に肉薄しています。
これでメイエルは最後にします。

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by ibotarow | 2016-05-19 09:00 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(2)
2016年 04月 30日

マルセル・メイエルのDF86問題

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前から気になっていたメイエルの「フランス音楽のコンサート」DF86ですが、内容は、
1面は、クープランとラモーが5曲ずつ、
2面は、ラベルの「クープランの墓」とドビュッシーの「ラモー礼賛」
で、18世紀と20世紀が互いに響き合うという心憎い演出です。

何が気になっていたかというと、2面は1953-54年の録音のようですが、1面が同時期の録音なのか、あるいは1946-47年の録音なのかどうかがわかりませんでした。

これについて、銚子のAさんからいただいたHarmonie誌の記事[1]によると、
・ラベルの「クープランの墓」はDF 100/1(1954年)と同じ録音。
・その他はすべて78回転録音。
だそうです。

以前作ったディスコグラフィーから抜き書きすると、

DF 86
Couperin, Rameau, Debussy et Ravel: Concert de musique française
[DF 86 1C1, PARTX 19519, M6 148674]
Couperin:
1. Le Dodo ou l'amour au berceau
2. Les barricades mystérieuses
3. Les fauvettes plaintives
4. Les ombres errantes (quel chef d'œuvre!)
5. Le tic toc choc ou les maillotins

Rameau:
1. L'entretien des Muses
2. Les sauvages
3. Les tendres plaints
4. Le rappel des oiseaux
5. Les cyclopes

[DF 86 2C3, XPARTX 23531, M6 158819]
1. Ravel: Le tombeau de Couperin
2. Debussy: Hommage à Rameau
【1953-1954】

ですが、マトリクス番号に差があるので、1面は2面より少し前に作られたようです。
PARTXの頭にXが付くようになるのは、ステレオ録音YPARTXが登場する1950年代終わり頃でしょうか、また末尾のXは12インチ盤を意味するようです。

まず、ドビュッシーは[1]によると、

Album 21, 4 disques 92-95
92 Hommage à Rameau
93 Et la lune descend sur le temple qui fut
94 Poissons d'or
95 La Terrasse des audiences au clair delune - Feux d'artifice
【1947】

ですが、EMIの復刻CD[2]には1953-54年の録音があります。
DF86は果たしてどちらか?
[2]によると演奏時間が、
1947年:6'27"
1953-54年:5'43"
と大幅に違いますので、DF86で計測してみると、
5'35"
でしたので、1953-54年録音のようです。

次にクープランは、[1]によると下記のアルバムと同じ演奏、カッコ内の番号は上のトラック番号に対応。

Album 16, 4 disques 72-75
François Couperin: Neuf pièces pour clavier
72 1 [PARTX 3221-1] Le dodo ou l'amour au berceau (1) - Le tic toc choc ou les maillotins (5)
72 2 [PARTX 3222-1] Les fauvettes plaintives (3)
73 1 [PARTX 3223-1] La muse plantine, L'arlequine
73 2 [PARTX 3224-1] Les ombres errantes (4) - Les barricades mystérieuses (2)
74 1 [PARTX 3217-1] Les Folies Françoises ou les Dominos
74 2 [PARTX 3218-1] do
75 1 [PARTX 3219-1] Passacaille
75 2 [PARTX 3220-1] do
【1946-11-12】

しかしながら、これも[2]によると1953-54年の録音もあるようです。
DF86は果たしてどちらか?
演奏時間は、1曲目のLe dodo ou l'amour au berceauで比べると、
1947年:2'43"
1953-54年:3'24"
とかなり違いますので、DF86の同曲を実測すると、
3'19"
と1953-54年録音に近い値となりました。

最後にラモーは、[1]によると下記のアルバムと同じ演奏、

Album 14, 4 disques 64-67 
Rameau: Onze pièces pour clavier
64 1 [PARTX 2694-2] Les sauvages (2) - Les cyclopes (5)
64 2 [PARTX 2695-1] Les tendres plaintes (3) - La villageoise
65 1 [PARTX 2696-1] Les soupirs
65 2 [PARTX 2691-1] Gavotte & doubles
66 1 [PARTX 2692-1] do
66 2 [PARTX 2697-1] Fanfarinette - Le rappel des oiseaux (4)
67 1 [PARTX 2693-1] La livri - Legyptienne
67 2 [PARTX 2698-1] L'entretien des muses (1)
【1946-05-07/08】

しかし1953年録音のDF 98/99と同時期の演奏かもしれません。
[2]によると演奏時間は各曲ともほとんど同じですが、一番違うLe rappel des oiseauxで比較してみると、
1946年:2'41"
1953年:2'59"
さて問題のDF86を計ってみると、
2'59"
となり、これも1953年の演奏のようです。

ということで、演奏時間の比較の結果、ボクの判断としては、
DF86はすべて1950年代の録音
ということになりました。

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by ibotarow | 2016-04-30 08:45 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(2)
2016年 02月 27日

メイエルとミヨーのスカラムーシュ

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フランス6人組の一人、ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud, 1892 - 1974)は、マルセル・メイエルとイダ・ジャンケレヴィッチから1937年のパリ万博用にピアノデュオ曲を作ってくれと依頼されましたが気が乗らずに、近作の旋律をピアノ用に編曲して、
2台のピアノのためのスカラムーシュ (Scaramouche pour 2 pianos Op. 165b)
を作りました。

3つの楽章からなり、
1. Vif
2. Modéré
3. Brazileira

第1楽章と第3楽章の元になっているのは、「空飛ぶお医者さん(Le Médecin volant)Op.165a」で、これは モリエール(Molière, 1622 - 1673)の最初の喜劇 "Le Médecin volant" を、 シャルル・ヴィルドラック (Charles Vildrac, 1882 - 1971)が児童劇に書き直し、 それにミヨーが付随音楽(incidental music)を書いたものです。

第2楽章は、ジュール・シュペルヴィエル(Jules Supervielle, 1884 - 1960)の戯曲「ボリヴァール」に作曲した、「声楽とコーラスと室内オーケストラのための劇付随音楽"Bolívar" Op.148 (1935)」から取られたものです。

スカラムーシュとは、「空飛ぶお医者さん」が初演されたシャンゼリゼ通りのスカラムーシュ劇場に由来します。

これはミヨーの一番ポピュラーな作品となり、その楽譜はたいへん良く売れたそうです。
それに気を良くしたのか、ミヨーは他の楽器のためのバージョン、
アルトサックスとオーケストラ Op. 165c (1939)
クラリネットとオーケストラ Op. 165d (1941)
も作っていますが、こちらはあまり売れなかったようです。

なおイダ・ジャンケレヴィッチ ( Ida Jankélévitch, 1905 - ?)は、哲学者ウラディミール・ジャンケレヴィッチ(Vladimir Jankélévitch, 1903 - 1985)の妹のようです。

1938年、ミヨーとメイエルは、仏EMIにScaramoucheを録音しました。

DB 5086 Scaramouche - Suite pour deux pianos (Darius Milhaud)
[2LA 2855-1, M6 96849] No 1 Vif - No 2 Modéré (1re Partie)
[2LA 2856-1, M6 96850] No 2 Modéré (2e Partie) - No 3 Brazileira
Mme Marcelle Meyer et l'auteur (sur pianos Pleyel)
rec. December 6, 1938, Paris, Studio Albert

最後のBrazileira(ブラジルの女)が何とも楽しく、このレコ―ドはいつか手に入れたいものだと思っていましたが、先日、某オークションに出ていたのでダメ元で入札したところ無競争で落札してしまいました。

到着したレコードを見ると、リムの欠けたところから、芯のボール紙らしきものが見えます。
日本の戦時中のレコードではおなじみですが、フランスでもそうだったとは思いませんでした。
そのせいかあまり光沢はなく、紙の凹凸が盤面のムラとなって現れています。
このレコードが録音された1938年はドイツによるオーストリア併合の年ですが、 フランスはまだ占領されていないとはいえ、物資の欠乏は始まっていたようですね。

楽章間の音溝の隙間は無く、連続して演奏されています。

かけてみますと、溝は見た目そんなに荒れている感じはしないのですが、 大振幅のところでは、デッカゲンコツ24gの針圧を持ってしても歪みます。

でもまあ、メイエルの高音部(を受け持っていると思っているのですが)は、 復刻CDで聴くより敏捷で生き生きとしているので、これで良しとしましょう。

Youtubeはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=PwvQwfq1A3c


References
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_compositions_by_Darius_Milhaud 
https://es.wikipedia.org/wiki/Scaramouche_(Darius_Milhaud)
https://it.wikipedia.org/wiki/Scaramouche_(Milhaud)
https://es.wikipedia.org/wiki/Jules_Supervielle
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/1176/
その他いろいろ
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by ibotarow | 2016-02-27 17:07 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(2)
2015年 09月 30日

イヴ・ナットの「悲愴」「月光」「熱情」4種

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まったく何をやってるんだと言われそうですが、先日、プレス時期の違う標記のレコードが3枚まとめて出ていたので、音の違いを聴いてみたいという不純な動機で入手しました。
それまでに持っていた1枚と合わせると4種類になります。

古い方から並べると、
1. DF57 grey フラット盤(203 g)
[DF 57 1C21, PARTX 19515, M6 148670] 悲愴、月光
[DF 57 2C21, PARTX 19516, M6 148671] 熱情

2. DF57 green フラット盤(218 g)
[DF 57 1C21, PARTX 19515, M6 148670] 悲愴、月光
[DF 57 2C21, PARTX 19516, M6 148671] 熱情

3. 730.006 グルーブガード盤(151 g)
[730006 1 21C, M6 209345] 悲愴、月光1,2楽章
[730006 2 21C, M6 209037] 月光3楽章、熱情

4. 2C051-10.756 グルーブガード盤(115 g)
[10756 MA(手書き), 73076 MA 21(見え消し), M6 335586 3] 悲愴、月光
[10756 MB(手書き), 73076 MB 21(見え消し), M6 335587 3] 熱情

1と2のDF57は、M6番号がいっしょなので、ほぼ同時期のプレスだと思われます。、
2重円で赤字のグレージャケットの方が、1重円で黒字のグリーンジャケットより古いと思っていましたが、()内のレコード重量を比べると、2のグリーンジャケット方がわずかに重く、こちらの方が古いかもしれません。

ちなみに重量は、3の730シリーズ,4のリファレンスシリーズとどんどん軽くなって、4は115gで、2の218 gのほぼ半分です。これが音に影響しないはずはありませんよね。

曲の配置では、3だけ「月光」が両面に分かれて入っています。
こうすると両面の収録時間のバランスが良くなりますが、使い勝手が悪いというクレームがあったのでしょうか、4では再び前の配置に戻っています。

また、4では、73076という刻印が見えるように消してあります。リファレンスシリーズより古いマトリクス番号の原盤をそのまま使っているよ、ということかもしれません、よくわかりませんが。

なお、M6番号から製造年月日が特定できるはずですが、残念ながら資料がないのでわかりません。
外見的な特徴はこれくらいです。

それでは新しい方から音の特徴を見ていきます。
再生はタンノイバリレラとQUAD QC2で、カーブはNABです。

4.2C051-10.75
柔らかく、軽く、薄く、ソツなくきれいに整っている。低音少な目。

3.730.006
4より多少硬めで、薄く、すっきりとして繊細、低音多め。

2.DF57 green 
中高音が締まり、芯がある。高音に輝き、厚い低音。

1.DF57 grey
コロコロと粒立ちの良い高音、美しい中音、深い低音。

というわけで、見た目の盤の厚さ(重量)に引きずられないようにしようと努力はしたのですが、結果的には、それに比例したような音の特徴となりました。
また、2枚のDF57は、表現は違いますがほとんど同じ音です。

再生系は、タンノイとNABカーブだけでは、古いプレスに有利、新しいプレスに不利になるかもしれませんので、DL103とQUAD33のRIAAカーブでも一通り聴いたんですが、4種間の相対的な差異に関して、感想の大勢は同様でした。

上記以外のレコードについては、以前、さる先達からお借りしたDF57グレージャケットのパンケーキ盤、

[57・1BV3, V・1749 (手書き)] 悲愴、月光
[DF-57 2C2B, XPARTX29025, M6 169470] 熱情

は、その時の感想として、
「1,2面とも、すっきりとして、鮮明です。 ワイドレンジなのでしょう。」
と記しています。
これはM6番号から見ると、上のDF57と730.006の間のプレスなので、音もその中間なのかもしれません。
拙い経験では、DFのパンケーキ盤はレーベル部は厚いんですが音溝部は薄く、音は鮮明ですが、反り易いのが欠点です。

また、別の先達がお持ちのピアノソナタ全集の中の当該レコード、

2C147-10.924M
[10 924 MA 21, M6 321 616 4] 悲愴、月光1,2楽章
[10 924 MB 21, M6 321 617 4] 月光3楽章、熱情

は、M6番号から見ると、4のリファレンスシリーズよりちょっと前のプレスですが、730.006と同じく、月光が両面に分かれて入っています。730シリーズからリファレンスシリーズになる直前までは、この配置だったのでしょうか。
音は聴いていないのでわかりませんが、たぶんリファレンスシリーズに似ているでしょう。

とにかく、イヴ・ナットのこのレコードはベストセラーだったらしく、何べんもカッティングし直されて、他にもいろんな種類があるようで、切りがないのでこれ以上追いかけるのはあきらめます。
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by ibotarow | 2015-09-30 09:19 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 03月 29日

マルセル・メイエルのスカルラッティその後

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またメイエルか、と言われそうですが、これで最後です。
以前入手した1946年録音のスカルラッティ(DF15)は、演奏は溌剌としてすばらしいけれども、ワウフラッターのせいで音が揺れるのが玉に瑕でした。
ヴァイオリンのビブラートは気持ち良いのに、ピアノのビブラートは気持ち悪いのは何ででしょうね。
というわけで、揺れないLP録音のスカルラッティ(DF 139-140)が欲しくなったのであります。(理由になっているかな?)
ほどなく、DF139だけバラで出ていたのを見つけ、数人の競争相手とバトルの末、辛くも入手できました。

1954-11
DF 139
Domenico Scarlatti: Les sonates pour clavier

1面:[DF 139 1C1, XPARTX 25306, M6 163040]
N°12 (Kk.478) - D major, Andante cantabile △
N°14 (Kk.492) - D major, Presto
N°23 (Kk.380) - E major, Andante comodo ○
N°449 (Kk.27) - B minor, Allegro ○
N°450 (Kk.245) - B major, Allegro △
N°33 (Kk.87) - B minor ○
N°58 (Kk.64) - D minor, Allegro ○
N°288 (Kk.432) - G major, Allegro △

2面:[DF 139 2C1, XPARTX 25308, M6 163042]
N°338 (Kk.450) - G minor, Allegrissimo △
N°382 (Kk.69) - F minor △
N°344 (Kk.114) - A major, Spirito e presto ○
N°413 (Kk.9) - D minor, Allegro △
N°415 (Kk.119) -D major, Allegro △
N°423 (Kk.32) - D minor, Aria ○
N°429 (Kk.175) - A minor, Allegro ○
N°468 (Kk.279) - A major, Andante ○


1946年の録音のような勢いの良さはありませんが、暖かく包み込むような、母親のような演奏です。
でも場所によっては、けっこう力強さも感じられます、母は強し。

この後、DF15を聴くと、敏捷で、エネルギー感が違います。逞しいと言ってもいい。
しかし、いささか体操の演技のようではありますが。
○印がDF15にも収録されている曲です。半分ほど重複しているのがわかります。
メイエルの好きな曲、あるいは得意な曲なのでしょうか。
おかげでDF15の良さを再認識しました。揺れるのは我慢しましょう。

なお、△印はSP盤のAlbum 30の収録曲で、○△合わせるとDF139はほとんど重複しているがわかります。
未入手のDF140も調べてみると、半分以上重複していました。

1955-5
[DF 140 1C1, XPARTX 29125, M6 169832]
N°465 (Kk.96) - D major, Allegrissimo △
N°463 (Kk.430) - D major, Non presto ma a tempo di ballo ○
N°286 (Kk.427) - G major, Presto quanto sia possible △
N°486 (Kk.13) - G major, Presto △
N°475 (Kk.519) - F minor, Allegro assai ○
N°384 (Kk.17) - F major, Presto △
N°498 (Kk.202) - B-flat major, Allegro ○
N°499 (Kk.30) - G minor Moderato ○

[DF 140 2C2, XPARTX 29078, M6 169714]
N°461 (Kk.29) - D major, Presto
N°263 (Kk.377) - B minor, Allegrissimo △
N°490 (Kk.523) - G major, Allegro
N°433 (Kk.446) - F major, Pastorale Allegrissimo
N°104 (Kk.159) - C major, Allegro
N°203 (Kk.474) - E-flat major, Andante cantabile
N°487 (Kk.125) - G major, Vivo ○
N°395 (Kk.533) - A major, Allegro assai

ということで、ボクのスカルラッティのイメージからすると、断然DF15の方なんですが、DF139の優しく、時には強い、母性的魅力にも抗しがたいものがあります。
結局、メイエル・ファンとしては両方必要です。
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by ibotarow | 2015-03-29 11:30 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 11日

1925年のマルセル・メイエル

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先月の「マルセル・メイエルのスカルラッティ」の最後に、
>1938年のスカラムーシュ聴くと、1930年代の、さらには1920年代のメイエルはさらに素晴らしかったでしょうね。
と書いた手前、復刻CD[1]の解説をもとに1920年代の録音をリストアップしてみました。
録音年月日については、別の復刻CD[2]のデータも併記しておきます。

先日、その中のD 1063を入手することができました。 最初期の電気録音です。
ストラヴィンスキーのラグタイムについては[3]に記事があります。ドイツ語なので読んでいませんが。
さて、そのラグタイムから聴いてみました。
まるでジャズのようです、あたりまえか。
弾むリズムの躍動感が素晴らしく、ラディゲらと海岸で遊んでいた頃[4]のピチピチギャル時代のメイエルがいます。
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次にアルベニスのナヴァラを聴くと、やはり弾むリズムの中に、ロマンチックな大きなうねりに身を任せるような快感が得られます。
まさにこれが1920年代なんでしょうねえ、日本でいうモガ・モボ時代ですね。

[1]の解説記事によると、彼女の演奏を特徴づける要素として、
crispness, clarity and vitality
を挙げています。
clarity and vitalityはいかにも彼女らしくてよくわかりますが、crispとは語感からいって、硬いものをカリッと齧るときの痛快感をともなった、あの感覚でしょうか?
これも若いメイエルならではの特質でしょうね。
このレコードを聴くとその感じがとてもよくわかります。


             Marcelle Meyer 1920s Recordings

1 Dec. 1925, Hays, Studio A
HMV
[Bb 7430] Non publié  Francis Poulenc (1899-1963): Trois Mouvements perpétuels
I Assez modéré, II Très modéré, III Alerte
[Cc 7433-1] 05869  Igor Stravinsky (1882-1971): Ragtime D 1063, W 727 (1925年5月12日、14日)
[Cc 7434-3] 05870   Isaac Albéniz (1860-1909): Navarra D 1063, W 727 (1925年5月12日、14日)
[Bb 7435-2] 5834? Manuel de Falla (1876-1946): Danse du Meunier (Le Tricorne) P 725 (1925年11月18日)
[Bb 7436-2] 5835  Isaac Albéniz (1860-1909): Sous le palmier (Canto de Espaňa, Op.232) P 725 (1925年5月13日)
[Bb 7437] Non publié  Emmanuel Chabrier (1841-1894): Idylle (Pieces pittoresques)
[Bb 7438] Non publié  Claude Debussy (1862-1918): Poissons d'or (Images, 2e série)

12 Oct. 1929, Paris, Studio Albert
10" Columbia
[WL 1846-1 / 1847-2] LF 24 Emmanuel Chabrier (1841-1894): Bourrée fantasque
[WL 1848-1 / 1849-2] LF 11 Maurice Ravel (1875-1937): Alborada del gracioso (extr. de Miroirs)

References
[1] Marcelle Meyer -Studio Recordings 1925-1957, EMI Classics, CZS3846992 (2007)
[2] ST-LAURENT STUDIO
http://www.cadenza-cd.com/label/st_Laurent.html#YSL78-062
[3] Noch etwas Rag-time, diskographisch (1)
http://www.dpmusik.de/straw/intro07.html
[4] http://www.lesdiagonalesdutemps.com/article-raymond-radiguet-et-jean-cocteau-113599965.html
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by ibotarow | 2015-02-11 09:57 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2015年 01月 31日

マルセル・メイエルのスカルラッティ

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バッハ、ラモ―と来るとスカルラッティも聴きたくなります。
この3人はほとんど同時代の人なんですね。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685年3月31日 - 1750年7月28日)
ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau, 1683年9月25日 - 1764年9月12日)
ドメニコ・スカルラッティ(Domenico Scarlatti, 1685年10月26日 - 1757年7月23日)

ドイツ、フランス、イタリアのお国柄によって、それぞれの個性に溢れています。
優美、繊細で、女性的、情緒的なラモーに対して、スカルラッティはラモ―より甘さ控えめ、感情も控えめで、理知的、男性的ですが、バッハほど偉そうにしていなくて、イタリアの明るい陽光に満ちています。
スカルラッティはそれまでミケランジェリしか聴いたことなかったのですが、畏友エピクロスさん曰く、
「ミケランジェリの方が人間の情感を合理性、理性でコントロールしているのでしょうね。メイエルは、人間の自然をより重視していると言えるのでしょうね。」
だそうです。なるほど、さもありなんです。

メイエルのスカルラッティの録音は、1946-4949年のSP期と、1954-55年のLP期に分かれます。
まずSPの録音は、拙ブログのディスコグラフィーから抜き出すと、

1946-11-12
Album 15, 4 disques (68-71)
Domenico Scarlatti: Les sonates pour clavier
68 1 [PARTX 3209-1] N°423 (Kk.32) - N°429 (Kk.175)
68 2 [PARTX 3210-1] N°449 (Kk.27)
69 1 [PARTX 3211-1] N°487 (Kk.125) - N°499 (Kk.30)
69 2 [PARTX 3212-1] N°33 (Kk.87)
70 1 [PARTX 3213-1] N°23 (Kk.380) - N°463 (Kk.430)
70 2 [PARTX 3214-1] N°344 (Kk.114)
71 1 [PARTX 3215-1] N°58 (Kk.64) - N°468 (Kk.279)
71 2 [PARTX 3216-1] N°498 (Kk.202) - N°475 (Kk.519)

1948-/49
Album 30, 4 disques (130-133)
SCARLATTI: Sonates
1948-12-20
130 1 [PARTX 6532-1] N°413 (Kk.9) - N°415 (Kk.119)
130 2 [PARTX 6533-1] N°288 (Kk.432) - N°286 (Kk.427)
131 1 [PARTX 6534-1] N°203 (Kk.474)
131 2 [PARTX 6535] N°263 (Kk.377) - N°465 (Kk.96)
132 1 [PARTX 6536-1] N°382 (Kk.69) - N°384 (Kk.17)
132 2 [PARTX 6537-1] N°488 (Kk.8) - N°486 (Kk.13)
1949-5-10
133 1 [PARTX 6538-2] N°338 (Kk.450)
133 2 [PARTX 6539-2] N°450 (Kk.245) - N°12 (Kk.478)

の2つのアルバムがあり、
LP期の録音は、

1954-11 & 1955-5
DF 139-140
Domenico Scarlatti: Les sonates pour clavier
1954-11
[DF 139 1C1, XPARTX 25306, M6 163040] N°12 (Kk.478) - N°14 (Kk.492) - N°23 (Kk.380) - N°449 (Kk.27) - N°450 (Kk.245) - N°33 (Kk.87) - N°58 (Kk.64) - N°288 (Kk.432)
[DF 139 2C1, XPARTX 25308, M6 163042] N°338 (Kk.450) - N°382 (Kk.69) - N°344 (Kk.114) - N°413 (Kk.9) - N°415 (Kk.119) - N°423 (Kk.32) - N°429 (Kk.175) - N°468 (Kk.279)
1955-5
[DF 140 1C1, XPARTX 29125, M6 169832] N°465 (Kk.96) - N°463 (Kk.430) - N°286 (Kk.427) - N°486 (Kk.13) - N°475 (Kk.519) - N°384 (Kk.17) - N°498 (Kk.202) - N°499 (Kk.30)
[DF 140 2C2, XPARTX 29078, M6 169714] N°461 (Kk.29) - N°263 (Kk.377) - N°490 (Kk.523) - N°433 (Kk.446) - N°104 (Kk.159) - N°203 (Kk.474) - N°487 (Kk.125) - N°395 (Kk.533)

の2枚組アルバムがあります。

このたびDF15を入手しました。1946年のAlbum 15の4枚組と全く同じ内容が10インチLPに入っています。
SP期の原盤はアセテート録音だと言われていますので、アセテート・マスターからのカットでしょう。

1946?
DF 15
Domenico Scarlatti: Sonates
[DF 15 1C1, PART 12754, M3-131246] N°423 (Kk.32) - N°429 (Kk.175) - N°449 (Kk.27) - N°487 (Kk.125) - N°499 (Kk.30) - N°33 (Kk.87)
[DF 15 2C3, PART 13156, M3-131594] N°23 (Kk.380) - N°463 (Kk.430) - N°344 (Kk.114) - N°58 (Kk.64) - N°468 (Kk.279) - N°498 (Kk.202) - N°475 (Kk.519)

まず音ですが、ワウフラッターがあるのかゆらゆら揺れます。
うちのポンコツプレーヤの回転をまず疑いましたが、ラモ―のLPは正常でした。
Youtubeで1946年の音源を聴いてみると、揺れはLPほど明確には感じられないがやはり揺れています。
アセテート原盤をカットした時のレースの回転がおかしかったのでしょうか?
レンジは、バッハのSPと同程度です。歪っぽいところもありますが、盤が傷んでいるせいかもしれません。

演奏は、1950年代の録音に比べて、ラモ―のところで書いたように、若々しくて勢いがあり、颯爽としています。
しかし1938年のスカラムーシュ聴くと、1930年代の、さらには1920年代のメイエルはさらに素晴らしかったでしょうね。
では1954-55年録音のDF139-40は欲しくないかと言うと、もちろんそんなことはありません。Youtubeでしか聴いたことありませんが、より優雅です。
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by ibotarow | 2015-01-31 16:28 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 14日

マルセル・メイエルのラモ―

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いろいろ異論はお有りでしょうが、ボクはメイエルのレコードの中では、このラモー2枚組LPが一番美しいと思う。
視野に入って1年余、遂に入手できました。

DF 98-99
Rameau: L'œuvre pour clavier
[DF 98 1C5 - XPARTX 26508 - M6 165042]
1-er Livre (1706) : Prélude – Allemande - 2-e Allemande -Courante - Gigue –Sarabande - Vénitienne - Gavotte - Menuet
Recueil de 1724 (début) : Menuet et rondeau - Allemande - Courante - Gigue en rondeau- 2-e Gigue en rondeau - Musette en rondeau - Le Rappel des oiseaux
[DF 98 2C3 - XPARTX 24162 - M6 160688]
Recueil de 1724 (suite) : Rigaudons I and II - Tambourin - La Villageoise (rondeau) - Les tendres plaintes (rondeau) - Les Niais de Sologne, avec 1 and 2 doubles - Les Soupirs - La Joyeuse - La Follette (rondeau) - L'Entretien des Muses - Les Tourbillons (rondeau) - Les Cyclopes (rondeau)
[DF 99 1C3 - XPARTX 24184 - M6 160796]
Recueil de 1724 (fin) : Le Lardon (menuet) - La Boiteuse Nouvelles Suites (début) : Allemande - Courante - Sarabande - Les Trois Mains - Fanfarinette - La Triomphante - Gavotte et doubles - Les Tricotets - L'Indifférente
[DF 99 2C6 - XPARTX 25296 - M6 163030]
Nouvelles Suites (fin) : Menuets I and II - La Poule - Les Triolets - Les Sauvages - L'Enharmonique - L'Égyptienne - La Dauphine Pièces en Concert : La Livri (rondeau) - L'Agaçante - La Timide (1-e and 2-e rondeaux) - L'Indiscrète (rondeau)
【1953-10-29/30 recorded】

到着したばかりなので、一通り聴いただけですが、傷だらけです。プチプチ、パチパチ、ジャリジャリ、しかし、その中から聴こえてくるメイエルのピアノの美しさは、いささかも揺るぎません。
まるで鉄格子の中の美術品を見るような趣きですが、それもまた良いではないか。

以前、モーツァルトの協奏曲DF37の記事を書いた時、このラモーにも言及し、
「一番気に入っているのはラモーで、何が素晴らしいって、フランス風に調律された"a very light-actioned Steinway"から紡ぎ出される音の一つ一つに生命が吹き込まれ躍動しているのです。特に左手がグルーブ感に溢れ、時々イキでオシャレなフィニッシュを決めます。ティボーがやると、ケッ、カッコ付けやがって、と思うでしょうが、メイエルがやるとステキだと思うのは何故?」
と書きました。
この時はYoutubeで聴いた感想だったのですが、今レコードで聴くと、演奏の細かい襞のようなものがより明瞭にわかります。

メイエルのラモーは、この2枚組LPの他に、1946年録音の4枚組SPのAlbum 14、

Album 14, 4 disques (64-67) 
Rameau: Onze pièces pour clavier
64 1 [PARTX 2694-2] Les sauvages; Les cyclopes
64 2 [PARTX 2695-1] Les tendres plaintes; La villageoise
65 1 [PARTX 2696-1] Les soupirs
65 2 [PARTX 2691-1] Gavotte & doubles
66 1 [PARTX 2692-1] do
66 2 [PARTX 2697-1] Fanfarinette; Le rappel des oiseaux
67 1 [PARTX 2693-1] La livri; Legyptienne
67 2 [PARTX 2698-1] L'entretien des muses
【1946-05-07/08 recorded】

それから、上のSP盤と全く同じ曲目で、おそらく同じアセテート原盤からだと思われる10インチLPのDF14、

DF 14
Rameau: Onze pièces pour clavier
1: Les Sauvages - Les Cyclopes - Les tendres plaints - La Villageoise - Gavotte et doubles
2: Les Soupirs – Fanfarinette - Le Rappel des oiseaux - L'Entretien des Muses - La Livri - L'Égyptienne
【1946? recorded】

それに、クープラン他との組み合わせの1953-54年録音のDF86、

DF 86
Couperin, Rameau, Debussy et Ravel: Concert de musique française
[DF 86 1C1, PARTX 19519, M6 148674]
Couperin: Le Dodo ou l'amour au berceau - Les barricades mystérieuses - Les fauvettes plaintives - Les ombres errantes (quel chef d'œuvre!) - Le tic toc choc ou les maillotins
Rameau: L'entretien des Muses -Les sauvages - Les tendres plaints - Le rappel des oiseaux - Les cyclopes
[DF 86 2C3, XPARTX 23531, M6 158819]
RAVEL: Le tombeau de Couperin - DEBUSSY: Hommage a Rameau
【1953-1954 recorded】

があります。
DF 86のラモ―はDF 98-99とは別録音のようで、1946年のソースだという人もいますが、なんせ持ってないので、よくわかりません。
ちなみに、同面に収録されているクープランも、1946年録音の4枚組SP、Album 16、

Album 16, 4 disques (72-75)
François Couperin: Neuf pièces pour clavier
72 1 [PARTX 3221-1] Le dodo ou l'amour au berceau - Le tic toc choc ou les maillotins
72 2 [PARTX 3222-1] Les fauvettes plaintives
73 1 [PARTX 3223-1] La muse plantine, L'arlequine
73 2 [PARTX 3224-1] Les ombres errantes - Les barricades mystérieuses
74 1 [PARTX 3217-1] Les Folies Françoises ou les Dominos
74 2 [PARTX 3218-1] do
75 1 [PARTX 3219-1] Passacaille
75 2 [PARTX 3220-1] do
【1946-11-12 recorded】

のうち、5曲と重複していますので、ラモ―が1946年だとすると、クープランもそうだと思われます。

1946年録音のラモ―はYoutubeで聴く限り、バッハの時に書いたように、1953年の録音に比べて若々しく、より敏捷で溌剌としています。
しかしピアノの音の美しさは1953年の方が優ります。引き締まって、より澄んでいます。
この2枚組LPを、2時間通して聴くと心地良い満腹感がありますので、もうラモ―はこれで満足することにしようと思う。
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by ibotarow | 2014-12-14 14:32 | ピアノ_電気録音 | Trackback | Comments(3)